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直前まで清武の横にいたはずなのに。
清武の驚きを無視するかのように飛燕が言った。
「他になにか聞きたいことがありますか」
「大事なことですけど、相手がどんどん強くなっていって、それで勝てるんですか?」
「そんなことはわかりません。さっき見た犬もどきやでかい鳥もそうですけど、初めて戦う相手ですから。これからどんな敵が出てくるのか、どれほどの強さを持っているのか。そんなことはわかりません。実際に戦ってみないと。親玉が一番強いことは、間違いないことのようですけど」
「その親玉っていったい、なんなんですか?」
「これも詳しいことはわかっていません。ただ一説によると開いた門の門番だと言われていますね」
「門番?」
「ええ。こちらからあちらの世界に勝手に行かないように監視し、それと同時に異世界からこちら側にくる化け物を選別しているようです。推測の域を出ませんが」
「選別……ですか」
「ええ、たぶんあちらの世界にも、いないほうがまし、ってやつがいるんじゃないんですかね。詳しくはわかりませんが。しかし選別する権限があるのであれば、そうとうの実力を持っていると考えたほうがいいでしょう」
「……そうですね」
突然、魁斗がその歩みを止めた。
「おしゃべりはそこまでだ。団体さんが来るぜ」
魁斗の視線は上を向いていた。
それは紫苑も同じだった。




