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「わかってるさ。この人は私がなんとしてでも守る」
「なあ、飛燕もああ言ってるし。なあに人間なんて、死にそうで案外なかなか死なないもんだぜ。死ぬ時はあっさり死ぬけどよ」
「こらこら、一般ピープルを怖がらすんじゃないわよ」
「へーい」
飛燕はともかく、清武には紫苑と魁斗はふざけているようにしか見えなかった。
まるで修学旅行に来た中学生だ。
「それじゃあ行くわよ」
「へいへい」
「了解した」
三人は歩き出した。紫苑、魁斗、飛燕の順に。
清武はその後ろを歩いた。
しかし清武には気になることが一つあった。
そこで前を行く飛燕に聞くことにした。
飛燕は三人の中では一番常識がありそうだし、自分をここに連れてきた責任を感じているので、大抵のことなら答えてくれるだろう。
早速声をかけた。
「ちょっとすみません」
「なんですか」
「聞きたいことがあるんですが」
「いいですよ。なんなりと」
「さっき紫苑って子が「奥に行けばもっと強いやつがごろごろしている」って言ってましたけど、本当なんですか?」




