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「これで終わりだぜ!」
怪物を追うように魁斗が真っ直ぐ落ちてきた。
そして同時に戦鎚を力強く振り下ろした。
先端が再び怪物の頭に当たった。
嫌な音が清武の耳に届いた。
みればそいつの頭がぱっくりと割れていた。
中に人間の脳みそのようなものが見える。
そして強烈な血の匂いが漂ってきた。
「はい、いっちょあがりだぜ」
「ご苦労さん」
「それにしても初っ端とは言え、中ボスだろう。もうちょっと楽しませてくれてもいいと思うぜ。弱すぎるだろうが」
「まあ、あたいは血まみれの脳みそが見れたから、それでいいけど。で、魁斗。心配しなくても、奥に行けばもっと強いのがごろごろいるわよ」
「そう願いたいぜ」
清武が聞いた。
「えっ、奥へ行くんですか?」
「そりゃそうだろう。話し聞いてないのかよ。化け物の親玉をやっつけに来たんだし。だいいちそいつをやっつけないと、俺ら死ぬまでこの結界の中にいることになるぜ。それはあんちゃんも嫌だろうが。親玉はこの結界の中心にいるぜ。まあそれまでに雑魚キャラや中ボスがうようよいるけどよ。奥に行くのが嫌と言うなら、ここに一人で残ってくれてもいいんだぜ。もちろんさっきみたいなのが、まだまだいっぱいいるけど。それでもいい、私はどうしても一人で残りたいんです、なんて言うならしょうがない。あんたの意見を尊重するぜ」
「いや、いっしょに行きます」
「そうか。まあ大丈夫だ。運がよけりゃ死なないさ。運が悪けりゃ死ぬけどよ。運とあとは飛燕次第だな。なあ飛燕」




