在りし日の少女
2016/08/28
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これは、ある日の思い出。
少女の夢の中、出会いの物語――。
少女は露頭に迷っていた。
周囲には、人、人、人。
数えきれないくらいの人が、あちらこちらを行き交っている。
その中に知っている顔はひとつもない。全員が他人だった。
それも当然、ここは偽りの町――仮想の世界だ。
切り取られた自由の空間。
だが、何も知らない少女にとっては不安でしかない。
少女は、自由に歩くことのできる世界での彷徨を諦め、そのまま地面に座り込んだ。
見上げた空は雲ひとつなく明るく、丸い太陽だけが少女を見詰めている。
目に映る太陽がにじんでぼやける。
そんな時――。
突然、太陽を遮る黒い影が現れた。
「あ? んなとこ座ってっとケツ汚れちまうぞ?」
少女から見れば、巨人のように大きな男だった。
◇
「きりゅう?」
男は、少女の頭上のプレイヤーネームを口にした。
それが尻上がりのイントネーション――疑問形になったのは、少女の名前が少し変わっていたからだ。
「……紀柳院」
少女は、それを名前が読めないと勘違いし、いつものように正しい自分の名前を答えてしまった。
長年の習慣が出てしまったのだ。
男はその意味が分からず、その言葉をさらにオウム返しに問うてしまう。
「は? きりゅういん?」
「紀柳院楓じゃ」
それをさらに少女は、名前を聞かれたと勘違いをして答えてしまう。
「げっ」
ここで、さすがに男も気が付き、少女に対して自身の失態を悔いる。
「……おいおい、聞いた俺が言うのもなんだが、そーいうの口にすんのはここじゃNGだぜ?」
「名前を聞いておったのではないのか?」
「確かにそーだが、そーじゃねぇ」
随分、変わった口調だと思いつつ、男は自分の頭上を指差した。
「ここ」
「?」
「見えんだろ? これ読んだぁだけだ」
「あ……」
少女は、そこで初めてネームの表示に気が付いたのだろう。
最初に登録した自分のネーム――本名を文字ったそれに気が付き、うつむいてしまう。
「……うう」
「あー。まぁ、んな気にすんな。ぜってー他言なんかしねぇからよ。つか、ほぼ本名まんまじゃねーか」
言い繕ってはみたものの、バツの悪さは誤魔化せない。
男は後ろ頭を掻きながら視線を逸らした。
そして考える。
「……うし、分かった。確かに、俺様だけ一方的に知ってんのはフェアじゃあねぇ。こっち来い」
そうして、男は口に片手を当て、耳打ちのジェスチャーを示す。
それが通じたのか、少女も男の口元に耳を寄せた。
男は小声で言う。
「風間玄だ」
少女もその名前を聞いてキョトンとする。
――カザマゲン。
見比べるのは、男の頭上。
「…………」
「な、なんだぁ?」
やがて、少女は堪えきれずに笑い声を零してしまった。
「な……! 人の名ぁ聞いて笑うたぁ、いい度胸だなぁ、おい」
「いや、だっての……くくくっ」
少女は口元と笑いを抑えてこう告げた。
「おぬしとて我と同じ。本名を文字っておるではないか」
と。
◇
少女の、ある夏の思い出。
少女と男の記憶の物語――。
浴衣姿の愛らしい少女がいる。
世のしがらみを知らない無垢な瞳。
その瞳が映すのは、暗闇に咲く大きな花だ。
「………………」
暗闇に咲いては散り、散ってはまた咲いてゆく。
まん丸の瞳は、その光景に見入っている。
少女は橋の欄干に腰を下ろし、足を揺らしながら夜空を眺めていた。
「のう。あれは何じゃ?」
夜空を指差しながら尋ねる。
問いに答えるのは、欄干を背に煙草を吸う男。
「……お嬢。花火知らねぇのかい?」
吐いた紫煙が風に揺れる。
行先は、少女の反対だ。
「ほう、これが花火か。耳にしたことはあるの」
「耳って……はぁ。そりゃ苦労なこって」
花火、という単語をぽつりと何度も零す。
何か感じ入るものがあったのか。少女は再び空を見上げた。
何度も打ち上げられる夜の花。
黒いキャンバスに明るく咲いては崩れ、散って消えてはまた次々と花開いていく。
「綺麗じゃ」
「そうだな」
「綺麗じゃが……儚い命じゃの」
少女は物憂げに言った。
連続して打ち上げられてはいるものの、ひとつひとつの花は瞬く間の寿命だ。
「短いと言われる蝉ですらひと月、蜉蝣でも数時間生きるというのにの」
「そりゃ繁殖のための成虫期の話だぁな。幼虫含めりゃ蝉なんて年単位だよ、お嬢」
「となると、虫としては長寿になるのかの。やはりおぬしは物知りじゃのう……」
「別に大したこっちゃねぇって」
「そうか。ならば我は……いや、やめておこう」
少女は小さく首を振った。
「のう」
「あん? 今度は何だ?」
しばらく夜空を見上げ、少女は再び問いを発した。
「花火とは……何のためにあるのじゃ?」
「なんのって……改めて聞かれっと……えーと、なんだ?」
男は顎に手をやり、首を捻って考えた。
そうして導き出された言葉は、
「俺にとっちゃあ酒の肴だな。あとは……夏の風物詩?」
「むぅ…………儂は酒は飲まぬゆえ分からんのう」
「いやまぁ、酒は呑んでも呑まなくてもいいってか…………あー、ほれ」
男がだるそうに空を指を刺す。
バァンと大きな花が開き、キラキラと流れ星のように散っていった。
「とりあえず綺麗だべ?」
「…………うむ。綺麗じゃのう」
その光景から目線を外さず、少女は小さく頷いた。
「花火ってのは、一瞬に全霊賭けてっからよ。あんだけキレイに咲くなんだろうな」
「そうか」
少女は言葉の意味を反芻するようにしばらく黙り込んだ。
そうして二人は、しばらくの間静かに花火を眺めていた。
◇
それから一時間――。
浴衣姿の男と少女は、提灯や篝火の揺れる川沿いの小道を歩いていた。
あちこちから上がる「らっしゃい!」という意気の良い声。
屋台を取り仕切る香具師のものだ。
焼きそば、お好み焼き、たこ焼き、焼もろこし、ベビーカステラ、大判焼、かき氷、チョコバナナ、水あめ、綿菓子、輪投げ、射的、くじ引き、金魚掬い――
数えきれないほど多くの出店が、視界の奥まで通りの両脇に立ち並んでいる。
「さっすが都会の商業区だ。こりゃいい時期に来たみてぇだなぁ」
「じゃの」
男の目は、“生ビール”と書かれた出店に注意が向いているようだった。
少女の方はというと、どうやらお面屋が気になっているらしい。
「かかかっ、血が騒ぐぜ! どこもかしこも祭りモード全快じゃねぇか! ――っぷはぁ」
男は、“祭”の一文字が描かれた団扇を片手に、ちゃっかり購入していた麦酒を勢いよく煽った。
そして、少女の手を引き、対面の屋台の前に連れて行く。
「んで? お嬢はどれが欲しいんだ?」
「別に……欲しくなどないのじゃ」
「おーおー。可愛げのねぇこって。んじゃま、俺っちの見繕いで……旦那ぁ。コレくれや」
「へい、毎度!」
そうして半ば強引に少女にお面を被せた。
視界の邪魔にならないよう、横向きにしてある。
「……これは?」
「んー? なんだったか。黄色のネズミっぽい生き物?」
「むう。鼠はあまり好かんのう。あまり良い思い出がないのじゃ」
「かかか。たぶんそっちのネズミじゃあねぇな」
いまひとつ気に入らなかったのか。
しかし、男は少女の反応に満足していた。
「これが祭り……か。いい響きじゃの」
それからも二人は沿道を歩いた。
楽し気な笑い声。喧噪。笛の音。太鼓の打音。悲鳴――。
…………悲鳴?
少女は、首を傾げながらも頭からそれを追い払った。
「は? ……お嬢。まさか、祭りも知らねぇとか?」
「馬鹿にするでない。噂にくらい聞いておるのじゃ」
「いや、それ変わんねぇだろ……うえ」
男は、空になったプラカップをゴミ箱に投げ入れ、近場の屋台を見回す。
そうして、適当に見繕ったものを少女に手渡した。
割り箸を受け取った少女が、先端に突き刺さった大きな赤玉を不思議そうに眺めている。
「……これは?」
男は黙って少女の手を取り、それを少女の口元に突きつける。
「ほれ。黙ってガブっといけ」
「ほう? …………がぶり」
パキパキと水飴が割れる小気味良い音とともに、少女の喉がこくんと鳴る。
「お? ……おぉ。りんごではないか。甘いの!」
「うまいか?」
「うむ。気に入った!」
「おい。口についてるぞ。ったく世話の焼ける……」
男は手ぬぐいで少女の口を拭いた。
少女も特に抵抗なくそれを受け入れる。
「む? ……すまぬな。それで、おぬしは食べぬのか?」
「は? ビールにりんご飴だ? いくら奇抜にもほどがあんぞ」
「美味しいやもしれん」
「生憎と甘ぇもんは嫌ぇなんだわ」
「好き嫌いはよくないと母君が言うておったのじゃ。ほれ」
少女はずずいとりんご飴を男の口元へと突き出した。
「知るか! つか、こういうのは別に好き嫌いたぁ言わねぇ!」
反論したが、少女は差し出した手を引っ込めるつもりはないようだった。
男は、りんごについた小さな歯跡をしばらく無言で睨んでいたが、
「…………けっ。やっぱ甘ぇから嫌いだ」
やがて諦めたように少しだけかじり、不機嫌混じりにそう呟いた。
「なんと……口に合わんというのか」
「あぁ? あー………………いや、まぁまぁだ」
「であれば、おぬしの食わず嫌いだったわけじゃの」
「甘いのは嫌いだっての。これは……あぁ、今回だけの特別だ」
わずかに気落ちした少女に笑顔が戻った。
男はもう一度舌打ちをしてそっぽを向く。
近くの篝火のせいもあったのかもしれない。
少女が見た男の耳は、歯型の重なったりんご飴のように赤く染まっていた。
◇
花柄の振袖を着た少女は、宿舎の窓から外を眺めていた。
深夜まで続く、祭囃子。
「のう。儂らもギルドを作れば……あのような祭りができるかの?」
隣にいるのはいつもと変わらない。
膝丈の羽織り――法被のような単装束の男。
「そりゃ…………できるんじゃねーの? たぶん」
「……そこは嘘でもできると断言する場面ではないかの?」
「へーへー、できるできる」
「こ、心が篭もっておらぬ!」
むくれたような表情を見せる。
近頃は、以前ではなかったような一面を見られる機会が増えてきた。
「………………はぁ。んだなぁ」
「な、なんじゃ……急に溜め息など吐きおって」
「あのな? お嬢」
「う、うむ……」
珍しく、男は真剣な眼差しで一本指を少女に突きつけた。
少女は上体をわずかに反らし、気圧されながらも眼前に立てられた指を寄り目で注視した。
「人間、頑張って叶わねぇことなんざねぇのよ」
男がきっぱりとそう告げた。
「そ、そうなのかの?」
思っていたよりもシンプルな言葉に、少女も反応が単調になってしまう。
「おうよ。俺様が嘘吐いたことあったかぁ?」
少女が首を傾け、男との記憶を辿る。
「…………シーリサの洞窟。レベリングにちょうど良いと言うから向こうたが、クリアまで脱出不能の罠があったではないか。あの時は死ぬかと思うたぞ?」
思い出したのは今よりももっと昔、まだ駆け出しだった頃だ。
迷いに迷いながらダンジョンをクリアした涙ながらの記憶は、今でも薄れることはない。
「まぁ…………結局死んでねーし、微妙に論破し切れてねーからノーカンな?」
「POTがぶ飲みじゃぞ――!? 常に死の瀬戸際じゃったわ!」
両手を振り回して抗議を訴える少女に対し、男は「かっかっか」と愉快そうに笑った。
「お嬢もだいぶらしくなってきたじゃあねぇか。でも、今ならそこも問題ねぇだろ?」
「そりゃ……のう」
今と当時とではレベルも装備も違う。
やっとやっととはいえ、ひとりでも何とか乗り越えたダンジョンだ。
再び挑戦したところでさほど苦戦はしないだろう。
「な? お嬢もそんだけ成長してんのよ」
「そ、そうかの?」
「そーそー」
「むぅ…………何だか上手くはぐらかされた気がするの」
少女の顔が、提灯のように丸くなる。
「いいから聞けって。人間、頑張って叶わねぇことなんざねぇのよ」
男は、膨れた少女の頬を指先で突きながら言った。
「それはさっき聞いたの。――して? 叶わなかった時は?」
「頑張りが足りねぇ。つか、考えるだけ無駄。届くまで走れ」
「お、おぬしは鬼じゃのう……」
至極最もな意見ではあったが、少女には何かしら感じ入るところもあったようだ。
「ま、俺様はそーゆー人間だからなぁ」
「ふむぅ……つまるところ、何を為すのも儂の頑張り次第――ということじゃな?」
「おうよ。期待してるぜぇ?」
「はっ、見ておれ!」
そして、二人はギルドを設立する。
男が、少女の名から命名したギルドを。
◇
そして、二人の刻はさらに流れた――。
「のう。これならばどうじゃ?」
少女は両袖を広げながら、その場でクルりと回る。
「なんだ? 着物でも新調したのか?」
ギルドの設立により、創設メンバーとなった男は不本意ながらも多忙の身となっていた。
横目で一瞥し、少女にそう返す。
「えぇい、ちゃんとこっちを見ぬか!」
「おわっ――!」
少女は男の顔を掴み、ぐりんと自分の方へ向けた。
「な、なにしやが――――る……?」
男は、至近に迫る少女の顔を見て怒鳴ろうとしたのだが、見慣れた少女と雰囲気が少々異なる。
何より、下に移動した視線が“あるもの”を捉え、その語尾は疑問系へと変わっていった。
腰の両手を当て、得意気に胸を張る少女には、今まで全く存在していなかった圧倒的な質量が備わっているのだ。
「………………お嬢? 胸に何入れたんだ?」
「馬鹿者! お主にはこれが紛い物に見えるか! なんだったら触ってみい!」
「おわっ、ちょ、やめ……やめやがれぃ――!」
両手で男の手を引き寄せる少女を、男は必死の抵抗で何とか引き離した。
「はぁはぁ…………お、お嬢。レベル上がったせいか、前のように一筋縄じゃいかなくなってきたな……なんつー腕力だ……」
「ふ、ふふふっ……これも鍛錬の成果じゃの……」
呼吸を荒げながら少女が言う。
油断していたとはいえ、先ほど顔を掴まれた時も同様だ。
見えないところでも、鍛錬を怠っていないらしい。
おかげで、ギルド運営絡みの庶務や雑務の大半は男に回ってきているのだが……置いておこう。
「……で。それは?」
男は、露骨に膨らんだそれを指差した。
着物の上からでもはっきりと見て取れるそれは、ある意味、魅了スキルの一種とも言うべきか。
つるぺったんを知らなければ、この男とて怪しかったかもしれない。
「よくぞ聞いてくれたのじゃ! これならばもう、童だと馬鹿にされることもないのじゃ!」
「……………………まぁ」
端的に言えば、少女が行ったのは“アバターチェンジ”と呼ばれる外見のリメイクだった。
VR視点の関係で、身長などは現実の数値からさほどかけ離れた設定はできないのだが、それ以外に関しては大きな制限はない。
元々、少女の背は150半ばほどあり、幼さの要因の大半は体型と顔の造形にあった。
そこを弄ってしまえば、これこの通り――ということか。
「別人…………だなぁ」
「うむうむ。そうじゃろう、そうじゃろう」
少女が満足げにうんうんと頷いた。
癖の効いた口調も相俟ってか、威厳じみた迫力まで備わったようにさえ錯覚する。
「……とはいえ、実際もこのくらいはあるのじゃがの」
「まさかの逆詐欺ってかぁ――!?」
「あまり好んでなかったゆえ、そこだけ少々弄ったのじゃ」
確かに、デフォルトでのキャラクターメイキングは個人情報に登録された身体数値がそのまま適用されるはずだ。
それゆえに、以前のツルペタこそがありのままの少女の姿だと思い込んでいたのだが……。
「くくく。これで、もっと儂が頑張れば――“楓柳”はさらに大きくなるはずじゃの!」
「ん? あぁ…………そうだなぁ」
「そうすれば、きっと…………うむ」
両手でグーを握る少女――いや、もはや少女ではないのだろうか。
男は、心の何処かに一抹の寂しさを感じていた。
◇
楓柳は、日増しに成長を重ねていった。
そこにかつて二人だけで過ごした面影などない。
周囲のギルドを蹂躙し、吸収し、規模を大きくする。
今は、ただ恐れられる存在となっていた。
「総員、突撃――敵軍を蹂躙せよ!」
「「「応――!!」」」
少女の号令が飛ぶと、屈強な男から女の子まで――全員が武器を手に戦った。
ギルド戦が始まれば楓柳は大きな戦火を上げ、新規メンバーの加入は留まるところを知らない。
始めは小さなギルドハウスも、気が付けばメンバーの家に囲まれ、それが町を作り、いつしか城となっていった。
――少女があまり笑わなくなったのは、【修羅姫】の二つ名で呼ばれるようになった頃からだろうか。
執政は部下に全て一任し、少女は地位と名誉を未来永劫のものとするべく、ひたすら町の地下にある地底の洞窟へ潜っていた。
常に己を高め、必要があればその力を如何なく発揮する。
少女が舞えば、敵はただ打ち倒されるのみだ。
結果、戦天の名は誰もが知るほどの――いや、UWOの中でも頂点を競う“十二天”の中ですら大きいものとなった。
――戦天は悪鬼羅刹だ。
――楓柳に挑むだけ無駄じゃないか。
――いっそ軍門に下ってしまえ。
楓柳という巨大組織は、いつした傘下のギルドまでをも持つようになり、長たる戦天でさえも端々まで目の届かない――そんな規模にまで達していた。
もちろん、そこに戦天の名が与えた影響は計り知れない。
しかし、組織となった楓柳の大半を取り仕切っていたのは、古参である“白花”を筆頭にした幹部たちの偉業だ。
それがより顕著になったのは、“深雪”の加入以降だろうか。
楓柳は、【雪月花】を冠した三つの大派閥に分けられることとなる。
少女に忠誠を誓った雪組の深雪は、戦天の期待に応えるため、一層の尽力を惜しまなかった。
やがて、楓柳は四大ギルドのひとつとして数えられ、さらに“月天”をメンバーに加えて以降はUWO最強のギルドとも囁かれるようになっていた。
――少女が心から笑わなくなったのはいつのことか。
――飼われた篭の鳥のようになったのは。
――ただ、戦うためだけの存在になったのは。
そして、男がギルドから姿を消したのはいつのことか――。
まだキヨウが別の村だった頃。回想はこの話に全て纏めました。
字数がどんどん増えていきますね(汗)




