異能力 設定
作者の覚書き。
色々作ってみました。
異能力
◆異能
人とは異なる力。人より優れた才能。一風変わった独特な能力。異才。
怪異、魂依り、隠叉、超能力や祓いの力など、そういったモノの総称。
◆怪異 ―― 現実にはありえないような、不思議な事実。また、そのさま。
神霊 ―― 神威 ―― 神通力 ――白(力を解放した時、見える色)
妖怪 ―― 妖威 ―― 妖力 ――紫
人獣 ―― 霊威 ―― 霊力 ――青
変異体(どれも当てはまらない者)――主の力+副の力+α残り――色は全部
◆魂依り
道具や言葉、文字や造作物に力を込めてしまう者。
付喪神の作り手。
曰く「良いモノには、魂が宿る」
職人たちが多い。
触媒
人間以外の者の力を宿す器の役割。
普通は契約した人外の者に由来する何か。または武具などを触媒として、戦場などで用いられる。
隠叉の力は強大ゆえ、制御しきれず自滅してしまう者も居る。その為、隠叉の力をより扱いやすくする補助具的な役割を持つ。
人の身に余る力を制御し、人間の体に合わせるため。人の身であるまま、生きて死にたいならば、触媒は必要。
なにかしらの触媒があれば、人外化の浸食率と精神を病む確率、身の内の人外に喰われる確率が格段に減る。
◆隠叉
人ならざる者との絆の力
◆魂依り
心を持つ者が込める想いの力
◇隠叉
五つの世界、すべての理を外れた者。逸脱した者。人ならざるヒト。
「“人に隠れる夜叉”と書いて隠叉と呼ぶ」と古来より伝わる特異な力を持つ人種。
彼らの特徴は皆、「元は人間である」ということ。
彼らは「人の身で、人間ならざる者たちと契約を為し、その力を身に宿すことに成功した」者たちである。
隠叉は、契約した神魔の力をその身に宿し、その力を行使して、時たま歴史の狭間に現れる。
例えば、
―――或る者は鴉天狗と契約して、足の速さと飛ぶ力を獲得し、情報伝達に尽力した。
―――或る者は、神代の高位神と契約し、朝敵を討ち払い、国を掌握してよく治めた。
―――或る者は、第六の天魔と噂される魔王と契約して、日ノ本統一を目指して尽力した。
―――或る者は、悪知恵の働くと巧妙にして巧妙な古狸と契約して、天下を奪い取り、つかの間の平和を長引かせた。
―――或る者は、己の願いと虐げられてきた報復の為、己諸共、隠叉となる覚悟を決め、気まぐれに歴史を変えることに尽力してきた。
下に恐ろしきは人の欲望。望みなり。
◇隠叉に至る道
隠叉となる人間には、強い望みを持つ者が多い。
その理由に応えて、人外たちは隠叉と契約を結ぶかどうかを決めることが多いからだ。
隠叉となった人間は『宿主』と呼ばれ、契約した人外とある種の共生関係を結ぶことになる。
『宿主』を決めるのは、“力を貸す”『人ならざる者』の方であり、それは絶対の理。
人がどう足掻こうとも、神代以前からの『世界の理』である。
『宿主』は行使した『能力』の代わりに契約した人外に『対価』を渡す。
そうして、この『隠叉』という制度は宿主と人外、相互の協力の上に成り立っているのだ。
・対価
『対価』は隠叉により千差万別、隠叉の数だけ、『対価の在り方』が変わる。
例)魂、命、寿命、生贄、体の一部、時間、成長、記憶、経験、
儀式めいた行為、物具、想い、覚悟、
霊力、神通力、妖力、血、その他。
契約者が差し出せるモノによって、契約した隠叉の力の強さは異なる。
また、契約した隠叉の力を使用しようとしても、強力な人外と契約したのならば、それに見合うだけの努力と覚悟、躰(器)がなくては、契約人外の恩恵を受ける事は出来ても、隠叉の力を十全に発揮することは敵わない。
強力な力は諸刃の剣となり、
隠叉に至る道、契約には4つのタイプがある。
能力が一番弱い『加護レベル』の契約。
身体能力の強化や、普通の人より体が丈夫になり、病気になりにくくなる。
また、契約を結んだ人外によっては、その人外に由来した特異な力を少々行使できるようになる。
ただし、あくまで“加護”なので、期待はできない。
代償がない代わりに、知らぬ間に契約を結んで、知らぬ間に契約が解除されていることもよくある。
触媒:お守り程度の物具
その次が『流派・団体レベル』での契約。
これはある流派や団体の当主が代表して契約を結び、下の者に加護を与えるというモノ。
代々、契約・派遣社員の如く、長期的に契約を結ぶ代わりに、代償がほとんどない。
ただし、力は村ひとつ護れる程度の弱い力。
隠叉の世界では比較的一般的な契約方法であるゆえ、特別な呼称法は決まっていない。
触媒:比較的長持ちする物具
『加護レベル』が一人の人間がシャベルなどの道具を使って行使できる程度の力だとしたら、流派・団体レベルは人間が車や機械を使用したり、なにか武道などの一般にはない特殊技能を習得して、その力を行使する程度の力。
まだまだここまでは、人の域を出ない力である。
さて、お次は戦国大名や古い家に多い『血筋契約』。
妖怪の血筋だの、神様の血筋だの、聖人の血筋などと過去の実家の所業に、人外と交わった者が多いのが特徴である。
また、人外自身に血筋ごと執着されているとか、隠叉に良くも悪くも愛された血の者達。
血縁内で代々、契約した隠叉が自動的に受け継がれていくのが特徴である。
契約が解消されるのは、血筋がお家の血筋が途絶えた時。または宿主と人外、両方の合意があった時のみ。
強力な契約法ゆえ、力を求める者達は、比較的代償少なくて済む、人に扱える力の中で最上のこの契約法を好んだ。
ただし、能力の対価として、契約を結んだ人外が命じる代償は別である。
この契約法は、高貴かつ力の強い隠叉が多い分、代償もまた高くつく。
触媒:宿主の血と契約人外の一部を混ぜて調整した物具。
血筋契約の上にまだ、禁断の最上位の契約方がある。
最も強く、契約した隠叉の力も思い通りに行使できる『魂レベルの契約』だ。
契約した人外の能力によるが、望めば天災レベルの天変地異も思いのままだ。
他にも様々な特典がある。隠叉の中でも最も上位の契約法だ。
ただし、魂レベルで契約を結んでいるので、契約解除は不可である。
『魂レベル』での契約は、隠叉との半ば融合だ。
あらゆる理を外れる代わりに代償は高く、また悲しみも付きまとう。
戦国時代、捨て駒とされた者達や、決死の覚悟を決めた者達に多い契約法であった。
契約失敗代償は、自我の消失。肉体崩壊。精神崩壊。存在ごとの消滅。
などなど、とにかく失敗した時の代償が大きいからだ。
ゆえに、禁断の契約法。覚悟を問われる最上位の契約法なのである。
触媒:契約者自身
◇人外が転じた存在、妖魔
妖魔は妖怪に“魔が差して”人間に危害を為す存在となってしまった者達の事である。
妖魔は普通、自我を失くし、本能のままに暴虐の限りを尽くす。
これを捕え、封じれば、『隠叉』の基となることもあるし、祓えば天変地異を征伐したと上から報奨金を貰えることもあった。
ここで注意したいのが人外は、七つを越えない子どもか、ある特別な眼『見鬼』を持つ者にしか見えない。
されど、被害は確実に見えない者にも降りかかってくるということだ。
関ヶ原の合戦では、多くの血の穢れで妖魔が呼び寄せられ、慌てて討伐したという逸話が残っているくらいである。妖魔を放って置くと人死にが出るのだ。
ゆえに魔を祓うものが必要であり、陰陽師や神社仏閣、四十九院家など封魔を生業とする家々が歴史の裏側で隆盛していったのである。