薄れゆく家族の懐かしい夢は、私に何を暗示するのか
皆さん、こんにちは。
唐笠 雨袮です。
これは二作品目になります。
一作品目は、完結してますが、追加投稿したいので連載中になってます。
そちらも宜しく。
今回は、残酷描写を極力控えていきます。
…多分。
更新速度は遅いかと思いますが、気長に待っていてください。
どうぞ宜しく。
「ねぇねぇ、おばーちゃん。」
一人のおさげの少女は、身の丈に合わない扉を開けながら、ぱちぱちといいながらも消えてしまいそうな熱を孕む暖炉の前で、木製の椅子に座っている老婆に明快に声を掛けた。
「なんだい?」
老婆は振り替えることなく、しかし、優しい声で返事をする。
少女は小さな足でとてとて歩き、老婆の膝に飛び乗った。
「私ね、夢が出来たの!!」
少女は乳歯ばかりの歯を見せながらニカっと笑った。
老婆はゆっくりと目を開けながら、しわしわになった手で少女の頭を小さく撫でた。
「おぉ、そうかい。どんな夢だい?」
今度は老婆は、少女にだけ聞こえるような小さな声で訊ねた。
「私ね、ヒーローになりたいんだ!!色んな人を守れる、強い人に!!」
少女は嬉々と答える。
老婆は少し困ったような顔をして、少女と顔を合わせる。
「とっても素敵な夢だと思うよ。けどね、その場合は、ヒーローじゃなくてヒロインかな。」
老婆は少女の頬を舐めるようになぞった。
首の辺りまでいくと、少女は少し震え、嗚咽を漏らした。
「おばーちゃん!!くすぐったいよー!!」
少女は笑いながら手を払う。あくまでゆっくりと、体に衝撃が走らない様に。
「ふふっ。ごめんね…」
そして、
部屋が霞んだ。
ぼんやりと…
溶けて…