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暇つぶしにどうぞ  作者: そろそろ
異世界バトル編
9/12

もう一つの試作

俺の爺さんはダンジョン攻略もしたことのある冒険者だった。

そして、父は、ほとんど家にいなかった祖父の仕事が嫌いなようだった。

祖父に冒険者時代の話を家でさせなかった。


父は家族で一緒にできる畑仕事を好いた。

畑は爺さんが冒険者時代に稼いだ金で買ったんだけどね。

祖父自体は好きなようで、最後までしっかりと面倒をみた。

祖父が死ぬと鎧だとか剣だとか壁に飾ってあったものから

何から冒険者時代の物で売れるものは全部売ってしまう。

その新たな金で俺用の畑を買ってくれたので文句はないがね。


そんな父も、ぽっくり逝ってしまう。

ぼけーとしてたら、畑の権利を兄嫁にとられ、家を追い出される。

家を出る時、母から黒い石を渡される。

祖父の冒険者時代の遺産の売れ残りだ。

祖父は賢者の石と呼んでいた。金にこまったら売れと言い残した真っ黒な石である。

実際に売りに出したら1銅貨の値段すら付かなかった。

父は売れない物は形見とするつもりだったようで捨てずに取っておく。

母がお守り代わりにはなるだろうと渡してくれる。


大きさは拳大なのでお守りとしてはでかいかもしれない。

背嚢に入れておく。


兄嫁に会いたくないので、早朝の出発だったが、兄も起きててくれた。

すまんと、小銭袋を渡してくれる。

財布の紐をしっかりきっちり握られ、小遣いも一切ない兄が

やっとこさ貯めた小銭の重さに涙した。


とりあえず、大きな街にいくことにする。

冒険者になるのもいいが、前に調べた時は、

単なる雑用、日雇い、便利屋、なんでも屋といった印象だった。

未開の地も少なくなり、本当に未踏の地を冒険する

冒険者は少ないようだ。未踏の地に踏み込む冒険者を支援する

冒険者ギルドは今じゃたんなる派遣会社である。


不景気だと冒険者ギルドから斡旋される仕事だけでは食って

いけない。最近は、新王が即位し、景気もよくなったので、

斡旋される仕事だけでも食っていけるそうだ。


まぁ、景気が良くなったのなら、街に行けばなんらかの仕事はあるだろう。

隣村でや休まず、そのまま先に進む。

ブサメンの俺には嫁がいない。嫁が欲しいと思った時期もあったが、

兄夫婦をみていると、収入全部が懐に入るので嫁がいないのも悪くはないなと思える。

それゆえ、貯金はそこそこある。村に泊まって街に向かってもいいのだが、

無料で泊まれる祠がこの先にあるので、そこを目指す。無駄使いはよくない。古い女神が祭られていた気が


する。


夜中、眩しい光で目が覚める。祠内にいるのは俺一人だ。

背嚢から光が漏れている。背嚢を調べると、お守り代わりに持ってきた

石が光っていた。どうやら本当に賢者の石だったようだ。

非常に高価な石のはずだ。とりあえず眩しいので両手で覆う。

失くさずに大切に持っていかなければと思うと、

石が手から飛び出し、勢いよく顔に飛んで来る。

額にがつんと当たり気を失う。


目が覚める。日はすでに西日だ。石があたったはずの額は痛くないが、

体の節々が痛い。だるさはない。体は痛いがいつもより元気かもしれない。朝から夕方までの間に祠に来た


人がいたかは不明だ。

荷物が荒らされた形跡はない。しかし、賢者の石が見当たらない。

石だけ盗まれたか。かなりのショックだ。落ち込んでいると

女性が2名来た。祠に泊まるようだ。村に泊まればいいのにと思う。

女性は苦手だ。とくに二人のような美人は苦手だ。


よせばいいのに、どうせ聞くなら美人がいいと、隣村で道を美人に尋ねたら

悲鳴を上げられ、グーで殴られ、駐在を呼ばれ、あんたその顔なんだから、

女性に声をかけちゃだめだよと説教されたのを思い出す。

この祠の側の村だ。イケメンとはいわずとも普通の顔に生まれたかったと

思ったものだ。吟遊詩人の語る物語でブサメンが主役の話ってないよね。


などと数秒の間にたくさんのことを考えていたら、

「ご一緒してもいいですか」と片方の美女に聞かれた。礼儀正しく

人当たりの良い娘だ。水商売の娘だろうか、美人局でないことを祈る。

俺は商売女が好きだ。金さえだせば極上の笑顔を向けてくれる。

笑顔の先が金であっても問題無い。愛が無いと非難をする人間がいるが、

笑顔の先が愛か金かの違いなだけであって、人は何かに向けて

微笑む。微笑む先はなんだっていいと思う。


金を貶し、愛といいつつ美女やイケメンに微笑む人間よりは、

努力すれば手に入る金に微笑む人間のほうが好きだ。

努力してもイケメンにはなれん。


などとまた一瞬考えつつ、「どうぞ」と反す。

せっかくの笑顔に、緊張して素っ気無く反してしまった。

お店を聞いて今度指名をしようと思う。


美女は「ありがとう」と礼を言い、中に入ってくる。

場所は十分にあるが、俺は荷物を整理して端にまとめる。

賢者の石は見当たらない。誰かが持っていったか、

金は無事なので、まぁいいか。賢者の石の値段を調べるのはやめておこう。

ショックで寝込む額だと悔しすぎる。

あれは賢者の石ではなく、たんなる光る石だっと思うことにする。


声をかけてくれた美女が外で飯を作り出す。ほぼ一日飯を食っていなかった

ことを思い出す。あまり腹は減っていない。ま、ずっと寝てただけだしね。

それでも、良い匂いを嗅いだせいか腹が盛大になった。

祠の中にのこった美女がくすりと笑う。顔が赤くなった。

「もしよければ一緒に食べる?」と聞いてくる。

こちらの娘は年上に対し少しなれなれしいようだが、感じは悪くない。

もしかしたら年上かもしれないしね。女の年はわからん。


エルフの血でもまざっていればなおさらだ。混じっているかもしれない。

「はい、いただきます」と答える。


料理を作ってる娘は背が高く。細身だががっしりとした印象だ。

茶髪で、目もブラウンだ。まぁ、持ち物からして、水商売の女のわけはない。今は佩いていないが先ほどま


で剣を腰に下げていた。長柄の槍もある。

祠にいる女もそれほど背は低くない。こちらの娘の方が家庭的印象がするが実は料理は一切できないといっ


たギャップ萌えがしそうな印象だ。

先ほどまで、短めの剣を腰に下げていた。


背の低い方の女が「私は、アン。あっちはユーフェよ」と

「俺は、リク」「俺?」アンが変な顔をする。

「すいません。私は田舎からでてきたばかりなので」

やはり年上なのかもしれない。【俺】は失礼だったか。

「きにしないで」笑顔でいってくれた。


安心しつつ、自分の声の調子を気にする。いつもより高いような

気がする。「あー、あー」高い。

「どうしたの?」「何か声の調子が変で」

「あら風邪かしら」「実は丸一日ここで寝ていたんですよ」

「まぁたいへん」

アンがずいっと近づいてきて、手を俺のおでこに当てる。

「たしかに熱っぽいわね」

アンは自分の荷物から瓶を出し、コップに中の液体を注ぎ、

「これでも飲んでなさい」と俺に差し出す。

かなり度の強い酒だった。ごほごほ咽る。


「寒くない?」

「だいじょぶ」

「そう」といいつつ毛布を荷物から出し横に来て

一緒に包まってきた。驚きつつされるがままになる。

と、あることに気付く。アンより俺の体の方がだいぶ小さいのだ。

ユーフェが俺より高く170くらいで、アンが俺より小さく155

くらいだと思っていた。俺は165だ。

手を伸ばすと、服の袖がだいぶ余る。

「どうしたの?」

「なんか体が縮んだ気がして」

「風邪のせいよ、もうすぐご飯ができると思うけど、寝ていなさい」

風邪が体が縮んだ経験が一度もないが世界は広い。風邪が原因かと

納得すす。強い酒で少し酔ったが眠くなるほどではない。


アンちゃんの体柔らかいなぁと包まっていると、ユーフェが

「食器の準備くらいしてよ」と入ってきた。

「この娘、風邪を引いているみたいで」

この子かぁ、やっぱ女性は見た目ではわからないな。

一応俺は、今年で26歳だ。二人とも20代前半に見えた。


まぁ、たいして違わないといえば違わないが、

俺は30前半に見られることが多い。

「風邪ぇ?」

そう言って、俺の顔をじっとみるユーフェ、一瞬比喩ではなくピカっと目が光ったように見えた。

「大ジョブ、風邪は引いていないわ」

「そう?少し熱っぽいようだけど」

「アンにしてはずいぶんかいがいしく世話するじゃない」

「どういう意味よ」

「そちらの方は、男性であなたより年上よ」

「え!」

やっぱ俺の方が年上か。男性?


まじまじと俺の顔を見るアン。ほっぺたを触り、耳を触り、

そして、突如、股間に手を伸ばすアン。

「やっぱ女の子よね、無いもんね」

何が無いのだとは聞かない。本来なら触られているはずの

物がそこにないのに気づいたからだ。

「嘘だろ」と軽く叫ぶ俺

急いで、ズボンを下ろし確認するが、毛もなかった。

不毛な三角州に一本の縦スジしかない。

「あれ、表示は男の子だけど」とユーフェ

表示ってなんだと思いつつ、神様、俺がいったい何をしたと嘆く。

アンが、ムニっと縦スジを広げる。この娘はいったい何をしでかすんだと驚いていると

にょきっと出てきてくれたよ、一日ぶりの邂逅に感動する。どうやら引き篭もりだったようだ。


だが、その姿はかなり幼くなっていた。

「あら、かわいい」とアン

ぷと噴出し。

「あんた、なんつうことしてんの」と突っ込むユーフェ。

自分が何をしたか気づき顔を真っ赤にするアン。

とりあえす、幼いわが子を仕舞う俺。


とりあえず、飯を食うことになった。

「3人で食べるなら、もっと早く言ってもらわないと、一緒に食べるのはいいけど」

「ごめん、でも、いつもよりは多めに作ってくれたじゃない」

「そりゃ、まぁね。一応、おすそ分けくらいはするでしょ。お口にあいますか」

「美味しいよ」

と、わいわい食べる。


ユーフェには観察眼という冒険者に伝わる便利なスキルがあるそうな。

幼いころに冒険者として働いていると、スキルに開眼するそうである。

大人になってからは開眼しない。子供の守護神セレーネが授けてくれるそうだ。

正確には冒険者は開眼の要件ではないが、幼いころにいろいろな地域の物を採集採取し、

ちいさな獲物を狩ったりするのは冒険者くらいしかいない。


この観察眼は非常に便利で、観察対象のいろんな情報が見れる。

子供が間違った物を採取したり、自分よりも強い者に勝負を挑まないようにと、

神が授けてくれる。

で、ユーフェは、祠に入った時にはすでに観察眼を使用に、俺の年齢と性別は知っていたそうだ。

「早く教えてよ」とアン

「いやぁ、看病なんかするとは思わないもの」とユーフェ

で、風邪を引いていると聞いて、再度、観察眼でみてくれたそうだ。

観察眼を使用すると目が光るそうで、やはりさっき見た光は錯覚ではなかった。


で、俺の情報に風邪との記載はないから風邪は引いていないと断言できたわけだ。

俺は風邪を引いていなかったが、体付きがだいぶかわっていた。

身長は165から140ほどに縮み、少女のような顔付き体付きになっていた。

鏡を貸してもらったがかなり以前の俺の面影は一切ないかわいい顔だった。


とりあえず、性別まで変っていなくて助かった。鏡をかりたので、

二人に見られないよう祠に入り、よく観察したが、ぽこんと出せば

他に女性器などの穴はなく普通の形状であった。念のため、大きくしてみたら、

幼い姿から、凶悪なやんちゃ坊主にちゃんと変身してくれた。

前より大きいくらいである。


安心したので、飯をご馳走になる。

この姿になった原因は、女神の欠片融合済という記載が答えだろうという。

昨日の夜あったことを話すとまず間違いないという。

「じいちゃんは、賢者の石といっていたんだけど」

「間違いではないです。女神の欠片も広い意味では賢者の石に含まれます。

 狭義の賢者の石とは別物ですが」とアン

女神の欠片とは文字通り、女神の一部であり、女神の力の結晶の破片である。

新しき神々と太古の神々が戦った跡であり、古い遺跡で稀に手に入る。

男神の欠片もあるそうだ。


賢者の石とは、女神の欠片や竜の宝珠など、神話の宝物をまねて古い賢者が

作成した力の塊である。こちらが有名になり力の塊をなんでもかんでも賢者の石と

呼ぶようになったそうだ。賢者の石は人工物であるが、中には天然物を

上回る性能を秘めた物もあるそうである。作成方法は失伝したとも、

どこぞの国の最高気密となっているともいわれる。


なぜ融合したかは不明だが、今まで真っ黒だった石が光ったのは

この祠が関係しているのだろうとのことだ。姿は融合したから変ったのだという。

ある国では竜珠を融合させ竜戦士を作成するというから

それと一緒だろうとのこと。竜戦士は竜に似ているというから、女神の欠片で

女神に似姿になったのだろうという。欠片だから子供なのかもと。

髪は黒から金髪に変っていた。目の色は黒のままだった。女神様は

金髪だったようだ。たまに目に入る光の線は昨夜の光の残像だと思っていた。

長さもかわり、かなり伸びている。


アンちゃんはかなりの博識である。それもそのはずわずか26歳で賢者の称号を持つ才媛だ。

タメであった。正確には、誕生日は3ヶ月ほどアンの方が早い。


「ほら、やっぱり私の方がおねぇさんじゃない」

とユーフェに勝ち誇る。ユーフェちゃんは24歳だ。

勝ち誇られてムっとしたのか、

「それにしてもあれには、驚きよ。今日から寝床は離してね」

突然股間を触ったり、くぱっと開いたりしことを言っているようだ。アンが顔を真っ赤にする。

「いや、あれは別にいやらしい気持ちでやったわけではなくて、

 そのなんとなく目の前にあったから、何か体に異常があるような感じだったし」


これからどうするかの話になる。

「とりあえず街に行って仕事を探すかな」

「その体で?」アン

「まぁ、しょうがないさ」

「特に行き先が決まっていないなら私達と一緒にセウタに行かない?」アン


セウタはこれから行こうとしている街ハンザより大きいな都市だ。場所はハンザより遠い。

「良いといえば良いけど、旅費はそんなに持ち合わせてないし、何かハンザより

 メリットがあるの?」

まぁ、大きな都市だからハンザよりは仕事はありそうだ。

「セウタが私達のクランの本拠なの。私達のクランは女性限定だから

 入れてはあげられないけど、いろいろと面倒はみてあげられるわよ」

クランとは気のあった冒険者の集まりだ。なになに限定ってのはよくある話と聞いている。

クランより規模が小さいのはパーティだ。


「おお、ありがたい。冒険者以外でもいい?」

「え、冒険者以外でもいいけど、冒険者にはならないの?」

「他に楽で稼げる仕事があれば、冒険者には当然ならないさ」

「家出して冒険者を目指しているのかと思った」

「26歳で家出はない」とユーフェが突っ込む。


「冒険者も楽で稼げる仕事よ」アン

「それはない」ユーフェ

ユーフェを睨むアン。どうやら最初に祠であった時に

冒険者を目指す家出少女に会ったと思ったらしい。あわよくばそのままクランに誘う

つもりだったそうだ。

「新人の娘達にへんなことしてないでしょね」

「何変な心配してるの、子供の世話くらい誰だってするでしょ」

「まぁ、そりゃそうだけどさ。ミーファが、アンさんは優しく丁寧にいろいろ

 教えてくれていいでんすけど、顔が近いんですよねぇって言ってたからさ、

 少し気になって」

顔が真っ赤になるアン

「ば、馬鹿何いってるの、子供相手だから体の距離を意識してなかっただけよ。

 次から注意するわ」

「ならいいけど」

「とりあえず、セウタにいきましょうよ。セウタならたくさん仕事があるし、

 ハンザには知り合いがいるの?」

「いや、いない。知り合いが皆無なところよりはセウタの方がいいか」、

「でしょ」ということで明日セウタに向かうことになった。

けっきょく途中にあるからハンザにもよるんだけどね。


夜、チクチク俺の服の裾調整をユーフェがしてくれる。アンは私もできるというが

ユーフェに鼻で笑われていた。


靴もぶかぶかになって困っていたら、ユーフェが変りの靴を用意してくれた。

身長170のユーフェの足は、当然今の俺より大きいが、自分だけでなくクランの誰かが靴を

失くしてもいいように用意してある靴なので、足が小さくても紐できつく縛れば問題なく

履けるタイプの靴だった。


「二人はなんでこんな所にきたの?」

「仲間の結婚式よ」

クランの中でとくに二人と親しい娘が、俺の村の隣村出身の若者と結婚したそうだ。

結婚してもセウタで暮らす予定だが、年老いた祖母に新妻を紹介したいということで、

村で式を挙げたそうである。来るときは一緒に来たそうだが、帰りは別々とのこと。

分かれた理由は聞かなくてもなんとなくわかる。新婚は共同作業に勤しむものだ。

祠の側の村の宿の壁があまりに薄く嫌な思いをしたから祠に泊まることにしたそうだ。


男友達も少なく会話の苦手な俺は、道中会話に困ったらどうしようとけっこう不安だったが、

ユーフェとアンのテンポの良い会話に適度に混ざれて楽しく過ごせた。


ハンザからセウタに飛行船で行くという。お金が無いと言う前に先にアンに

「お金ならだいじょうぶ稼げばいいのよ」と言われ、ハンザで冒険者登録することになった。

冒険者ギルドは、冒険者登録しなくても仕事を紹介してくれるが、

登録しないとギルド員より高い斡旋料を取る。

登録料は支部によって異なる。ハンザは無料だが、セウタは有料だ。

そういわれると、セウタで冒険者をしないとしても、ここで登録した方が良いかと思えてしまう。


登録すると請け負った仕事の履歴がギルドに残る。履歴があれば大事な仕事をしっかりとした実績のある質


の良い冒険者に紹介できる。依頼人も仕事を安心して任せられる。優秀な冒険者には実績にあった仕事を紹


介してもらえる。WINWINの良いこと尽くめだ。ギルドの信用も、真面目な冒険者の信用も上がる仕組みだ。

不真面目な冒険者や未熟な冒険者は排除され、割りの良い仕事を紹介できないギルド支部は

質の良い冒険者に逃げられてしまうという問題もある。


今回、俺らが受けたゴブリン退治は、未熟な冒険者には任せられないが、割りの悪い仕事なので

受けてくれるベテラン冒険者がなかなか見つからないという仕事である。


この世界のゴブリンは弓の装備率が高く、成人したゴブリンは全員が装備している

と思って間違いない。その上、鏃には必ず毒が塗ってある。毒まで塗っていると好戦的と思えるが、

そうでもなく、大勢で狩りに行くとあっという間に逃げてしまう。

そして、討伐の軍勢がいなくなると、戻って来てまた悪さをしだすという始末だ。

それゆえ、危険な毒弓相手に少数で挑まなくてはならず、かなり危険な仕事である。

さらに、ゴブリン退治を依頼するのは貧乏な辺境の村が多く、報酬が少ないことが多い。

こういう事案こそ領主にがんばってもらいたいのだが、辺境の小さな村の領主は

なかなか兵を出さない。やっと揃えた兵をゴブリン退治で失うのはかなりの痛手なのだ。

それでいて、村からは何食わぬ顔で通常通りの税をとる。


冒険者ギルドは、冒険者をランク分けしている。履歴をいちいち細かく

見る作業を省くためである。登録当初はEであり、結果を出していくと、

D、C、B、A、Sと上がって行く。最近はSの上のSSというランクもあるそうだ。

アンとユーフェの二人のランクは共にAであった。

すごいんだろうが、どう凄いのかいまいちわからない。


Aだと冒険者に必要なことは全て人並以上にできるレベルだと

受付のおっちゃんが言っていた。ゴブリン退治はBランク以上にに任せたいそうだ。

Cランクだと死者がたまに出る。安心して任せられるのはB以上とのことだった。

しかし、B以上でゴブリン退治なんで安い仕事をする奇特なやつはめったにいないとのこと。

今回はそんな奇特な人物が2人いてよかったねとなったが、

メイン受注者は俺の名になっていた。


狩りの準備をする。


両方とも世界観書いてるだけで疲れてしまった。

頭の中をささっと文章にしたいです。

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