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VRSLG

やっと、大学1年の前期課程が終わり、長い長い夏休みになった。

2114年ともなると、全入時代を通りこして、授業料も無料となっている。

ゲームとアニメにはまり、一切勉強なんかしたことない俺でも大学生だ。


待ちに待った夏休みである。

生まれてからこのかた彼女なんぞいない俺は、当然ながら、夏休み中ひたすら、

仮想体験ゲームをやりまくることにしている。


まず、やる予定のゲームがこれ、「幻想超々大陸」。

基本的にはオフライン領地経営型のSLGだが、個人として冒険もできるRPGモードもあり、

また、ネットに繋いで、対人領地戦もできたり、他人の領地を冒険したりもできる。


そして、何より、対象年齢が18歳以上であるのが良い。

18歳以上が対象のゲームであるから、領内の美しい娘達と18歳以上でなければできないことも

できてしまう。もっとも、このゲームはエロだけを目的としたゲームではないので、普通のエロゲーとは

一線を画し、ゲームキャラが都合よくプレイヤーに惚れてくれるということはないらしい。

そこが逆に人気のある所でもあり、童貞が挑戦してみたくなるゲームでもあるのだ。


2114年ともなると年齢認証がかなり厳格で、18歳になるまで、アダルトコンテンツには

一切触れられない。

18歳になるまで、少年誌のリビドーだけが溜まるエッチなシーンでガマンし続けなければならないのだ。

また、仮想体験ゲームを楽しむための機械も安くはない。

暇な大学生が、前期期間中精一杯バイトをしてやっと購入できる額である。


というわけで、今日まで、俺は仮想体験18禁ゲームをすることができず、

いよいよ初体験を済ますわけである。


まず、難易度設定を行う。もっとも易しい、「Very easy」を選択すると、

このモードでは交流・対戦モードに移行できませんと注意文が表示される。

難易度は、上から、「Very hard」、「Hard」、「Easy」、「Very easy」の4段階で、


交流・対戦モードには、「Easy」設定から接続できる。

「Easy」設定は、チュートリアルがあり、自分の任意の時期で、

交流・対戦モードに移行できる。一度、移行してしまうと二度と

個人モードには戻れない。領地陥落寸前で、個人モードに戻され、引き篭もられるのを

防ぐためだろう。


モードが、オンライン、オフラインという表記でないのは、

どの難易度設定であっても、ゲーム会社のサーバーにデーターが保存されるからである。

また、「Easy」設定だと他のプレイヤーとかなり離れた立地からのスタートとなる。


「Hard」設定には、まず、チュートリアルがない。また、ゲーム内の時間がある程度

経過すると強制的に交流・対戦モードに移行する。

そして、ややプレイヤー密度の高い立地からのスタートとなる。


「Very hard」設定にもチュートリアルはなく、ゲーム開始の時点から、交流・対戦モード

となる。そして、プレイヤー密度の高い立地からのスタートである。

しかしながら、ゲーム開始前に他プレイヤーと同盟を組むことができ、

同盟同士は近い位置からゲームを開始できる。したがって、場合によっては、

「Hard」設定よりも、易しい設定となる。


また、「Very hard」設定で開始し、5人のプレイヤーに勝利するか、又は、

20州を支配すると「~覇王」の称号を獲得できる。1州の広さは個人モード時に支給される

範囲である。称号を欲しがるプレイヤーが多く、「Hard」設定で開始するプレイヤーは少ない。


このゲームの対戦における勝利条件は、相手プレイヤーの死亡か降伏である。

プレイヤーは死亡しない限り、落ち延びて冒険者となり、

他プレイヤーのいない土地を一から開拓し、領主に復帰することもできる。


降伏したプレイヤーも、裏切ったりして再度領主になることもできるが、

「Very hard」設定で開始していても、最早、二度と「覇王」の称号は得られない。

また、「裏切りの~」といった称号が着いてしまう。

死亡したプレイヤーは、一からキャラを作成しやり直しとなる。


「Very easy」設定は、チュートリアルに加え、領地の地形カスタマイズ、

領民のカスタマイズなどができる上に、ゲーム内時間経過の調整までできる。

まぁ、その分、交流・対戦モードには移行できない。

立地も他のプレイヤーからかなり離れた場所となり、交流・対戦モードの邪魔にならないように

なっている。


俺は、対戦型のSLGやRTSが苦手であるので、迷わず「Very easy」を選択した。


次に選択するのはチュートリアル用のサポートキャラ選択となる。

サポートキャラはチュートリアルが終了しても、サポートし続けてくれるため、

ここらへんから気合が入りだす。

「Easy」設定の場合は、1名、「Very easy」設定の場合は、2名まで選択できる。


デフォルトから選択するだけでなく、作成・カスタマイズすることもできる。

3名であれば、姉、幼馴染、妹と作成するのだが、2名のためかなり悩んだ。


悩んだ挙句、ロリキャラや幼馴染キャラは領民から選ぶことにし、

1名は、母性溢れる巨乳キャラにし、もう1名は、仕事のできそうなスレンダー美女にした。

絵心はないため、外見データは、フリーの絵師に発注し希望通りに作成してもらってある。

人によっては、アイドルなどの外見データを使用するが、肖像権が発生し

けっこうなお値段となる。


次にプレイヤーキャラの作成となる。

「Very easy」設定にし、対戦・交流モードに移行することはないから、

他のプレイヤーと関わることはないので、自分の外見データをそのまま反映させてもよかったのだが、

サポートキャラの2名を作成依頼した時、絵師がおまけで、もう1キャラ作成してくれたので

そのキャラデータを使用することにした。


美少女と見まごうショタキャラである。

キャラデータには、2名のサポートキャラに悪戯されるショート漫画が付いており、

そのシチュエーションにグッときてしまったのだ。

初めては、子供になって優しいおねぇさま方に悪戯されるのも悪くないと思えた。


外見設定が済めば、ステータス設定になる。

このゲームは基本的には領地経営型の箱庭SLGだが、

キャラ単体で領内などを冒険するRPGモードもあるので、

設定項目はかなり多い。


「easy」設定以上の難易度だと、対戦時に、武将として前線で戦うこともできてしまうので、

戦術ユニットとしての能力を超えることはできない。

「Very easy」設定であれば、戦略兵器級の能力も獲得できる。


もっとも、無双ゲーではないので、戦略兵器級の能力を使用すると、

「Very easy」設定といえども、領地は汚染され、領民が苦しんでしまうというデメリットが

生じる。


キャラクターポイントを割り振って、基本ステータスを伸ばしたり、

スキルを獲得したりしていく。設定難易度によって初期キャラクターポイントの量も異なる。

当然ながら「Very easy」設定時が一番キャラクターポイントが多い。

このキャラクターポイントは自キャラ設定だけでなく、領民設定時にも使用する。


また、基本筋力値などは、キャラの外見データから割り出されるため、

外見が10歳前後の華奢な少年であれば、それなりの数値にしかならない。

但し、基本ステータスはスキルやアイテムで補うこともできる。


ガチで、覇王を狙うプレイヤー達はキャラクターデザインにも拘るし、

キャラの外見を見れば覇王を狙っているか判るわけである。


「Very easy」設定といえども、後半になると、戦略級の脅威イベントが発生するらしいので

そういった脅威に対抗できるスキルも取得しておくべきだろう。

デフォルトで何種類かのスキル構成が用意されている。

スキル取得に必要な前提スキルや、取得することによってポイント半減になるスキル、

ポイント割り増しになるスキルなど結構複雑であるから、

デフォルト構成からカスタマイズしていくのが無難である。


獲得したスキルによって、領民の性格・性質も決まってくる。

特に影響するのが属性スキルだ。

属性スキルを獲得すると系統スキルの獲得ポイントが大きく減少するので

取得しない人は少ないが、対人に有利な属性を取得すると

領民の性質が反抗的になりやすくなるデメリットも生じるようになっている。


「Very easy」専用のスキル構成である「地方の小守護神」を選択する。

属性は「聖」、これに「光」と「生命」と「淫」属性を追加する。

「生命」属性の中には「絶倫」と「触手」スキルがある。


また、「聖」と「淫」という対極傾向にある属性取得時に「生命」のような中間の属性を

取得すると対極ペナルティポイントが緩和される効果がある。


つまり、「火」「水」「聖」と取るより、「火」「水」「土」と所得したほうが

ポイントが得になるというわけだ。


「聖」属性所得の目的は、領民の質が良くすることにある。

「光」属性も同様に領民の質を大幅に良くする効果があるので所得した。

また、「光」と「淫」で、「催淫光」のスキルが取得できるようになる。


「地方の小守護神」のスキル、ステータス構成は、領地経営、領地防衛向きの構成なので

一応、RPGモードも楽しめるように、筋力値などの近接単体戦闘を補完するスキルも取っておく。

もちろん、魅了や催淫などの本来の目的に必要なスキルも取っていく。


スキルの数は膨大であり、日々アップデートで追加されていく。

ゲーム開始後のスキル獲得方法は、領内のダンジョンを攻略したり

上位スキルを獲得して誕生した領民から下位スキルを伝授してもらう

といった方法になる。


「Very easy」設定のキャラクターポイントはかなり豊富なので、

満足のいく自キャラが作成できた。

次に、領民の設定を行う。領民の設定範囲も難易度によってことなる。

「Very hard」ともなるとまったく選択肢はない。


「Very easy」となると繁殖方法なども選べる。

俺の国に男は不要なので、繁殖方法は、世界樹を選んだ。

住民達は世界樹の実や根に成る。


種族も多彩になるように設定した。ネコ耳娘や犬耳娘、エロフやドワ娘と

にゃんにゃんしたいからね。能力も高めに設定する。

「英雄」クラスの出生率も上げ、容姿は必ず美人が出生するように設定し、

出生段階で忠誠がMAXになるように当然しておく。

但し、忠誠度と恋愛度は別なので、恋愛度も上げずにいけないことをすると

あっというまに忠誠度はゼロになり出奔してしまうので注意である。


次は、領地のカスタマイズである。

最終的な首都建設候補地を最初ら整地し、水運を考えた河川の配置にする。

交流・対戦モードに移行しないが、マップ境界からイベントエネミーが登場することがあるという

ことなので、境界部分は全て海にして、領地を島にした。


地面が減るが、領民には人魚もいるし、海があると鯨が捕れ

巨大モンスターの飼育が容易になるので、悪いことばかりではない。


北と西は断崖絶壁にして、東をリアス式の天然良港。

南をバカンスも可能な砂浜にした。

北西部が山間部になるので、北に鉱山を置き、鉱毒処理施設を開発できるまで、

鉱毒を貯めておく沼を西に、プレイヤー用の上級ダンジョンも西に配置する。

領民訓練用の初級ダンジョンは、南に配置し、バカンスがてら使用できるようにした。


世界樹は将来の王城配置位置である中央に配置した。

選択した世界樹は巨木というわけでもないが、威厳のある外見の樹である。

1本ではなく数本配置する。初期開始地点の側に植樹する。

初期開始地点は中央から南よりの平野部にした。まずは、田園地帯の形成を目指す。


諸々の設定が終わり、いよいよ、ゲーム開始である。

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