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神通力上昇中〜惟神学園二年、皇弥勒  作者: 乘越唯響


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第七五話 世論操作

 五条らとの天草旅行の前日、弥勒と巳代は、天草の神父であるドン・アントニオを警戒する。

 周布との稽古を終えた弥勒は、舞楽と授業の日々を送った。安定した日常ともいえるものだった。時々声をかけてくる五条や、その取り巻き達。慣れてしまえばそういった時間や空間に、心から笑える様になっていた。

 日向分校時代程、友人一人一人との繋がりは濃くはない。広く浅くといった雰囲気だ。それでも良かった。しかし常に気が緩むと、ボロが出そうになる。自分に対して向けられる笑顔には警戒心が緩んでしまうのだ。

 一瞬を突かれて心の内を覗かれてしまえば、把握した情報の全てを大友に悟られてしまう。

 だが今の所、誰かが情報を盗む様な素振りを見せたことはなかった。少なくとも、認知はしていない。

「じゃあね弥勒君、明日は天草旅行やけん楽しもう!」

「うん、また明日、五条さん」

 弥勒は校舎を出て、巳代の許へ向かった。

 巳代との待ち合わせ場所へ向かった時、巳代はスマホで誰かとやり取りをしていた。この頃、誰かとよくやり取りをしている巳代の姿をよく見る。

「最近誰かにお熱だね」

「そんなんじゃねえ」

「もしかしてだけど、厚東さん?」

「なんでそう思ったんだ?」

「図星なんだね。最近、巳代に似て勘が良くなったかな」

「勘なのか」

 巳代はそういいながら、スマホをポケットへしまった。

「なんの話しをしてたの?」

「関係ないだろ」

「いいじゃない。僕、結構そういう話は好きなんだ。聞くのも話すのも」

「聞くのなら俺も好きだがな」

「テキトーいうなよ、話さない選択肢は君にないよ」

「想像してる様な話じゃないぞ。知ってるか、最近の芸能界のこと」

「芸能界? 五条さんから聞いたけど、推し活文化にでも触れたの?」

「触れたわけじゃないが、近いな。去年、韓国アイドルが原爆を茶化した様なTシャツを着て、世界中の良識ある人から批判されたことがあったんだ。だが日本の一部のファンは、そんな原爆なんて眠たくなる教科書の話より、推しのアイドルをTVで観られなくなる方が大切で、批判する良識ある人を批判した」

「そんなことがあったんだね……それで?」

「意味は二つだ。アイドルは馬鹿を操れる。そして特定の意見を持つ様に誘導して、意見が割れる事柄に対してかさ増しをして、それを世論と出来るつまり九州の独立説を支持する様に扇動し、やがてそれが九州の一般的な世論になるということだ。そして二つ目は、日本下げだな」

「最近では日本のアイドル企業が、初代社長による性犯罪が横行する犯罪まみれな企業だったと発覚して、世界中で非難轟々らしいね。そういうのも、日本下げってことだよね」

「そうだな。まぁそれに大友は関係ないだろうとは思うが……しかしまぁそんなのよく知ってるな。五条も渋川もアイドルに詳しい様には思えないが」

「秋月さんから愚痴で聞いたんだよ。この国はもう終わりだっていう人が、巷には溢れてるって」

「お前こそ、コソコソと」

「そんなんじゃないさ」

 二人は笑いあった。そして、明日の話を始めた。

「明日の天草で会うカトリックの人、長崎の浦上天主堂うらかみてんしゅどうでも勤務してる有力な神父さんらしいね、巳代。大友一派と繋がりがあることを、周布さんが突き止めてくれた」

「流石、お前のマスターだな」

「いざという時のためにも、剣を荷物の中に潜ませておこう。以前渋川さんがいっていた神秘外交を行うドン・フランシスコって人も、長崎の人だといっていたね。長崎では結局、該当する人物が居る地域は不明で、一般生徒が会うことは禁止されていた。今回はドン・フランシスコ同様に、惟神庁の存在を知っている人だ。彼が大友一派であると疑って、万全の準備で臨もう」

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