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第四八話 親友

 弥勒は、五条と鷲頭の不思議な関係性に気付く。

 鷲頭わしずを迎えた一行は、五条の誘いで、大名にある夜カフェへと向かった。そこは五条の行きつけだというお店で、テーブル毎に置かれたロウソクで明かりが灯されるオシャレなお店であった。

 円形のテーブルを五人で囲み、各々で好きなものを注文した。

「杏奈も合流したし、本当は皆でカラオケでオールをした後に、ラーメンを食べて帰りたかったっちゃん。でも無理やけん、どーやって夜を明かそうかなぁって」

「ごめんね僕の耳が聞こえないばかりに」

「いつもと違うことをする為キッカケやけん、全然気にしないでね!」

 ティラミスを頬張りながら、五条が思案していた。食べているあいだもアヒル口を崩さず、大きな目をギョロギョロと四方八方へと向け、考えている雰囲気を演出していた。

 弥勒は内心「やめたらいいのに」と思ったが、巳代や渋川は、なんとも思ってはいなかった。巳代はどちらかというと、そういうぶりっ子的な態度でさえも可愛らしく感じていた。渋川に至っては五条に対し、苦手意識が常に滲み出てしまっていた。

「弥勒君はどうしたい?」

「東京ではあまり新鮮なお魚を食べる機会がなかったから、福岡のお魚料理を食べてみたいな」

「スイーツの後にそんなものを所望するなんて、いいやん私じゃ思いつかんかった! 杏奈も良いと思わん?」

 五条の問いに、鷲頭わしずは急に笑顔になって賛成した。

 鷲頭わしずもまた、神通力のコントロールが優れていた。だがそれは弥勒ほどではなく、弥勒らに対し内心感じていた苦手意識が常に漏れてしまっていた。

 だがその苦手意識から来るストレスも、五条の笑顔で消し飛んでいった。

 弥勒はその一瞬の出来事に、鷲頭わしずと五条の関係性が不思議なものなのだと感じた。


 店を出た後、二人は手を繋いでいた。親友という言葉の定義は様々だからと、弥勒は納得した。親友は友愛のみで構成される関係性なのかは人によるだろうと、弥勒はそう思いながら、鷲頭わしずの内側から溢れ出る満たされた幸福感について理解を示した。

 同時に、自分や巳代が同じ秘密を帯びて常にベッタリとしている姿は、周囲からは不思議がられていたのだろうかと不安になった。同性愛者などと勘違いされるのは、まだまだ世間に受け入れられないだろう。政府高官の嫡子が二人して同性愛者というのは、お互いの父親の名誉を傷つけてしまわないだろうかと、弥勒は不安に駆られた。

 そういう意味で、不本意ながらこの旅に渋川が加わってくれたことに今、猛烈に安心感を覚えた。

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