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セミファイナル、ショートショート。

作者: 芥川ウェブ之介

夏の日、静かなる庭に、死んだと思われていた蝉が座っていた。その姿は静寂の中に溶け込み、まるで夏の夢のようだった。しかし、突然、蝉は大声で叫び始めた。


「ジーーーーーーー!!」


驚くべきことに、蝉はまるで生き返ったかのように声を発していた。その叫びは庭中に響き渡り、鳥たちも飛び立つほどの大きさだった。


人々は驚きのあまり、蝉を見つめるばかり。蝉は叫び続けながら、舞台のように周囲を見回していた。まるで自分の演技に満足しているかのように。


そんな蝉の様子を見て、人々は笑いがこみ上げてきた。死んだと思っていた蝉が、生き生きと叫ぶ姿が、まるで喜劇の一場面のようだった。


蝉は叫び続けながら、小さく手を振ってみせたかと思うと、次第に声を弱めていった。やがて、再び静寂が庭に戻り、笑い声だけが響いていた。


夏の庭に、蝉の奇妙な一幕が刻まれた。その様子はまるで、人生の中に訪れる予測不可能な出来事の一例のようだった。人々はその笑いを胸に、蝉の一人芝居に拍手を送った。

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