進路
「そういえば、進路どうするの?」
今日は厄日か?
まさか1日に同じ質問を2回もされるとは思わなかった。
うち、、加藤家ではご飯を食べるときが家族みんなでそろうタイミングでもある。とは言っても父親はテレビを見ながら晩酌してるから家族の話はほぼ聞いてないし、大学生の姉貴はバイトでいないことも多い。高校生になってから俺もバイトを始めたから最近は家族みんなが揃うタイミングは滅多にない。
「確かに。大学受験するならそろそろ本腰入れなきゃ、、、死ぬよ、、、」
受験を思い出したかのように苦い顔をする姉貴をよそ目に、味噌汁を啜る。
『大学かあ、、、俺やりたいことねぇんだよなぁ』
「やりたいことなんて見つかってる人の方が少ないぞ。大学生活4年もあるんだからそこから考えてもいいんじゃないか?」
普段会話に入ってこない父親が発言したおかげで、バラバラだった視線が父親に集まる。
「まぁね〜」
母親が適当に相槌を打つ。どちらかと言えば厳格なタイプの父親と、子供の俺から見ても自由な発想のする母親。全く合わなそうなのになんで結婚したんだろうこの2人、、、
「やりたいことがないならなりたい自分を考えてみたら?」
『だからそのなりたいことがないんだってば』
「いや、お仕事の話じゃなくてさ。そんな細かく決めなくても、例えばお金持ちになりたい!とか楽しく生きたい!とかさ。そんなことでいいから考えてみたら進路に繋がるかもよ?」
「何も好きなことを仕事にしなきゃいけないわけじゃないんだしさ。もちろんそうなれば素敵だけど、好きなことができるように仕事をする人生もいいんじゃないのかなってお母さんは思うけどね。」
なりたい自分、、、か、、、
ーーーーー
お金持ちには、、、なりたい。
そしたら今からめちゃくちゃ勉強していい大学に入ってそこそこの企業に就職して、、、、
『いや、無理だろ。今更努力を勉強に持っていけねぇよ』
考えるのめんどくさくなってきた。なりたい自分、なりたい自分、、、、
『あ。俺、モテたい。』
うん。モテたい。
女の子と付き合ったり告白されたことはあるけどモテを実感したことはないんだよな
『なんかモテる仕事ねぇかな』
”モテる仕事”
”美容師”
『美容師!!確かにチャラいイメージある!』
『年収、、、カリスマ美容師になれば年収1000万以上になることも、、、、ってまじか!!』
勉強しなくてよくて、女の子にモテて、お金も稼げる、、、え、もしかして俺の進路これじゃね??
うん、美容師。いいじゃん。




