進級
なんか、、、あたり前なんだけど、、、
嫌いな数学の授業、外の景色を見ながら思った。
ーーー先生も、人間なんだよな。
いや、もちろん人間だからこそ好きな先生や嫌いな先生がいるんだけどそれでも俺らと同じように誰かに大切にされたり誰かを大切に思ったりしてる人間なんだよな、、、
物事を考えるしだからこそ間違ったり学んでみたり、、、
ましてや考え方の違う何十人の生徒の相手して、いろんな人の板挟みになって、そりゃ大変だよな、、、
ーーーーーー
『あ』
下校しようとしてた三浦さんと遭遇した。一方的にだけど色々みてたから気まずい、、、
「加藤くん、、、、」
なんでか一緒に帰ることになったけど話すことも特に無いしどういう状況?
「ほんとは誰にも言っちゃいけないんだけど美容学校の内定、もらったんだよね。加藤くんは勝手に戦友だと思ってるから報告したくて」
三浦さんを見た。ケロっとした顔をして言った。
『受けれないんじゃなかったの?』
ーまあ全部知ってるんですけど、なんて言えないから何も知らないふりをした。
「うまいこと言って成績証明書もらったの。そしたらあとはこっちの勝負じゃん?まあ東もどっかでわかってて私たんだろうね。もちろん、怒られちゃったけど。」
「よくないことだけど間違ったことをしたとは思ってないし、私もまだまだ子供すぎて自分が嫌になっちゃうなってすごい思った。自分のことばっかり。でもそんな自分を変えられない。」
不器用だけど、素直な人だ。三浦さんという人は。
『分かんないけど、俺らって今から大人になっていく途中なんだからそれでいいんじゃない?それにそんな三浦さんでいることで元気もらったり、勇気もらったり、このままでいいんだって思う人もきっといるよ。』
「、、、」
『何年後かに、昔から自分でよかったー!!って思えるように俺ら美容師として成功しようぜ!!!
』
俺の経験や人生観はきっとまだまだ空っぽだけど、だからこそ入るものもあるんじゃないかな、なんて思いながら空を見た。高校3年生。きっとこの空が特別に思える日も来るんだろうな。
「、、、そうだよね、、!美容師になっても、たまに会おうね!」
『おう!”戦友”だしな!!!」