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7/17

グランツの告白(2)

体調不良に加え、仕事であっちこっち行っている間に

1ヵ月半が経過しました。

年内に、相手役出したいんだけどな・・・。間に合うかな・・・。


追記:

次話は11/30更新します。

『君の身体から、始まりのアリィの魂を

奪おうとするものが現れる。

そして、もし奪われたら・・・・

マスターが最も恐れている事になる。

だから・・・オレはアリィに会いに来たんだ!

君の命が危ない・・・その事をアリィに忠告をしにね。』


グランツの私の命が危ない発言に、

私は暫くの間、口を開く事が出来なかった。

だってあまりにも現実的ではない話だし、

命が狙われているって言われても

何だか全然ピンと来ないから、

何と答えていいのか咄嗟に思いつかなかったからだ。


「ふっ・・・ふふふ・・・またぁ。

 グランツ先生ったら、冗談ばっかり。

 私の命が狙われてるなんて、

 そんな小説みたいな話、俄かに信じられないよ」


だから、思わず笑ってしまったのは仕方がないと思う。

グランツが真剣な雰囲気を醸し出して、

何を言うのかと思えばサスペンス劇場ばりの展開?

その主人公に、私が?あり得ないし、考えられない・・・


『あのね、アリィ・・・本気にしていないみたいだけど

 これ、本当の話なんだからね!真面目に聞いてよ!』


他人事の様に考えている私に、グランツはお怒りの様子だ。

表情が読み取れないから、雰囲気で取るしかないけど、

でも、私が真剣に自分の話を受け取っていない事を

感じて地団駄を踏んでいるから、多分、間違ってない。


「だって・・・私の命が狙われてるって聞いただけでも、

 全く想像つかないし、その上、魂を奪うとかって

 現実とは思えない話でしょ?

 グランツ先生の話を信じるなら、それって、

 私が誰かに殺されるって事になるんだよね?

 でも、命の危険を感じるどころか、

 狙われている気配すら感じた事ないし・・・」


自分の命が危険に曝す原因は、

階段から落ちたり、すっぽ抜けた剣が自分に当たったり

一歩間違えば・・・の状況だった事を考えると、

一番の刺客は、他人にどうこうよりも

『私自身』の気がしてしょうがない。


そんな事を考えている私とは相反して、


『オレ・・・嘘は言っていないよ。

 アリィに嘘言ったって、なんの得にもならないじゃないか!』


グランツは力を込めて訴えてきた。


まぁ、確かに見た事もない『日本』の記憶が甦ったり、

18年間、見慣れた筈の自分の容姿を、

初めてみたかの様に驚いてみたり

グランツみたいなヌイグルミが目の前で喋っている

なんていう非現実を考えると、

・・・グランツの言う事も

あるかも知れないなとは、

ほんのちょっぴりは思うけれど、

でも、目の前のグランツを見ていると、

内容が深刻な筈なのに、

そもそも手のひらサイズで可愛い見た目を見ながら、

命に危険がっ!てシリアスな場面を作られてもね、

ごめん、危機感すら感じられないよ。


「あのね、グランツ先生も知ってるとは思うけど、

 私、最近まで殆ど屋敷に引きこもってて、

 あまり外に出たことないの。」


階段落ちをするまでの私と言えば、

1日部屋にこもりっぱなしで読書と刺繍に

明け暮れていた。

太陽の下に出る事すら、あまりなかった。


『知ってるよ?』


グランツは今さら何を言ってるの?と言わんばかりの

返答だ。


「今までの私の行動範囲を考えると家族とか、

 屋敷にいる人達以外とは接点も少ないでしょ?」


インドア生活を満喫していた私は、屋敷の外に出る事も

殆どないし、それこそ領地の外に出る事なんて

滅多になかった。


「だから、グランツ先生の言う『アリィさんの魂』を

狙ってる人がいたとしても、私がその人達と出会う事って

限りなく低い・・・

 というか、出会うとは思えないんだよね。」


今までの私は、イヤイヤながら出ていた社交の場以外は

本当に、アードルベルグから出なかった。

外の世界との交わりを行う場所として、

社交の場が一番手っ取り早いとは思うけれど、

初めての舞踏会での出来事で社交界に対して

苦手意識を強く持った私は、本当に必要最小限しか

会には参加しなかったし、それで良いと思っていた。

だから、知らない人との出会いは本当に限られてるし、

狭い行動範囲の日常で出会う人達は、殆どが顔見知りばかり。


例えばグランツが言う様な暴漢が本当に屋敷を襲ったとしても

お父様やお兄様だけに留まらず、

今日新たに知ったお母様や綺麗なお姉様たち、

執事やメイドや、いつも側にいてくれるパティに至るまで

戦闘種族の一員だというのだから、敵が私の周りの人達から

返り討ちに遭うのが目に見えてる。


深層の令嬢ならぬ、家にこもりっきりの私を狙うには

相当屋敷深くに入り込まなければならないだろうし、

私の側にいる手練れだらけの護衛のいる屋敷に

入り込むなんて、狼の巣に入る様で

暴漢の命の方が危ういと思うんだけどね。


それに、私も戦う女だし・・・というか、予定だし。

敵が襲ってきたからと言って、おめおめ殺られたりは

しないわ。

だって、私は『悪役ヒロインのアリィシア』なんですもの。

レイピアで、シュパッと一撃の筈よ!

だから、グランツが切羽詰まる様な心配を

する事もないんじゃないかなぁ・・・


と考えていると


『アリィがレイピアで戦うって、どれだけ先の話をしてるの?

確かに、アリィの家の人は皆強いよ。

でも、どんな時でも一緒にいられる訳ないだろ?

例えば、今度の舞踏会とかは?』


「・・・・舞踏会?」


ああ、3ヵ月後に開催されるやつね・・・。


『そうだよ・・・アリィの護衛が凄くったって、

 会場の中で、ずっとアリィの側にくっついている訳には

 いかないでしょ?』


確かに、会場の中は参加者のみ。

侍女や執事は、会場の中にまで入る事は許されていない。


『そういう時が一番危ないんだよ。

 ていうか、何となく出会いそうだから

心配してるんだよ。

 だいたいさ、今のアリィの状態って

ちょっと走っただけで筋肉痛で座ることさえ

ままならないでしょ?

椅子に腰を下ろすだけでも、ヒーヒー言っている様じゃ

 もう、心配する以外に考えられないよ!

 もし襲われたら、逃げられるの?

 人形みたいにカクカクな歩き方しか出来ないのに?』


グランツがビシっと私の太ももを指さす。


「うっ!確かに・・・筋肉痛は酷いけど・・・

 でも、そっ、それは気合いと根性で乗り切れ・・」


『乗り切れない事くらい、アリィだってわかってるでしょ?

 命がかかってるんだよ!』


どう見ても、ヌイグルミのフォルムだけに、

緊張感に欠ける。グランツには悪いけど・・・。


『アリィが考えているアニメのアリィシアの様な

レイピア使いになるには、

もう、ずっと、ず~~~っと先の話だよ。

まず、体力づくりから始めて、戦える体を作って、

剣を振っても、すっぽ抜けて飛んでいかない様にして

って、どんだけ時間がかかると思ってんの?

ヤツラは、アリィが強くなるのを待ってはくれないよ!』


「・・・そうだよね・・・はははっ・・・」


確かに、私がグランツの言う”敵”の立場だとして、

ターゲットが今の私だとするならば

めちゃくちゃ『チョロイ』に違いない。

逃げる事もままならない状態じゃ、

サクッと連れ去れちゃいそう。


「で・・・でもさ、グランツ先生がいう

私を狙っている相手って、

私がアードルベルグの娘だってこと、

知ってたりするの?」


そもそも論としてグランツに尋ねてみると


『知らないよ。知ってる訳ないじゃん。

 勿論、アリィがこの世界に戻ってきた事は分かってるよ。

 でも、何処で生れ落ちたのか迄は追跡しきれなかった。

 それに、今までアリィ自身が、

『始まりのアリィ』としての

 自分の存在を相手に示す行動を起こしてこなかったから、

 ヤツラも探すにも手がかりすら掴めなかったんだ。

 だから、生れた事は知っていても、

 その後どうなったのかまで知る術がなかった。

 アリィの存在をヤツラが感じとったのは、

多分、ついさっき。

 そもそも場所まで、すぐに辿りつけられる様なら

 オレが守っている意味がなくない?』


本気で言ってるの?と言わんばかりに

ヤレヤレと言ったジェスチャーをするグランツ。


「・・・・・確かに。

 でもね。私、凄く混乱してるっていうか

 階段落ちてから、私の中に記憶が二人分あって

混乱してるし、命狙われてますよ~とか

思いがけない事も言われるし、

グランツ先生も突然現れるし・・・・

本当に、今の私は誰?な状態でいっぱいなのに

いきなりの展開で頭が追い付いていかないから・・」


『だから?』


「・・・もう、考えるのヤメタっていうかさ・・・

 大丈夫じゃないかな・・・・とか思ったりして?」


『はぁ?』


グランツから、何やらムゥっとした怒りのモヤが出ている

感じがするけど、見ないふりをして話を続ける。


「私がここで一生を終えるまで、

 見つかる事がない可能性もあるかなぁ~って」


『アリィは甘い!甘すぎるっっ!!!』


グランツが怒ってる・・・小さな足を、

手でパンって叩いているけど、

ほんと迫力はない。可愛いだけだよ・・・。


『アリィが今まで通り、異世界の地球にいたなら

 オレだって、少しは余裕で『そうかもね』って答えられた。

 でも今は、アリィを狙っている相手と

同じ世界にいるんだよ?

 確かにアリィの家族も、この国の人達も強いし、

 そう簡単にアリィに手が伸ばされる事はないよ。

 その為のアードルベルグなんだから!

 でも、オレが"姿"を現したんだよ!』


んっ?グランツのこの人形の様に真っ黒毛玉姿が

何の関係があるの?


『オレは、アリィの魂を守るもの。

 魂って、普通は形を持たない。

 だから、何処にあるかも分からない。

 それって、相手にとっても、

 奪いたいものが何処にあるか

 探し出す事が出来ないって事なんだ。

 空気がある事は分かっても、掴む事は出来ないでしょ?

 それと同じ。

 でも、アリィは目に見えない魂の形を、

 アリィの身体の中に形づくった。

 空気を冷やして水に変えた様にね。

 水は掬う事が出来る。入れ物があれば。

 見えないものが存在を示した時から、

 器である身体が、水である魂を呼び始めたんだ。

 つまり、それだけ危険度が高くなったって事なんだよ!』


水と魂が一緒とか、空気がどうとか・・・

理科苦手だから、あんまり良く分からないな。


「えっと・・・・でも、グランツ先生。

 私、何時、自分の魂を形作ったとか、

 全然覚えないし・・・それに、魂の形が作られた

 って言われても、目に見えないでしょ?

 その魂は何処にあるの?

 たとえ、形作られたからって、見えないものは

 捕まえる事って出来ないと思うんだけど・・・」


グランツの言う”魂”の形がどういうものなのかは

分からない。

大体、目に見えないものを見る力なんて私にはないし、

あると言われても、”あっ、そう?”としか返せない状況で

私の魂が奪われるとかなんとかって言われても、

どうしたら良いのか。

心臓を抉られたら魂が出てくる・・・とか、

そういうスプラッタ的な事を言ってるのかな?


『死んじゃったら、魂は取られるけど

 別に心臓が取られたら魂が抜かれるとかじゃないよ。』


そっか・・・良かった。

アニメのアリィは、正義のヒーローに

お腹をぶち抜かれて死んだから、今の私の場合は、

心臓を抉られて・・・なのかと身震いをしたけど

取りあえず恐ろしい事はされなさそうだ。


『でも、死んだら終りだよ。

 目に見えなくても、確実にあるそれは、

 死んだら自動的に身体に吸い寄せられる。

 異世界にいた時は、色んな手で

 魂が体に戻らない様にしてたけど

 今は同じ世界に身体があるから、異世界にいた時の様に、

 死んだ後、魂を身体に吸い寄せられない様にするには

 至難の業だよ。

 だから、死んだら絶対駄目。

 何が何でも生きなきゃ駄目なんだ。

 アリィの身体を取り戻すまでは・・・』


グランツ・・・私の身体は、今ここにあるけど・・・

と複雑な感情が沸いては来たけれど、口にはしなかった。

その代わり、ふと、疑問に思った事を口にした。


「・・・・もし、アリィさんの身体を取り戻す前に

 私が死んじゃったとしたら・・・どうなるの?」


グランツがそんなに必死になるって事は、

相当酷いことになるって事なんでしょ?


『・・・・・・よく分からない』


「へっ?」


予想に反した答えが反ってきた。

分からないのに必死になってるって、

どういう意味なんだろう?


「だって、グランツ先生。もし、私の中の魂が

身体に戻ったらマスターさんが悲しむ事になるって

言ってなかったっけ?」


『うん、言った。言ったけど、オレも良く分からないんだ。

 だって、アリィみたいな状態になった人なんて

 今まで知らないから・・・。

 マスターは知っているのかも知れない。

けど、オレは知らない。

 でも、マスターの言葉に間違いはないよ。

 マスターが、大変になるって言ったから、

 大変な事になるんだよ。

 マスターは「アリィをこれ以上酷い目にあわせない。

 絶対に奪わせないっ。必ず取り戻す」って言ったんだ。

 そして、オレにアリィを守れって使命をくれたんだ。』


「ふ~ん・・。

 グランツ先生にとって、マスターさんの言葉は

 絶対なんだね。」


”マスター”って人が一体何者なのか、

今の私にとって、どういう意味があるのか

グランツの話を聞いただけじゃ良く分からないけれど、

グランツの”マスター”に対する

絶対的忠誠心っていうのだけは分かった。


『うん・・・マスターは、オレを造ってくれた人だから。

 でも、この展開はマスターの言葉にもなかったから

 予想に反しでオレもビックリしてる』


「・・・・そっか。」


私もビックリしてるよ。


『それに、アリィが魔力を使った事によって形が作られた

”魂”はもう消えたりしない。

だから、隠すのが大変なんだよ』


私はグランツの言葉に引っかかった。

さっきから言うけど、何時、私が魔力を使ったんだろ?


「魔力?」


『うん・・・・そう』


「えっと・・・・私、魔法使えないよ?」


『わかってるよ。今はアリィの力じゃ、魔法は使えない。

 でも魔力は生み出せる。』


ん?グランツの言っている意味が、良く分からない。


「魔法と魔力って同じでしょ?」


私がやった事と言えば、アニメと同じ呪文詠唱。

魔法が発動するどころか、部屋に魔法の片鱗すら

現す事も、感じさせる事も出来なかったけど。


『魔力と魔法は全然違うよ。

 魔力は身体に宿るもの。

 魔法は、魔力で生み出すもの。全然違う。』


「・・・・同じだと思ってた・・・」


グランツは首を横に振る。


『この国の人間は魔力を身体に宿してない。

 この国に生まれたアリィの身体も、

本当なら魔力を持つ事はなかった。

 けど、身体に宿っているアリィの魂は違う。

 アリィの魂は魔力を生み出せるし、蓄える事も出来る。』


「・・・身体と魂って別なの?」


『別って言い方、変だよね。

 ・・・・なんて言ったらいいのか分からなけど、

 身体が魂を作るんじゃなくて、身体に魂が宿るの。』


「・・・うん?」


『分からないかも知れないけど、

それぞれの世界で生れる魂は

 それぞれの世界で生れる身体に宿るんだ。

 だから、この世界で生れたアリィの身体には、

 この世界の魂が宿ったら魔力持ちにはならなかった。

 でも、アリィの魂が宿った瞬間から、

 アリィの身体は、この世界の人間と違って

 魔力持ちになった。

 時々、いるんだけどね。でも、殆どいない。

 それに、異世界の地球にいた時みたいに、

 誰かの魂の内側にいるんじゃなくて、

 アリィの魂をもったアリィシアとして生まれたんだ』


「・・・・というと、今度は誰かの中の私じゃなくて、

 私として生まれたって事?」


『そう。アリィシアとして、この世界に生まれた。

 魔力持ちで。

 でも、この世界の人達は魔力持ちは殆どいないんだ。

 だから、この世界の人間として生まれてきたアリィが

 魔力持ちだとは考えなかった。

 考えないから、知る事もないし知ろうともしない。

 知らなければ、使う事もしないし、使い方を教える事も

 ないだろう?

 だから、今までアリィは、

自分の魂が魔力を生み出す力を

 持っていても、使ってはいなかったんだ。

 生み出し方も知らないし・・・。それに、

 周りに魔力をもった人物が仮にいたとしても、

 あえて見せないだろうしね。

 この世界は、魔力持ちは大変だから・・・』


「大変って?なにが?」


『アリィが考えている魔法はね、魔力がなきゃ使えない。

 勿論、魔力のない人間でも魔法は使える。

 でも、それには、魔力の籠った媒介を

使わなきゃならない。

 魔力の籠った媒介・・・例えば、宝石とかは、

 魔力を生み出す魂よりは落ちるけど、

 ”魔力持ち”と同じ様に、魔法を使う事が出来る。

 でも、その媒介はこの世界ではとても希少で、

 誰でも持っている訳じゃない。

 そんな中で、何も使わずに魔力を生み出す事が出来たら、

 どれだけ希少なのか・・・わかるでしょ?』


「希少・・・って、パンダみたいな感じ?」


頭の中に思い浮かべた、白と黒のクマ。

・・・そう。

同じクマなのに、カラーリングがツートンカラーって

だけで、外交にも使われちゃう見た目がファンシーな動物。

それと似てるってこと?


『この世界にはパンダはいないけどね。

 地球にいるパンダって動物の事を例えているんなら

 まぁ・・・・似てるかな?』


・・・・自分の姿がパンダになった事を想像してしまった。


『今までのアリィのままなら、ただの公爵令嬢だった。

 でも、今のアリィは、公爵令嬢よりも、

もっと希少な存在になった』


「それは・・・・魔力を持つ”魂”を持ったから?」


『そうだね。魔力を持つ魂を持っていると自覚した時点から

 アリィはパンダになったね』


「で・・でも、いつ魔力を生み出す”魂”の形を作ったの?

 本当に、思い当たる事なんてないよ!」


そうだ、さっきからグランツが”魂を形作った”って

何度もいうけど、全く自分自身、本当に身に覚えがない。


『さっき、イメージしたでしょ?』


「何を?」


『魔法を使うイメージ。自分の真ん中に魔力を

溜め込むイメージ。

 そして、身体の中心に泉と光の玉を

思い浮かべたでしょ。』


グランツが言っているのは、

私が「魔法少女セレス」の『アリィシア』が

アニメで使っていた魔法詠唱を真似て呟いた時の事を

言っているみたいだ。


呪文を唱えても何も起こらなかったから

書庫にあった『初めての魔法』の本に書いてあった

自分の身体の中に聖域を作る。

それがまず先・・・みたいな本の内容をなぞる様に、

自分の中で光の玉を思い浮かべてみたりしたけど・・・

まさかそれが?


『そのまさかだよ!

まさかのアニメ好きだった日本人の魂の記憶が、

アリィの”魂”を形作るきっかけを与えるなんて・・・・

ほんと、オレ、思っても見なかったよ!』


まさかの展開!

あの、中二病の様に呪文を唱えた事が、

この大事の切っ掛けなんて

思いも寄らなかった。



次話は2~3日後の予定です。

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