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ある日

「お、おおお嬢様ぁ……! マーガレットお嬢様ぁ!」


「落ち着いて、デイジー。ちょっと苦しいわ」


「わわ私がお嬢様をお守りしますから……命に替えても!」


「ありがとう、心強いわ。そして力強いわ。貴女のその気持ちは嬉しいけど、少し加減してくれると嬉しいわ」


 マーガレットは覆い被さる侍女デイジーの腕を軽くぺちぺちと叩くが、パニックを起こしているデイジーの腕は緩む気配を見せないどころか余計にぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。


「デイジー、お願い。ちょっと、息が止まりそう」


「こんなに震えて、お顔の色も真っ青で……!」


 主にデイジーのせいなのだが。知らぬは本人ばかりなり。


「こ、怖くなんかありませんからね! 私が盾になりますからね!」


 敵の手にかかる前に味方の手にかかって死にそう。

 マーガレットは今度はデイジーの頬をぺちぺちと叩く。


「素晴らしいわ、デイジー。侍女の鑑よ。でも敵に背を向けるのは危ないわ」


「はっ! 確かにそうですね!」


 ようやくデイジーがしがみつ……守っていた腕を離してマーガレットを背に庇う様にする。その背中にマーガレットの大きな吐息がかかった。


「これからどうなってしまうのかしら……」


 マーガレットはデイジーの拘束から解放された安堵と今後の自分達の運命への不安に揺らいでいた。

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