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その雪の国へ帰りたい哀しいひとは、その悲しみが絶対に癒されないわけではないと知っていた

作者: 秋葉竹


雪が帰る国へ

たどり着ける気がしたことが哀しかった


歩いてゆくと或いは

見渡す限りの大草原に出るかもしれない

まずは夢なんかではない証明のために

その草原の小さな雑草を持ち帰ろう


ほら、真実はこんなか弱い緑なんだよ?


生きてゆくことの恐怖と闘い

暮らしのなかで拳骨こぶしを握りしめる

水を片手では掬いにくいように

夢を孤りでは綺麗には見れない


素早く氷がほろんでいくように

夢の楽しみも光の速さで消えていく


沈みゆく太陽は透明な傷あとを残し

昇りくる未来に一条の不安を刻む


雪が帰る国へ

たどり着ける気がした、哀しさ


母の面影をおう母を知らない娘の、

切なさ、に似て


雪ふる音が聞こえる国だったが、

太陽の昇る朝が失われたわけではない


いつまで続くのかわからない暗闇の雪山

一歩一歩、

真白いはずの足元を踏みしめながら

全方位の揺らぎを観て歩いて超えてゆく道は、

どれほど目を凝らし探しても

そこには無いように観えようとも、


諦めたいほど探しあぐねていたとしても、

絶対に見つからないわけではない


絶対に見つからないわけではないんだ







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