表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コーラが恋のキューピット!?  作者: ひのき棒
6/8

6話 謎の夢、高い代償

 ある日の夜、俺は夢を見た。どこか懐かしい感じがした。どんな夢かというと、そこは教室で1人の小学生ぐらいの男の子が泣いている女の子を背に、男の子の群勢と(にら)みあっていた。そして、少し話したら、一方的な殴り合いが始まっていた。1人の男の子はひたすら、男の子たちを殴り倒していく。怒りの感情をそのままぶつけるように、ただひたすらに殴り続けた。降参した子や気を失っている子にさえ殴り続けた。男の子はなにかを叫びながら殴っていた、上手く聞き取れなかった。気づけば、周りは静寂に満ちていて、聞こえるのは女の子の泣く声だけだった──

      チュン チュンチュン

 雀の鳴く声で目が覚めると、目の前には見慣れた天井が広がっていた。

「なんだっんだ・・・?あの夢・・・」

「兄さーん、朝ごはん出来てますよー」

 俺があの夢について考えていると、下から聞き慣れた妹の声がした。考えるのはあとでいいやと思いつつ、制服に着替え朝ごはんを食べに向かった。

「それじゃあ、いってきます」

「いってくる」

「はい。いってらっしゃい」

 朝ごはんを食べ終えた俺と恵美は、母に見送られながら家を出た。俺たちはいつもの通学路を通りながら話していた。

「そういえば恵美、お前生徒会はいいのか?」

「はい。今日は特に会議もないです」

「そうか。毎日大変だな恵美は」

「別そうでもありません。自分が好きでやっていることですから」

「母さんたちに恩返しするためか?」

「兄さん!?なんでそれを!?」

「いや、だってお前この前、俺の膝の上で寝てただろ?その時に寝言で呟いていたんだよ『お母さんたちの為に頑張る』って」

「うぅ///恥ずかしいです・・・」

「別に恥ずかしがることないだろ、立派な事じゃないか。親に感謝の意をしめすのは」

 今更ながら、この状態こそ恵美の表の顔だ。言葉遣いや態度も全く違う。恵美は中学生の頃からこんな感じなのだが、以前、いちいち使い分ける必要があるのかと聞いた。そしたら恵美は焦ったように必要なの!と、言った。それからは、気にしないようにした。そんなこんなで学園についた。

「それでは、兄さん。また後で」

「あぁ、勉強頑張れよ。」

「頑張るのは兄さんの方です」

「肝に銘じておくから、友達のところに行ってやれ。さっきから向こうで待ってるぞ」

 俺は昇降口でこちらを見ている女子2人を指した。友達の存在に気づいた恵美は一礼し、そちらの方に走っていった。すると、後ろから一文字が声をかけてきた。

「おはよう、高峰君」

「おはよう、菜月お嬢様」

「ちょっとなんなのよ、その呼び方」

「だって、お金持ちなんだろお前の家?だからお嬢様」

「今すぐ、その呼び方やめてくれない?」

「はいはい、おはよう一文字」

「おーす。光樹、一文字さんおはようさん!」

「おはよう、村上君」

「お前、なんなんだよその挨拶」

「近くの爺さんが使ってたから、パクった」

「それ恥ずかしいから絶対俺以外に使うなよ、それとおはよう敏也」

「さぁ、さっさと教室に行きましょう。朝のホームルームに遅れてしまうわ」

 一文字のその言葉を合図に俺たち3人は、教室に向かった。今日も俺の平凡な日常が始まった──

「そうだな、この問題を高峰。前に出て答えなさい」

「はい。」

 当てられた俺は、黒板に答えを書いていく。ちなみに今は、4時間目で数学の時間だった。ごつい体でいかにも体育系の郷田守(ごうだまもる)先生が授業を行っている。確かラグビー部の顧問をしていたはずだ。

「うむ。正解だ。ちなみにここの数がわからなかったら、どうやってもとめるか、わかるか?」

「はい。」

 俺はまた、黒板に答えを書いていく。あらかじめ、どんな質問がきても答えられるようにしてたから、スラスラ解けた。

「よし。正解だ。席に戻っていいぞ」

 問題を難なく解いた俺は自分の席に戻った。席につくと、一文字が

「すごいわね、高峰君。あの問題をあっという間に解いてしまうなんて」

「別にすごい事じゃないさ。郷田先生が応用問題を出してくることは、予想できてたし」

「それはそれですごいわよ」

「お褒めいただき光栄です」

     キーンコーンカーンコーン

「む。もうこんな時間か。それでは授業を終わる。テストが近づいているから、ちゃんと勉強しろよー」

 話していると、終わりのチャイムが鳴っていた。ぞろぞろと、教室からクラスメイトたちが出ていく。皆、食堂に行くのだろう。だけど、今日俺はきちんと弁当持参していたので、皆より一足先に昼食をとる。

「いただきます」

「高峰君、今日はお弁当なのね」

「それがどうかしたのか?」

「いえ、なんというか、困ったというか・・・」

「お前のまさか、一緒に飯食べる人いないのか?」

 言葉に少し寂しそうな感じがしたので、素直に思ったことを言ってみる。

「そ、そ、そんな事ないわ。いるわよ、ちゃんと一緒に食べる友達」

 どうやら図星だったようだ。

「はぁー、おーい敏也。ちょっと来てくれ」

「なんだよ、光樹。急に」

「お前、今日一文字と一緒に食べてくれないか?どうやら、一緒に食べる友達がいないみたいだから」

「ジュース1本な」

「わかったよ、ちゃんと奢ってやるから頼んだぞ」

「あいあいさー。さ、一文字さん行こうぜ」

「ちょ、ちょっと押さないでよ」

 敏也に背中を押されながら、一文字は教室を出ていった。その姿を見届けて俺は、また弁当を食べ始めるのだった。

 午後の授業を終えて、放課後、敏也はわざと高いやつを俺に奢らせやがった。今度仕返しをしてやろうと心に誓う俺であった──

読んで頂きありがとうございます!どうも、ひのき棒です。今回は日常パート2です。どうやっても、昼休みの後が書けない(> <)改めて小説を書く難しさを知った今日このごろです。感想やポイント、ブックマークを頂けるととても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ