5話 平和
マグフェリアで話をした次の日。俺はまたいつものように高校生活を送っていた。
「本日の連絡事項はもうすぐテスト期間に入るのできちんと・・・」
黒板の前では猫ちゃんが朝の伝達を行っていた。俺はその話を聞きながら窓の外を眺めていた。外では雀たちが気持ちよさそうに飛んでいる。平和っていいなーと思っていると、
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、朝のホームルームが終わる。
(今日の1時間目は国語か・・・)
今日の時間割りを確認しつつ、教材をだしていると、敏也が話しかけてきた。
「光樹くーん、宿題のプリントみせてー」
「敏也、俺言ったよな?遊んでいると、また猫ちゃんに怒られるって」
「い、いやー。やろうとしたんだけど、新作のゲームにハマってしまって気づいたら3時になってたでござる」
「結局、遊んでいるだけじゃないか」
「お願いします〜光樹様〜俺に恵みの雨を〜」
「知らねーよ、お前が俺の忠告を聞かないからだ。大人しく猫ちゃんに怒られろ」
「そんな〜光樹の鬼〜!」
と、敏也が嘆いていると授業開始のチャイムが鳴った。ちなみにわかっていると思うが、国語担当は猫ちゃんだ。「うぎぁぁぁぁぁ」と教室に響く声。やっぱりこいつはバカだなと改めて認識するのだった。
「えー、じゃあこの時の主人公の心情を一文字さん。答えて下さい」
「はい。この時主人公は・・・」
当てられた一文字はスラスラと答える。その姿を見ていると昨日の弱々しい姿を思い出してしまう。しかし、今の彼女から一昨日に感じた、なにかに怯える感じは感じなかった。そんな事を考えてると授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「時間がきたので、これで授業を終わります。後で、村上くんは職員室にくるように」
隠せていない怒りのオーラを纏った猫ちゃんはそう言った。こんな感じで今日の国語の授業は終わるのだった──
時は過ぎ昼休み、運悪く今日は弁当を忘れた俺は敏也を誘い食堂へと向かった。食堂は昼ご飯を食べる生徒でごった返していた。とりあえず、カレーを頼み空いた席を見つけ、そこに座った。
「はぁー、疲れたー」
席に座ると同時に敏也は机に突っ伏した。あの後、職員室から帰ってきた敏也は、げっそりしてた。いつも猫ちゃんに怒られたらこんな感じだ。「ほら、早く食べないと、せっかくつくってもらったラーメンがのびるぞ」
「おぉ、そうだった。いただきまーす!」
「そういえば、最近バイトどうだ?」
「相変わらず、怒られぱなっしだよ。ったく俺は褒められて伸びるタイプだっつうのに」
「お前そんなタイプじゃあないだろ」
「なんだとー、このやろー」
などと話をしていると、
「隣いい?」
と、一文字が訪ねてきた。座れる場所がないから俺たちのところに来たってところか。別に嫌ではないので俺は1個奥にずれ、
「ほら、座れよ」
「ありがとう、高峰君」
「へぇー、一文字さん学食なんだー」
「えぇ、朝はちょっと苦手でね」
「お、奇遇。俺も一緒で朝苦手なんだ」
「お前の場合、ゲームで夜更かししすぎて朝起きられないだけだろ」
「なんだとー!お前だって、夜更かししてるじゃないか、ゲーム大好き人間!」
「俺は日付が変わる時間までしか、しねえよ」
「あのー、私をのけ者しないでくれる?」
「ごめんごめん、一文字さん。ところで一文字さんはゲームとかするの?」
「私はお父さんが厳しくて、ゲームとかやらないかな」
「へぇーそうなんだ。じゃあさ、今度3人でゲーセン行こうぜ!」
「あのなぁ、今はテスト勉強しろよ」
などと、いったしょうもない話をしながら、今日も平和な高校生活を送っていった。
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