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宵月の世紀  作者: 愛媛のふーさん
24/25

治療4

 琢磨は一晩吼えた。朝を迎え気を失う様に眠りに就いた。研究員は徹夜でデータと格闘し、治療プランと変身を調整する制御装置の作成プランを組み上げた。その製作に一週間費やし完成した。両腕の手首の上側に制御装置のブレスレットを嵌め、脳の手術を行う。頭蓋骨に穴を開けて前頭葉と脳幹、視床下部にインプラントを埋め込みナノマシンを注入する。

 昼間の琢磨は大人しく指示に従う。準備が整って局部麻酔して髪の毛を一部剃り、グリップで血を止めて切開して頭蓋にドリルを入れる。硬膜をきり顕微鏡とロボットアームで脳内にインプラントを入れる。血管注射でナノマシンを注入してインプラントからの指示で脳内に定着させる。手術は昼間の内に終了した。

 餓えは嘘のように襲って来なかった。人間から狼男の変身も自分の意志で自由自在だ。琢磨は自分の殺人がナイツという組織に管理される条件で罪に問われない事を知っても気は晴れない。自分が薬害の被害者という意識は希薄だ。部屋は拘束室から研究室の医療フロアに移された。拘束具は使われない。捕らわれの身から病人扱いになったと琢磨は感じている。

「俺はこれからどうすれば良いんですか?」

訪れたルシファーに琢磨は訊いた

「ナイツのエージェントとして働いて貰います。アパートにも帰れますよ。次の満月迄、治療経過観察させていただければ」

「人を殺めておいてお咎め無しなんて、身勝手な気がして釈然としません」

「そう思うならエージェントとして人を助ければ良い。貴方が闘ったうちのエージェントも同じ境遇ですよ」

ルシファーは諭した。

 満月が来ても琢磨の殺人衝動は完璧に抑えられた。餓えから解放された琢磨はやつれていた顔も甘いハンサムと言われていた頃に戻った。殺人衝動の制御に成功した事で琢磨はアパートに帰された。大学にも通い訓練のためにナイツ本部に出入りする。蓮達異能者と同じ扱いだ。訓練の教官役も蓮と同じく山口平馬である。異能者と異なるのは特技ではなく格闘術の訓練に特化している事だ。

 変身しないで琢磨は平馬と組手している。蹴りを放ち間を詰め正拳突きを繰り出す。一通りの基本はできてる。平馬が言う

「狼男のパワーと気を活かした技〈オーラセーバー〉を覚えようか」

「〈オーラセーバー〉ですか?どうすれば出来るんです?」

「まず気を練るとこから始めよっか。取っ掛かりは呼吸法」

「はい」

 蓮と千堂は先輩達と実戦訓練しながら平馬と琢磨の訓練を見ていた。千堂は

「やってんな。すぐにモノに成りそうやな」

蓮にいう。蓮も答える

「負けてらんない。頑張ろう」

「無駄口叩かない。次いくよ」

緑川の激が飛ぶ。

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