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宵月の世紀  作者: 愛媛のふーさん
22/25

治療2

 琢磨が習慣となった昼間の睡眠を貪っていた時、ナイツの本部ビルに片山老刑事と土井刑事が〈トカゲ〉こと市川遼に招かれていた。老刑事がモニターを窺い問う

「この男が添島琢磨か?」

「はい」

遼は答えながら昨夜の戦闘で撮影された狼男の映像を別のモニターで提示する。土井刑事が口に手を当て驚愕を押し殺し

「CGじゃ無いんですね」

確認した。遼は今は映像化の技術の進歩で証拠能力が低下したなと思ったが

「リアル映像です」

そう返すしかなかった。土井刑事は納得し訊いた

「これは公表できませんね。パニック起き兼ねません。で、警察に引き渡せないと?」

「警察庁と警視庁、あと法務省は人間の怪物化並びそれに伴う心神喪失の事実に伴い起こした殺人について、超法規的措置として裁判所の極秘判決による無罪とナイツによる管理を決定しました。甚さんと土井刑事は釈然としないでしょうが。あくまでも殺人犯として逮捕したかったですか?」

「上が狼男の存在を隠してぇのは理解できるし、化け物になって人としての理性が損なわれるつうなら法に則っても無罪だ。わしはお前さんがたが被害者ださねえ努力するなら任せる。お嬢ちゃんは不服か?」

「人が薬で狼男になる。公に出来ない事実です。警察の正義を振りかざして社会的利益に害を成す訳にいかない。理屈は判ります。しかし、被害者と被害者遺族の気持ちはどうなるんですか?言っても仕方がない事ですが」

「確かにそうですね。ナイツから経済的保障するそうですが、納得は出来ないでしょうね。土井刑事、で、どうしたいですか?」

「私?本店が判断した以上、私なんかが」

無力感に捕らわれた土井刑事に遼は語りかける

「狼男の秘密を知る限られた関係者です。出来る限り尊重します」

「わかりません。事態が異常過ぎてキャパオーバー。秘密抱えて刑事続けてく中で何か見つけるしかないんでしょうね。片山さんと同じように被害者増やさない事を約束して貰えれば結構です」

「約束します。ナイツの総力を挙げて治療します。原因の薬も会社ごと買収してデータ破棄します。安心して下さい」

「政府は薬欲しがるんじゃねえのか?遼」

「そんな事はナイツがさせません。開発者は死んでますしね。データ破棄したら技術的漏洩は無いでしょう」

「治療って目処はついているんですか?」

土井美佳刑事は訊ねた

「変身に伴い脳内ホルモンの異常が確認されてます。月齢に連動しているので、満月の今夜データ録れば方向性掴めると思います」

「遼。今夜立ち会わせてもらつても構わねえか?」

「私も御願いします。この目で見届けたい」

二人の申し出を遼は快く了解した。その旨を研究室の主任に報告し、二人の刑事を食事に誘った。雰囲気無いこと甚だしいが本部の食堂である。遼はサイコロステーキのセット、片山はミニカツ丼とざるそば、美佳はビーフシチューのセットだ。

「社食ですがイケるでしょう」

遼は二人に笑いかけた。二人の刑事はぎこちなく笑い頷いた。

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