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宵月の世紀  作者: 愛媛のふーさん
15/25

逃亡5

 本部との電話を終えた千堂が報告する。

「タクシードライバーの被害は無いそうや。バックアップは先輩がた6人がナイツの機動隊1小隊づつ引き連れてローラー作戦展開してくれはる」

「機動隊って表向きの商売の警備部門のアレね。異能者じゃあ無い格闘技のプロ集団。狼男相手はキツくない?」

「異能者のフォローアップに徹底すれば怪我無く遅延戦闘こなせますよ。現に私がお二人のフォローアップできてますし、疾風に助けてもらってですけど」

そんなやり取りをFIATパンダの車内で交わしていると、多摩川から人が上がって来た水跡が多摩地区の方に向かって続いているのを発見した。

「ビンゴ」

蓮は冷静に呟く。

「本部に報告するわ。ターゲットは多摩川沿いを多摩地区方面に逃亡中」

千堂はスマホを取り出してそう言った。車を走らせながら遼は眼を凝らす。

「水跡が無くなって来てます。疾風の出番ですね」

車を一端停めて疾風のリードを首輪から外す。タブレットを助手席の蓮が見てナビする。疾風は一度覚えたターゲットの匂いを忘れ無い。もう一度川に入られなければ確実に跡を追える。疾風は迷う事無く道路を多摩地区方面に向かって走り出した。狼男の琢磨も全速力で走っているのか疾風は全速力で道路を走っている。その姿をベッドライトの光の中に捉えながら1時間走ると多摩地区の山奥に入った。急に疾風が道路を逸れた。林の中に入った様だ。パンダの後には 4WDのトラックが6台続いている。バックアップ部隊だ。車は次々に停まる。人々が続々と降り、指令部を置くとタブレット片手にしたリーダーを先頭にローラー作戦展開し始めた。

「わいらも行こか」

「そうですね」

「うん」

蓮達三人も林の中に足を踏み出した。疾風は奥へとゆっくりと移動中。6隊は疾風を中心に包囲網を形成して琢磨の逃亡を阻止し様としていた。

 疾風が止まる。狼男は包囲網の存在に気づいた。蓮達三人は包囲網の中に踊り込む。白銀の毛に覆われた琢磨は毛を逆立てて佇立している。

「とうとう狩り立てられる時が来たか!」

琢磨はあきらめたというには好戦的に叫ぶ。疾風は低く唸りながら睨み付けていた。

「爆龍波」

「嵐撃舞」

蓮と千堂が炎と雷撃を飛ばす。狼男の銀毛が弾いた。しかし、それは陽動だった。本命は遼のショックガンだ。鳩尾の一点に3発叩き込む。さすがにこれは効いた。口から狼男は血を吐く。疾風が足に噛みつくがそのまま蹴り上げられて木に叩き付けられる。

「疾風」

遼が心配気に叫ぶ。疾風は鳴き声上げずに起き上がって狼男に向かい飛び掛かる体勢をとる。遼はショックガンを構えたが琢磨が素早く動くので的が絞れずにいた。蓮と千堂が武器に炎と雷を纏わせて襲いかかる。先に捉えたのは千堂のジャブだった。焦げ臭い匂いと共に狼男がたたらを踏む。すかさずストレート、フック、アッパーと1234のコンビネーションで攻め立てた。しかし、琢磨は未だ立っている。これだけ食らわせても未だ狼男をKOするには不十分な様だった。

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