六話 それは自分の選択じゃない。
前回に引き続き読んでいただき、ありがとうございます!
また、予定より1日遅れてしまい申し訳ございません!
予定が立て込んでいたため、急いで書きました…
それによって今回は短めで変な表現があったり誤字などがあるかもしれません!
また、素人なためあまり上手く書けていませんが、温かい目で見てくださると幸いです!
僕は短い夢を見ていた気がした。
誰かが僕に何かを言った夢だった。
そこでアラーム音で僕は起きる。
アラームを止め、夢の内容を思い出そうとするが、誰が何と言っていたか忘れてしまった。
時間を見ると、夜の9時半を回っていた。
僕はスポーツウェアに着替えるとすぐに拠点の戦闘場に向かった。
団地の外は静かで夜風が、やけに冷たい。
拠点の戦闘場に着くと、すでに何人かが集まっていた。
みつきさんに下田さん、そして見慣れない四人。
視線が一斉に僕へ向くが歓迎というよりは――確認に感じた
半魔
その言葉が、彼らの間でどれほど重いものか、僕はまだ実感しきれていなかった
「お、来たな秋」
下田さんが軽く手を挙げる
「紹介するねーこの4人は今日から秋くんの訓練を手伝ってくれるメンバーだよ」
みつきさんがそう言うと最初に前へ出たのは、明るい声の少年だった。
「加賀来翔!よろしくな!」
人懐っこい笑顔。距離が近い。
「半魔って聞いたとき、正直びびったわ。そんなケース、俺らでもほとんど見たことないし」
冗談っぽく笑う
けれど、ほんの一瞬だけ視線が鋭くなる
「まあでもさ、珍しいってだけで普通の魔人と実力は変わらないんだろ?ちゃんと仲良くやろーぜ!」
その言葉の裏にあるものを、僕は読み切れなかった。
次に眼鏡の青年が一歩前へ
「半田章人。戦闘理論と能力応用を担当するよ。無理はさせないつもりだから安心して」
声は穏やかで、本当に優しそうだ。だが観察する目は冷静だ。
三人目は、金髪にメッシュの入った男で、片手をひらひら振る。
「澤谷廉。ま、気楽にやろーぜ」
話し方は軽く、笑っている。だがその目は、笑っていない。
最後に、黒いパーカを羽織った女性が静かに前へ出る。
「浅間未由。今日は見学だけ。あなたの可能性を見せてもらうね。」
落ち着いた声だけどどこか掴みどころがない。
「未由は四大組織のトップだよ」
みつきさんが軽く言うが、僕は思わず目を見開いた。
トップ…それほどの人物が、僕の訓練を見に来ている。浅間さんは微笑んだ。
「今日はね」
みつきさんが腕を組む
「秋くんの今の実力の限界を見つける日なんだよね」
「限界……?」
「うん。伊藤さんからの指示だからねー」
相変わらずみつきさんは軽く言うが空気が締まる。
「それじゃあ基礎からいこーぜ!」
加賀さんが軽快に構える。ステップ、重心移動、フェイントを僕に見せ、細かい動きを教えてくれる。
とても分かりやすく、教え方が上手かった。僕はすぐに再現する。
「おお、飲み込み早っ」
笑っているが、その笑顔の奥に影が差す。
「なあ秋。正直さ、ちょっと羨ましいわ」
「え?」
「俺、こう見えても戦いの基本が出来ようになるまで半年はかかっただよな。才能あるやつって良いな」
軽い調子で言っているが本音だ。僕は返せない。
見て動きを完コピすることができるのがどれほどの努力を飛び越えた結果なのか僕はまだ理解していなかった。
「ま、でもさ」
加賀は拳を軽く合わせる
「才能あるなら、使いこなせよ? 中途半端が一番ムカつくからな」
明るい言葉だけど、加賀さんは警告をしていた。
「では次は実戦形式でいきましょう。」
今度は半田さんだった。
お互いに距離を取るとすぐに模擬戦は開始された。
僕は踏み込み、先ほど教わった動きで拳を突き出す。だが、それは受け流される。
そして次の動きも読まれ、転ばされる。
「ッ…!」
半田さんが手を差し伸べる。
「大丈夫?」
「はい……」
「君、動きは洗練されている。でもね」
眼鏡の奥の瞳が優しい。
「なぜその動きを選んだか、説明できる?」
言葉が詰まる。
「コピーは強い。でも、そらは自分の選択じゃない」
半田さんは穏やかに告げる。
「今の君は、みつきさんの戦い方をなぞっているだけなんだ」
胸がざわつく
「ただコピーしただけじゃ、実戦に通用しないよ」
優しい声なのに、核心を突かれる。
「じゃ、次は俺いこっか」
澤谷が軽く肩を回す。それを見て僕は身構える。
「そんなビビんなって。死なねーから」
笑いながら言うが、隙がない様に見えた。
模擬戦が開始すると、一瞬で視界が揺れた。気づけば僕は倒れていて、澤谷さんは僕を見下ろしていた。
「……え?」
「今の、何されたか分かった?」
しゃがみ込み、覗き込んでくる。その顔は笑っていて、どこか嘲笑の意を感じた。
そして二度目、三度目と再戦をするが、全部崩された。
「なあ秋」
澤谷は立ち上がる。
「お前さ、考えて戦ってねーだろ」
「……考えてます」
「いや。真似してるだけ」
軽い口調のまま、核心を刺す。
「コピーってさ、元がいなくなったらどうすんの?」
追い打ちをかけるようにまた核心を突く。
「みつきがいなかったらお前、成長すらできなくてないか?」
笑っているのに目は真剣だ。
「俺はさ、天才嫌いじゃねーよ」
一歩近づく
「でも“未完成の天才”は嫌いなんだよな」
ドン、と胸を軽く突かれる
「お前は強いよ。マジで。でもその分浅い」
浅いという言葉が、心を揺れ動かす。
地面に座り込む。勘違いしていたことに初めてショックを受ける。
この2日で成長した気になっていたけど違ったことにだ。悔しいという感情を初めて理解した気がした。
本当に初めて、純粋に悔しいと思った。
みつきさんとの模擬戦でみつきさんの動きを模倣できたのが自信になっていたのだと思う。
それだけで、どこか安心していた。
だが違った。僕は何も選んでいない。だからまだ未熟なんだ。
「秋くん」
みつきさんが近づく。
「自分の戦い方を見つけるのさたしかに難しいよ。でも、みんな誰しも最初は真似から入る。でもそこから自分なりの動きや癖が生まれるもの。」
その言葉が、胸に落ちた。
「それに秋くんは魔人になってまだ2日目だし仕方が無い。」
すると加賀さんもこちらに歩む。
「そうだぜ秋、俺らもつい秋の飲み込みの早さにムキになっちゃったしな!」
「ありがとうございます…」
その間、浅間さんは遠くから静かに見ていた。
(なるほど)
微笑む
(この子は、まだ形がないが可能性は高い。しかし空洞も大きい。それを埋めるのは経験だ。時間が経てばきっと…)
その夜、僕は初めて自分の才能を疑った。
そして同時に、初めて強い欲望に駆られた。自分だけの戦い方を。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
また、「ここがおかしい」や「他の作品に似ている」などの意見があれば言っていただけると改善できるかもしれません!
もし、アドバイスなどあれば言っていただけると次のモチベーションに繋がります!
よろしくお願いします!
次回こそは予定通り投稿します!
次回2月27日(金)の予定です!




