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三話 君の才能について聞きたいことがある

引き続き読んでいただきありがとうございます!

もし良かったらこれを読んだ後に感想などいただけると僕の創作技術に磨きがかかるかもそれないのでどうぞよろしくお願いします!!

そこで僕は目を覚ました。

どうやら、あのあと気絶してしまったらしい。 横たわっていた身体を起こし、ゆっくりと周囲を確認する。

僕はベッドの上にいて、施設案内の際に教えられた医務室に運ばれていたようだった。  

本来なら滅多に足を踏み入れない場所なのに、早速お世話になるとは思っていなかった。

そんなことを考えていると、部屋の奥から温厚そうな男が白衣姿で現れる。


「おや、目を覚ましたようだね。望月くん」


 僕を見て、穏やかな声で話しかけてくる男。


「……あなたは……」

「ああ、まだ自己紹介をしていなかったね。私の名は田渡英仁(たわたり えいじ)だ。基本は護衛班に所属しているが、医学にも精通していてね。今は医務室を任されているんだ」

「田渡さん……看病していただき、ありがとうございます」

「いえいえ。これも私の役割だからね」


 田渡さんはそう言って、優しく微笑んだ。


「それにしても、模擬戦を観ていて驚きましたよ。秋くんは、手練れの私から見ても相当な実力を感じました。何か格闘技の経験でもあるのですか?」

「いえ、特に経験があったわけではないです。ただ……みつきさんの動きを見ていたら、自然と真似できたというか……」


すると田渡さんは、顎に手を当てながら考え込む。


「ふむ……自然と模倣、ですか。それはおそらく、秋くんの才能、あるいは特殊能力の一種かもしれませんね」

「そう……なんですか?」


そのとき、別の声が割って入った。


「ああ、田渡さんの言う通りだ」


振り返ると、そこには下田さんが立っていた。

その隣には、みつきさんと伊藤さんの姿もある。三人はそのまま部屋の中へと入ってきた。


「ああ、来ていたのですね。下田くんに伊藤さん、水瀬さん」


田渡さんは三人の姿を認めると、すぐに姿勢を正す。


「いきなり押しかけて悪いね。ちょっと秋くんの様子を見に来たんだけど……元気そうだ」

「伊藤さん。僕の我儘でご迷惑をおかけしてしまって……申し訳ないと思っています」

「いいよいいよ。これは私の監督不行届きだからね」


伊藤さんは軽く受け流すように言うが、みつきさんは申し訳なさそうな表情を浮かべた。


「秋くん、ごめん……。次席として、君の模擬戦継続の申し出は止めるべきだったのに……結果的に君が傷つくことになってしまった」

「全然大丈夫ですよ。それに、みつきさんから戦い方を学ばせてもらいましたから」


その言葉を聞いて、みつきさんはわずかに微笑む。


すると田渡さんが、先ほどの話題に戻る。


「そうでしたね。望月くんの才能についてですが……御三方も、すでに気づいているのではありませんか?」


その言葉に、下田さんが頷く。


「確かに、魔人になって一日目の動きじゃなかったな」

「そうそう。みつきちゃんの動きを、そのままコピーしてたよねー」


伊藤さんの言葉に、僕は内心で考え込む。  

田渡さんはこの模倣能力を()()だと言ったが、正直、自分でもよく分かっていない。

ただ――この力を、何かに活かせる気はしていた。


「確かに私の動きを模倣していて……まるで、自分と戦っているような感覚でした」

「私から見ても、昔のみつきちゃんを思い出す動きだったな」

「僕は、戦い方がよく分からなくて……みつきさんを真似することしか思いつかなかったんです」

「それだけでも十分すごいですよ。望月くんが、これからどんな能力を手にするのか……とても興味があります」

「確かに。ここまで見せられたら、私も気になるね」


伊藤さんも、便乗するようにそう言った。


「まあ、とりあえず今日はもう朝だし、この辺で解散にしよう」


みつきさんがそう言って場を締める。


その後、僕たちは医務室を後にしたが、僕は伊藤さんのところへ向かった。


「どうしたの、秋くん。私はもう寝るところなんだけど、緊急?」

「すみません。その……学校に行っていいのか分からなくて」

「当然ダメだよ。どうしてそんなことを?」

「僕の通っている学校、東魔高なんです。もし身元がバレたら、テーゼの皆さんに迷惑がかかるかもしれなくて……」


伊藤さんは少し考えたあと、口を開く。


「あー、なるほどね……。本当はあまり良くないけど、急に学校に行かなくなるのも不自然だ」


そして、結論を出す。


「一つだけ条件をつけるよ。学校に行くのは許可する。その代わり、少しでも異変や正体露見につながりそうなことがあったら、すぐに私に報連相すること」

「承知いたしました…!」

「あ、あとその制服、泥ついてるからどこかで落としていったほうがいいよ」

「ありがとうございます!そろそろ行かないと遅刻しそうなので、行ってきます」

「うん。気をつけてねー」


僕は拠点の本館から飛び出す。

携帯を見ると時刻は、午前五時半を回っていた。

本来なら辻堂駅の方が近い。

しかし、すでに廃駅となっているため、現存する最寄り駅――藤沢駅へ向かう。  

通常なら徒歩で一時間ほどかかる距離だが、魔人となった身体能力のおかげで、十分ほどで到着した。

朝日が昇っているため能力は低下している。それでも、ほとんどの障害物を無視し、一直線に進むことができた。


そして時刻は六時。人はそれなりにいるが、かつてほどの賑わいはない。  

久しぶりに訪れた藤沢駅から急行列車に乗り、町田駅で降りる。  

そこから一度家へ戻り、教科書の入ったリュックを背負って、いつもの通学路を進んだ。

やがて教室に到着し、教室に入る。なぜか少し視線が集まった気がしたが、気にせず自分の席に着く。  

時計を見ると、八時十四分を回っていた。

暇を持て余し、数学の教科書を開いていると、中山くんが登校してくる。


「お、今日も早いな、秋」

「おはよう、中山くん。こう見えて、実は遅刻しかけたんだ」


すると中山くんは、目を見開いて声を上げた。


「えっ!?あの完璧超人の秋が遅刻しかけたのか!?」


その声が教室に響き、クラスメイトたちの視線が集まる。


「ちょっと中山くん、声が大きすぎるよ」

「そうだ、中山。元気があるのはいいが、いきなり大声を出すのは感心しないな」


突然聞こえてきた声――担任の谷橋先生だった。


「い、いつからいたんですか!?」


再び大声を出した中山くんに、谷橋先生はため息をつく。


「驚いたからといって、何でも大声にすればいいわけじゃない。他の人の迷惑になる。うちの学校が、どんな学校か忘れたのか?」

「す、すいません……」

「以後、気をつけるように」

「あと秋、お前なんでそんなに制服が汚れているんだ?」


そんなことを言ってくる先生。

ふと自分の制服を見ると確かに泥がついていて汚い。

クラスメイトたちが僕に視線が集まった気がした理由もこれだ。

僕はこれはおそらくみつきさんとの模擬戦で付いた汚れだと考える。


「あ、すいません…少し諸事情で朝に汚してしまって…明日にはしっかりと汚れを落とした状態で登校したいと思います。」

「そうか…まあお前の家庭環境を知らないわけでもないんだ。なにかあったならいつでも先生が相談に乗るからな。」

「ありがとうございます。」

「ああ。さて、少し遅れたがホームルームを始める。」


そう言って先生は教卓に立ち、ホームルームを始めた。


その後は特に何事もなく授業を終え、放課後を迎える。

すると、中山くんが再び話しかけてきた。


「秋、ちょっといいか?」

「どうしたの? 中山くん」


中山くんは、いつもとは違う真剣な表情をしている。


「秋……お前、()()()()()()か?」


そんな突然の質問に、僕の心臓は少し心拍数が上がるのだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

質問やご指摘なども受け付けていますので、よろしければコメントをしていただけると幸いです!

次回は2月6日金曜日を予定しています!

ありがとうございました

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