Stage7 ユニット結成と新たな技(1)
学校を休んだ翌日、ここなは登校した。いつもより足取りは軽くなっている。そして教室の扉を開けた。席に向かうと、トーンが話しかけてくる。
「おはよう、ここな」
「おはよう、トーン」
「心の状態はどうだ?」
「うん、大丈夫だよ」
ここなは笑顔で答える。ここなが入るとすぐいじめ始めた周囲のクラスメイトは、すっかりここなに対して何も悪いことをしなくなっていた。
「そうだ、ここな。昨日休んでたから授業分からないところあるんじゃないか?」
「そうだね……」
「僕がノートを見せるから、安心しな」
「ありがとう……」
授業が始めるまでの間、ここなはトーンのノートを見せてもらった。
そして授業が終わってからも、トーンはここなに、分からないところがないかを聞いた。そのおかげで、ここなは授業の内容が少しずつ分かるようになっていくのだった。
★
所変わって、ディスコーズのアジト。メンバー四人は、この日もアイデレラを倒す作戦を考えていた。
「オーシャンという奴、だんだん歌が上手になってきている」
「それにスノーと合わせて二人いるから、サッドンは二人の歌声と浄化技に耐えられなくなっている」
「もうサッドンを強くしていくしかないんじゃない?」
「そうだな……よし、俺に任せろ。強力なサッドンを呼び出せるようにしよう」
と言ったのは、バッダーだ。呼び出すサッドンは、ダーコンよりも少し強い。
「任せた、バッダー」
「おう!」
バッダーは一言発し、姿を消した。
★
いじめられることなく学校が終わった。ここなは、途中までトーンと一緒に帰る約束をした。
「ここなの心、だいぶ回復したようだな」
「トーンがこの学校に来てくれたおかげだよ」
そんな話をしながら歩いていると、
「あの子……ゆきねじゃないか」
反対方向からゆきねが向かってくるのを、トーンはいち早く気づいた。ここなは足を止める。ゆきねは、ここなとトーンに反応したのか、足を早める。
「ここな、トーン!」
「お疲れ、ゆきね」
「実は、話があって……。あたし、ここなとユニットを組みたいの」
「私と……ユニットを?」
ここなが、自分を指さす。
「あたし、オーシャンと一緒に歌っているのが楽しいって気づいたんだ。歌声の重なりを聞いていると、より元気が出るから」
国民的アイドルとユニットを組めるなんて、ここなにとっては夢のようだ。
「……はい! 私、ゆきねさんとユニットを組みたいです!」
「ここな。あたしに対してはタメ口でいいよ。それに呼び捨てでいいから」
「わ、分かった」
「よし、それじゃあまずユニット名を……」
とゆきねが言ったそのとき。
「見つけたぞ、邪魔者を……」
聞いた事のない怪しい声に、ここなたちが身震いする。
「あなたは!?」
「俺はバッダー、ディスコーズの一員だ」
「世界を悲しみで満たそうとする悪い奴らなんだ」
とトーンがゆきねに説明する。
「いつものように勝てると思ったら大間違いだぜ? 出てこい、サッドン!」
バッダーが魔法を使い、怪物サッドンが現れる。
「☆→♪♪¥++%¥$$〜!」
悲しみをもたらす不協和音によって、ここなとゆきねが座り込む。そのとき、ここながゆきねの手を握る。
「ここな……」
もう片方の手で、カバンからブライトマイクを出す。
「変身しよう!」
「うん!」
二人はブライトマイクを胸に当て、呪文を唱える。




