Stage26 ここな、トーンとクリスマスデート!?(2)
外から何やら騒がしい声が聞こえる。それに気づき、ここなは目を覚ました。トーンが声をかける。
「ここな、起きたか? 今ちょうど、外にサッドンが現れたみたいなんだ」
一気に眠気が吹き飛んだここなは、トーンと一緒に店の外へ向かう。
「あのサッドン、いつもより大きい気がする……」
サッドンはいつものドロドロした見た目であるが、二階建ての家と同じくらいの大きさになっていた。
「さあビッグサッドン……。このクリスマスムードを台無しにしちゃいなさい」
「あの声は……クローザ!」
大慌てで逃げていく人たちに紛れ、ここなとトーンがビッグサッドンを見つめる。
「大変なことにならないうちに、ここな、変身してライブをするんだ!」
「分かった!」
ビッグサッドンを退治するため、ここなはブライトマイクを握り、アイデレラに変身する。
「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」
するとマイクは光り輝き、ここなを包み込んでいった。
ここなの体は、青い光に包まれた状態となった。
「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」
こう唱えると、ここなにブーツが装着される。
「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」
ステップを踏んでいるここなに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「つややかなヘアー!」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
こう名乗り、ウインクしながら両手を握るポーズをする。
そしてオーシャンは、トーンの作ったステージに降り立った。曲が流れ、歌い始めようとするオーシャンだったが。
「♪☆¥$○・¥¥$〜!」
ビッグサッドンが、強烈な不協和音を響かせ始めた。オーシャンは耳をふさぐが、その場に座り込んでしまう。
「オーシャン!」
トーンが駆け寄ろうとする。
「ビッグサッドン……オーシャンをやっつけてしまいなさい」
動けないオーシャンに向かって、ビッグサッドンは吹雪で攻撃する。体温が奪われたオーシャンは、倒れてしまった。
「ふふっ、ビッグサッドンの力はいかがかしら?」
トーンは、言葉を出せなかった。オーシャンの敗北が決まったと思われた、そのとき。
「Cheer up! みんなの力で〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
聞いたことのある歌声に、トーンが顔を上げる。
「スノー、キューティー!」
ステージに現れたのは、アイデレラの姿となったスノー、キューティーだった。二人の歌声によって、オーシャンに少し体力が戻っていく。
「スノー、キューティー……」
「遅れてごめんね」
オーシャンは、スノー、キューティーの手を取って立ち上がる。
「三人いれば、どんな相手も怖くない!」
「一緒に歌おう!」
三人がそろい、ライブを始める。
「Cheer up! みんなの力で〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
これは、オーシャンがスノーと一緒に歌った曲だ。
「悲しい一日だった日は〜自分をいたわって〜」
「今日できたことは〜きっと見つかるよ〜」
ビッグサッドンに負けないくらいの歌声が響き渡る。
「Cheer up! 自分をほめて〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
「 「誰にでも〜いいところがあるから〜」 」
ライブを見ている観客たちも、大盛り上がりだ。
「 「みんな元気で〜Cheer up!」 」
歌い終えると、アイデレラの歌声と、観客のサイリウムに反応した天井のミラーボールが、大きなミュージックプリズムを作っていく。ゆっくりと降ってきたプリズムに、三人は手を触れる。
「 「アイデレラ・レインボー・ミュージカル!」 」
三人は、手から虹色の五線譜と音符をビッグサッドンに向かって出した。手ごたえは感じたが、三人は手に込めた力を緩めない。
「はあああーっ!」
そしてビッグサッドンは、虹色の光に包まれ、消えていった。
「スノー、キューティー、ありがとう……」
オーシャンは、スノーとキューティーにゆっくりと抱き着く。観客から温かい拍手が送られる。
「三人の力、すごいよくなってるな」
とトーンは感じていた。
★
ライブが終わると、ここなとトーンのデートが再開する。
「よし、ここな、次の行き先はここなが決めていいからな」
とトーンは言うが、ここなは反応がない。
「ここな……?」
トーンは、ここなの肩を軽く叩く。そのときここなはこう感じていた。
「はあ……何だか気分が悪い……。さっき吹雪の攻撃を受けたからかな……」
先ほどのライブのとき、ビッグサッドンの攻撃によって、オーシャンはこごえるほどの寒さを感じていた。スノーとキューティーの歌声によって持ち直したが、ライブ後一気に寒気が襲ってきたのだ。
「トーン……」
目が回り始めたここなは、めまいに耐えられず、その場に倒れてしまった。
「ここな! ここな!」
トーンは、倒れたここなを抱え、クリスマスの街を急いで歩くのだった。




