Stage25 悲しみに満ちたミューグダムを救え!(2)
「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」
マイクが光を放ち、ゆきねを包み込む。その中で、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」
こう唱えると、ゆきねにパンプスが装着される。
「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」
ステップを踏んでいるゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「つややかなヘアー!」
ゆきねの銀色の髪が、白いロングヘアーに変化する。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
「ミュー!」
ミュアンが鳴き声を上げると、首輪についているミュージックプリズムの飾りが光る。
光の中で、ミュアンは人間の姿になっていく。そして体が、黄色い光に包まれた状態となった。
「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」
こう唱えると、ミュアンにパンプスが装着される。
「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」
ステップを踏んでいるミュアンに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「つややかなヘアー!」
そしてミュアンの髪が、金髪のロングヘアーに変化する。
変化が完了し、ターンをすると、ミュアンはこう言う。
「きらめく可愛さ! アイデレラ・キューティー!」
変身が完了し、トーンが作ったステージの上に、スノーとキューティーが現れる。観客席には、気力を失った動物たちが、サイリウムを持って横たわっている。その中には、ここなの姿もある。
「ここなたちみんなを、元気にしよう!」
ゆきねの掛け声で、曲が流れ始める。その曲に、ここなははっとする。
「みんなに届ける〜幸せの歌〜」
「これは……私の歌……」
スノーとキューティーが、アイデレラ・オーシャンの曲をカバーしているのだ。
「私は〜みんなと〜幸せになりたい〜」
ここなの瞳に、ハイライトが少しずつ戻っていく。
「ずっと〜つらかった〜何もかもが〜」
ここなや動物たちのサイリウムが、希望の光をともし始める。
「でも〜みんなが悲しいのは〜いやだから〜」
ここなは、スノーたちの歌声を聞いて、今までのことを思い浮かべる。初めてステージに立ったのは、ピンチになったスノーを助けたいことからだった。その正体が、憧れのアイドルである白銀ゆきねだと知って、悲しみの世界を歌で救いたいとより強く思うようになった。
「幸せの歌を〜届けたい〜」
スノーとキューティーが歌い切ると、ここなたちは大きな拍手をした。ステージに、ミュージックプリズムが現れる。
「スノー・ダイヤモンドショット!」
まずスノーが、ダイヤモンドの粒をクローザに向かって放つ。
「キューティー・ふわふわハート!」
続いてキューティーは、両手からたくさんの柔らかいハートを飛ばしていく。クローザは、少し苦しみ始める。
「なかなかやるわね……だけど私の歌はもっとすごいわ」
クローザはそう言うと、不協和音を響かせ始める。元気になったはずの動物たちが、再び倒れ始める。スノー、キューティーは耐えているが、今にも倒れそうだ。
「さらにこれも食らってなさい……。シャープビーム!」
クローザは、とがった光線を、スノーとキューティーに向かって放つ。
「あれっ……?」
逃げることができなかった二人だが、痛さを感じなかった。顔を覆っていた腕を下ろすと。
「ここな!」
スノー、キューティー、トーンが同時に声を上げた。ここなはステージの上で、キューティーたちを守るように倒れていた。
「やめて……」
ここなは、全身の痛みに苦しみながらも立ち上がろうとする。
「みんなを守ろうとしてくれたのか!?」
「変身もしてないのに……無謀だよ……!」
スノー、ミュアンが涙目になる。
「みんな……大切な仲間だから……守らないわけには……!」
そのとき、ここなのポケットに入っているブライトマイクが光を放つ。気づいたここなはそれを取り出す。
「悲しみの世界を、変えたい!」
ここなの声に、倒れていた動物たちが顔を上げる。そしてここなは、変身の呪文を唱える。
「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」
するとマイクは光り輝き、ここなを包み込んでいった。
ここなの体は、青い光に包まれた状態となった。
「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」
こう唱えると、ここなにブーツが装着される。
「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」
ステップを踏んでいるここなに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「つややかなヘアー!」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
こう名乗り、ウインクしながら両手を握るポーズをする。
「オーシャン……!」
スノーたちが、感激の声を漏らした。スノー、キューティーが、オーシャンの隣まで歩く。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「みんなに届け!」
スノー、オーシャン、キューティーの順にセリフを放つと、ユニット名を名乗る。
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
大きな歓声が、ステージを包み込んだ。
「みんなに届ける〜幸せの歌〜」
今度は三人で、オーシャンの曲を歌い始める。
「私は〜みんなと〜幸せになりたい〜」
「ずっと〜つらかった〜何もかもが〜」
「でも〜みんなが悲しいのは〜いやだから〜」
オーシャン、スノー、キューティーの順に歌っていく。
「 「幸せの歌を〜届けたい〜」 」
そして三人の歌声が重なる。動物たちは再び元気になり、拍手を送る。
一方、クローザは気力を失っていた。攻撃を受けるのが怖いのか、姿を消した。
「あっ、クローザが逃げちゃった」
「でもオーシャンが元気になったみたいでよかった」
「心配かけてごめんね……」
「いいんだよ。こうして無事にライブができたから」
絆がまた一段と強くなった三人は、一緒に抱き合った。
★
「ミューグダム、すっかり平和になったみたいだ」
ミューグダムは、かつての明るい雰囲気と、元気が出る音楽で満たされた状態となっている。
「でもまだ油断はできないよ。クローザはやられていないから」
「私、みんなが一緒ならクローザに勝てる気がする」
「ここな……」
ここなが微笑むと、ゆきねたちも微笑み返す。
「よし、ミューグダムに平和が戻ったし、ねおん市に帰ろう」
「そうだね!」
ミューグダムの異変を解決したここなたちは、ねおん市に戻るのだった。




