Stage24 最恐の不協和音!アイデレラなら怖くない!(1)
ここな、ゆきね、トーン、ミュアンは、ここなの部屋でのんびりくつろいでいた。
「おっ、アイデレラの曲、いっぱい聴いてくれてるみたいだな」
トーンはスマホでSNSを見ていた。そこには、アイデレラの楽曲を歌ってみた動画などが流れている。
「やっぱり遠出してライブと握手会をやった甲斐があったね」
和やかな雰囲気で会話をするここなたち。しかしゆきねだけ、浮かない表情をしている。その表情は、ここなたちに新たな脅威が襲いかかってくることを予言していたのだった――。
★
この日、ここなたちは数日後に行われるアイデレラのフェスに向けて、会場の設営をしていた。
簡素なライブ会場に、スピーカーやライトを設置したり、飾り付けをしたりする。
「ふぅ……だいぶフェスの会場っぽくなったね」
「あともう一息だ」
それからもここなたちは協力して、会場の設営が完了した。
「本番……上手くいくといいな……」
★
その頃、ディスコーズのアジトでは、デッドエンと女一人による作戦会議が行われていた。
「そろそろデッドエン、本気でアイデレラを倒す方法を考えないと」
「そうだな……あっ、いい方法があるぞ」
「なるほど……それならアイデレラに勝てること間違いなしだわ」
「よし……楽しみにしてろよ……アイデレラ」
デッドエンはそう言うと、アイデレラのライブ動画を見始めた。
★
そしてフェス当日を迎えた。
「わぁ……お客さんがたくさん……!」
楽屋に向かう途中、ここなたちは数え切れないくらいの客の姿を目にする。
「アイデレラ、すごく人気になってるみたいだね」
楽屋にて、ここなたちは心の準備をしていた。
「よし、いくよ!」
とここな、ゆきね、トーン、ミュアンが手を重ねる。そしてその手を上に伸ばす。
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
ブライトマイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
オーシャンとスノーが名乗った。
「ミュー!」
ミュアンが鳴き声を上げると、首輪についているミュージックプリズムの飾りが光る。
光の中で、ミュアンは人間の姿になっていく。そして体が、黄色い光に包まれた状態となった。
「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」
こう唱えると、ミュアンにパンプスが装着される。
「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」
ステップを踏んでいるミュアンに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「つややかなヘアー!」
そしてミュアンの髪が、金髪のロングヘアーに変化する。
変化が完了し、ターンをすると、ミュアンはこう言う。
「きらめく可愛さ! アイデレラ・キューティー!」
キューティーが名乗ると、ステージの上に三人が現れる。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「みんなに届け!」
スノー、オーシャン、キューティーの順にセリフを放つと、ユニット名を名乗る。
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
息ぴったりの三人を見て、観客たちが大きな歓声を上げる。
曲が流れ、歌い始めようとするそのとき。
「な、何なの!?」
低い叫び声が辺りに響き始めたのだった。
「これは不協和音……! もしやサッドンか!?」
「何か落ちてくる!」
スノーとキューティーは、オーシャンの手を引いてステージの端に連れていく。
「あ、あれは……!」
大きな地響きとともに現れたのは、巨大化して理性を失ったデッドエンだった。
「デッドエン……!?」
するとデッドエンは、今までよりも一番大きい不協和音を響かせ始める。
「きゃあああ!」
オーシャンたちは耳をふさぎ、なんとか耐えようとする。一方観客たちは、バタバタと倒れていく。
「こんなフェス……つまんない……」
と観客の声が聞こえる。
「私たちのライブで、みんなを元気づけよう!」
オーシャンの言葉で、再び曲が流れ始めるが。
「☆€¥¥€♪¥$#$〜!」
なんとデッドエンの不協和音は、アイデレラの曲が聞こえないくらいに大きく響き始めたのだ。
「くっ……これじゃライブができない……!」
「一体どうしたら……」
「みんな、こうなったらデッドエンと戦うんだ!」
「ええっ!?」
「そんなのできるの!?」
「大丈夫だ。こんなこともあろうかと、アイデレラには高い身体能力と魔法の力が備わっているんだ」
「……とにかく、デッドエンを倒しましょう」
こうして、アイデレラは初めて敵と戦うことになったのだった。




