Stage22 アイデレラの握手会!オーシャン、サインを書く!(1)
ここなの部屋で、トーンはスマホのSNSを見ていた。するとこのような投稿が目に入った。
「I♡DERELLAってユニット、悲しみを癒してくれるからもっと広まってほしい」
と、ステージにいるオーシャン、スノー、キューティーの写真が添えられていた。トーンは、アイデレラの認知度をもっと上げていく必要があると感じた。
「ここな、これを見てほしい」
トーンは、ここなにスマホの画面を見せる。
「確かに、私たちはあんまりいろんなところに行ってないからね~」
ここなは、投稿についたいくつかのコメントを見ていく。
「私の町に来てくれないかな~……すごい田舎なんだけど……」
「握手会やってほしいな~……」
ここなは、コメントを見てはっとする。
「握手会……それだ!」
そう言うと、ここなは昔、ゆきねの握手会に参加したかったが、抽選に外れて一度も参加できていないことを話した。
「確かに、アイドルって握手会をよくやってるもんな。いいじゃないか。アイデレラの握手会」
「でもどうやって握手会を開こう?」
「そこは僕に任せて。君のやることは……サインを書くことだけだ」
「サインかぁ~……」
ここなは、サインを考えることを思いもしなかった。
★
握手会を開くことをゆきねに知らせると、ゆきねはここなの家に向かった。
「いい考えがあるよ。まずアイデレラの公式SNSを開設しない?」
ゆきねがそう提案した。
「確かに、SNSは認知度を高めるのに効果的だな」
トーンたちはゆきねに賛成する。そしてトーンは、SNSの登録を始める。名前は「I♡DERELLA公式」とした。
登録が完了すると、トーンは、さっそく投稿を始める。
「I♡DERELLA、SNS始めました! 日々の活動の様子や、イベントの情報を発信していきます! ぜひフォローしてください!」
最初の投稿はそのような内容になった。メンバーの写真つきで、投稿した。数分後、いくつかのいいねが付き始めた。
「あっ、早速反応が来たね」
「アイデレラを広めるためにも、効果があるみたいだね」
「いつもと違う場所でライブをするって考えがある。そしてそこで握手会を開くんだ」
とトーンも、アイデレラの認知拡大のためのアイデアを示す。
「確かに、ねおん市以外でライブをするってことあんまりないかも」
とここなが言った。
「あたしが多くの人に知ってもらえているのは、色んな場所でライブや握手会をしているからなの」
ゆきねは、トーンの考えを裏付ける。
「悲しむ人たちを元気づけるアイドル、それがアイデレラだ。いろんな場所に行って、日本のみんなを笑顔にしていこうじゃないか」
「私も賛成だよ」
アイデレラの活動を広めるため、ねおん市以外でライブを行い、加えて握手会を行うという計画を立てた。
「よし、次はどこでライブと握手会をするかだな」
そう言うと、トーンはスマホのマップアプリを開く。
「あっ、ここいいんじゃないか?」
スマホの画面には、「KANON STADIUM」と書かれている。
「あたし、ここでライブしたことあるよ」
このスタジアムは、ねおん市から遠い田舎にあるが、スポーツやコンサートのイベントがたびたび開催され、多くの人が訪れる。
「このスタジアムでの直近のイベントはなさそうだし、ここにしようか」
「賛成だよ」
ライブと握手会の開催地を決定した。
「だけど問題は、サインを考えることだね……」
ここなが小さくうなる。
「大丈夫だ。僕もアイデアを出すから」
「ありがとうトーン」
ここなたちは、新たな場所でのライブに向けて、準備を始めるのだった。
★
そしてライブと握手会の前日。ここなたちは新幹線と電車を使って、ライブ会場のあるかのん町に向かった。
現在、ライブ会場の近くのホテルにここなたちがいる。
「いよいよ明日だね……緊張してきた……」
ここなの体が小さく震える。
「いつも通りのパフォーマンスをすれば大丈夫だよ」
とゆきねがここなを落ち着かせる。ミュアンもここなに対して元気な鳴き声を上げた。
「SNSこんなに反応が……。チケットも順調に売れてるし、確実にお客さんたくさん来るだろうな」
トーンのスマホの画面には、明日のライブと握手会の予告をした投稿が映っている。千を超えるいいねがつけられていた。
★
翌日、ここなたちはライブ会場である「KANON STADIUM」に向かっていた。
「はぁ〜、緊張しすぎてあんまり寝られなかったよ〜……」
ここなは、頭がぼんやりするのを感じていた。
「楽屋に着いたら仮眠でもとるか?」
トーンとゆきねは、ここなの手を繋いでいる。ここなはゆっくりとうなずいた。
そしてライブ会場に到着し、ステージ近くの楽屋にここなたちは入った。
強い眠気を感じていたここなは、ソファーで横になり、すぐ眠りについた。




