表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/53

Stage21 ここなは弱くない!本気の体育祭!(1)

 ねおん中学校では、体育祭に向けて、ダンスやリレーなどの練習が行われているところだ。


 ここなのクラスでは、ダンスの練習を始めている。


「ゆきねの曲だ……!」


 ダンスで使用する曲を先生が流し始める。ここなにとっては、聞きなれたメロディーと歌声だ。ゆきねの曲でダンスができることに、ここなはワクワクしている。


 クラスでいじめられたことが今でも気になっているが、ゆきねの曲で本番を迎えたいとここなは思うのだった。


 ★


 しかしここなは、心が重たくなっていた。クラス対抗のリレーがあるからだ。運動が苦手なここなにとって、チームで行うスポーツは苦痛だ。


「はあ……」


 帰り道、ため息をつきながら歩くここな。転んだり、バトンを落としたりして、クラスメイトたちにさんざん怒られたのだ。


「ここな、そんなに落ち込むなよ」


 トーンが後ろから声をかける。ここなは、治りそうなうつ病が悪化してくるのを感じた。


「こんな状態で立ち直るのは無理……」


「そっか。帰ったらゆっくり休もうな」


 家に着くまで、トーンはここなの背中をずっと撫で続けた。


 ★


 その日以降、ここなはリレーの練習を休むようになった。ダンスの練習は毎回参加しているが、表情は暗い。


 家で落ち込んでいるここなのところに、トーンが近づく。


「……!」


 トーンがここなに近づけたスマホからは、ゆきねの曲が流れている。


「これ聞いて元気出せよ」


 ここなは、ゆきねが心の支えであることを思い出す。いじめられてきたけれど、ゆきねの存在が、この世界から消えてしまいたい気持ちを抑えていく。それにここなは、伝説のアイドル「アイデレラ」の一人として、悲しみを浄化できる人なのだ。


 そんなここなに、トーンのペット、ミュアンが飛びつく。


「ミュアン……」


 ここなは、ミュアンを優しく撫でてあげるのだった。トーンとミュアンも、ここなにとって頼もしい仲間だ。ここなは、心が洗い流されるのを感じていた。


 ★


 そして迎えた体育祭当日。雲ひとつない空の下で、体操服を着たここなたちが、グラウンドに集合している。


 選手宣誓や準備体操が終わると、ここなは自分の出番を待つ。その間、ここなは上手くいくか気になり、他のクラスの競技に集中できないでいた。


 そしてここなの学年のリレーが始まろうとしていた。練習にまともに参加できていなかったここなは、全身が震えている。


「ここな、自分ができることを精一杯するだけでいいんだ」


 トーンが、ここなの肩を持つ。トーンは、ここなからバトンを受け取ることになっている。ピストルの音とともに、四人が一斉に走り始める。


 しばらくして、ここなにバトンが渡そうとしている。ここなは、バトンをもらうことができた。


 ここなは、全力で走っていた。トーンの応援する声が聞こえてくる。トラックを一周し、トーンが手を差し出している。そのままバトンを渡せると思われたが。


「ここな!」


 ここなは、バトンを渡す直前に転んでしまったのだ。その間に、ここなは抜かれていく。


「立つんだ!」


 泣きそうなここなだったが、ゆっくり立ち上がる。そしてトーンにバトンを渡す。

 しかしここなのクラスは、最下位に終わってしまった。


「ごめんね……」


 クラスメイトたちは、次々とここなを責めようとする。トーンは、すぐクラスメイトたちを止めようとする。


「ここなが悪いんじゃない! 誰かが傷つくのを見て楽しいか!?」


「……」


 クラスメイトたちは、すっかり無口になっていた。


「ここな、気にすることないよ。あとはダンスを思いっきり楽しもう」


 ここなは、小さくうなずいた。


 それからも、他の学年の競技観戦中、クラスメイトたちはすっかり意気消沈していた。その様子を、ここなは気にしている。反省しているというように感じられた。


 しばらくして、ここなのクラスのダンスが回ってきた。


「ここな、失敗することは考えなくていいから」


 トーンは、緊張しているここなに声をかける。トーンは、ここなの隣で踊ることになっている。


 グラウンドにここなたちが集まると、ゆきねの曲が流れ始める。


 先頭から順にターンをしていく。ここなは真ん中の列にいる。他のメンバーと息を合わせ、ここなはターンができた。


 ここなは、踊ることの楽しさを感じていく。次に、ここなはトーンの片手を握りながら踊ろうとするのだが。


「!?」


 ここなの近くに、黒い物体が投げ込まれた。踊っていたクラスメイトたちも困惑し始める。


「これはサッドンだ!」


 トーンがここなに伝える。物体は怪物サッドンに変化する。ここなとトーンは、サッドンから距離をとる。


「☆♪¥€$¥→♪¥〜!」


 クラスメイトたちが、不協和音によって座り込んでいく。ここなとトーンは耐えられた。


「体育祭……つまんない……」


 そうつぶやくクラスメイトを、校舎の屋上からサッドンを呼び出したデッドエンが眺めていた。


「これで体育祭を台無しに……」


 トーンは、ここなにブライトマイクを渡す。そこに、


「ここな!」


 ブライトマイクを持ったゆきね、それからミュアンも駆けつける。


「ライブで悲しみを浄化しよう!」


 そう言うと、ここなとゆきねは呪文を唱える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ