Stage18 アイデレラピンチ!再びとらわれたミュアン(2)
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
変身が完了し、作られたステージの上に二人が現れる。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
二人が正義感いっぱいにユニット名を乗ると、元気な曲が流れ始める。
「Cheer up! みんなの力で〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
荒野のステージに、二人の歌声が響いていく。
「悲しい一日だった日は〜自分をいたわって〜」
「今日できたことは〜きっと見つかるよ〜」
デッドエンは、二人の歌声を聞いても、苦しむ様子を見せない。
「Cheer up! 自分をほめて〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
「 「誰にでも〜いいところがあるから〜」 」
サビに入ると、デッドエンが若干苦しんでいるように見え始める。
「 「みんな元気で〜Cheer up!」 」
と曲が締めくくられた。
「あれ……?」
オーシャンが違和感に気づく。ミュージックプリズムが降ってこないのだ。
「お前たち、もう負けが決まったのだ! 観客は誰一人いないだろ!?」
「そうだった……!」
「ミュージックプリズムは、アイデレラと観客両方の力がないと作れないんだ」
とステージ袖にいるトーンが言った。いつもならたくさん見えるサイリウムも、今回は1つも見えない。
「さっ、俺の勝ちということで……ディスコード・ビーム!」
デッドエンがビームをオーシャンとスノーに向けて放つ。その間、二人は不協和音に襲われる。動けない二人に、ビームが命中する。
「オーシャン、スノー!」
倒れた二人は、無気力で動けなくなっていた。トーンが二人を起こそうとするも、ネガティブな言葉しか返ってこない。
これでアイデレラの勝ち目はなくなった……と思われた。
「私は~いつも~みんなのそばにいるよ~」
「!?」
突然、聞いたことのない歌声が響き始める。ステージを見ると、金髪で、黄色いドレスに身を包んだ少女が、歌っていた。オーシャンとスノーが、顔を上げる。
「だってみんなは~私たちのために~生きているから~」
「くっ、歌声を聞いたら、気分が悪くなってきた……」
デッドエンが苦しみ始める。
「一人ですべて~抱える必要はないよ~」
金髪の少女が歌い切った。デッドエンが怒りを見せる。
「お前は……何者なんだ!?」
「アイデレラ・キューティー……」
「!?」
新たなアイデレラの登場に、オーシャンたちは息をのむ。
「まさかこうなるとは思ってなかった……今日はここで退散だ!」
デッドエンは、その場から姿を消す。持っていた小さな檻に、ミュアンの姿はなかった。
その後、オーシャンとスノーは立ち直った。アイデレラ・キューティーと名乗った少女に、お礼をしようとすると。
「!」
ステージは、光に包まれた。
★
「あっ、元に戻った……」
ここなたちは、ねおん市に戻っていた。トーンは、ミュアンを抱いている。
「ミュアン、無事でよかった!」
ここなとゆきねは、ミュアンを撫でる。
「でもさっき私たちを助けてくれた子、いったい誰なんだろう?」
そう思いつつ、ここなたちはミュアンを元気づけるため、公園まで歩いていくのだった。
そして公園で、ミュアンはブランコに乗ったり、滑り台を滑ったりして、ここなたちと楽しめた。
帰り道、ここなは新たなアイデレラのことが頭から離れないでいた。その道中、ここなはときどき、トーンの腕の中で眠っているミュアンに視線を向けるのだった。




