Stage15 きらめく海でサマーライブ!(2)
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
変身が完了し、作られたステージの上に二人が現れる。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
きらめく海をバックにしたステージで、曲が流れ始める。
「忘れられない〜夏が来た〜」
「綺麗な〜海と花火〜」
夏を感じられる曲を、オーシャンとスノーが歌っている。
「一緒に〜思い出を探そう〜」
「日々が〜過ぎていく前に〜」
オーシャンたちの前には、サイリウムの海が広がっている。
「8月の〜景色は鮮やかで〜」
「きっと〜色あせないよ〜」
「思い出は〜ずっと〜海のように輝いていく〜」
オーシャンとスノーは、曲を歌い切った。ステージのライトだけでなく、太陽の光にも二人は照らされていた。
そこに、ミュージックプリズムが降ってくる。手をかざし、浄化技を使う。
「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」
大きな星を描き、ステージ付近のサッドンに飛ばす。しかしサッドンは、パンチで星を壊してしまった。
「……!」
「☆→¥€¥$♪☆$〜!」
不協和音を響かせ始め、オーシャンとスノー、観客たちが無気力になっていく。
「オーシャン、スノー!」
ミュアンを抱えているトーンが叫ぶ。そのときサッドンは、倒れているオーシャンに向かってパンチをする。オーシャンは思いっきり飛ばされ、海に落ちてしまった。
「オーシャーン!」
オーシャンを助けに向かおうとするトーン。そのときミュアンが、トーンの腕から飛び降りる。
「ミュアン、どこに行くんだ!?」
ミュアンは、ステージの袖に向かって走っていった。
★
「体が……沈んでいく……」
無気力となったオーシャンは、海に落ちた体を動かせなくなっていた。
「スノー、トーン、ミュアン……」
意識が薄れていきそうなオーシャンは、仲間たちの名前を呟く。
そのとき、宝石のようにキラキラした波紋が、オーシャンに届いていく。
「この波紋は、あのときの……?」
ミューグダムで、ミュアンがピンチから救ってくれたときのことを思い出す。オーシャンは、不思議と苦しくなくなっていく。そしてゆっくりと、体が浮かび始める。
「ミュアン……?」
体が浮上する間に、ミュアンがオーシャン目掛けて飛び込む。オーシャンは、胸に着地したミュアンを抱く。
「はあっ!」
オーシャンは、水から顔を出す。そして数回呼吸をする。
「ミュアン、ありがとう。助けてくれて」
ミュアンは、オーシャンを引っ張り、ステージに連れていく。
「オーシャン! ミュアン!」
ステージに戻ると、トーンと、スノーが明るい表情になった。スノーも、ミュアンの力によって元に戻ったのだろう。
「ミュアンが、私を助けてくれた」
「オーシャン、これを」
わずかに色が残っているミュージックプリズムを、オーシャンに渡す。
「この想いを、波に乗せて! オーシャン・トロピカルウェイブ!」
きらめく波がオーシャンから発生するが、今までよりも波が高くなっている。サッドンは巻き込まれ、溶けてなくなった。
「オーシャンの技が、パワーアップしてる!」
トーンが拍手すると、観客たちも一斉に拍手を送る。オーシャンは、観客たちに向かってとびきりの笑顔を見せるのだった。
★
デッドエンは、サーフボードに乗って海の向こうを渡っていった。それをここなたちが眺める。逃げていた客たちも砂浜に戻っている。
「すっごく楽しかったよ」
「いい夏休みの思い出ができたね」
ここなたちは、しばらくの間夕日の沈む水平線を見つめた。それから、帰る準備を始める。
「こんなに最高の夏休みは、初めてだったよ!」
帰りのバスで、ここなたちは楽しくおしゃべりしていた。トップアイドルであるゆきねと海に行くなんて、数ヶ月前までは考えていなかった。
この夏の思い出は、ずっと色あせることないだろう、とここなは思うのだった。




