Stage15 きらめく海でサマーライブ!(1)
ねおん中学校は、もうすぐ夏休みに入ろうとしていた。
「トーン、いっぱい助けてくれてありがとう」
「ここな、つらいこともいっぱいあったけど、力になれてよかったよ」
終業式後の教室で、ここなとトーンが会話をしている。
「ここなは夏休み、何をしたいか考えてる?」
「そうだね……余裕があれば、ゆきねとお出かけしたいな」
「いい考えだな。ゆきねも、ここなと仲良くなれて嬉しいみたいだから」
「去年までは、友達なんていなかったし、ママに怒られてばっかりだったから。今年は楽しめたらいいなあ」
「僕が、思いっきり楽しめるようにしてやるよ」
と笑顔で言うトーン。
「そうだな……ゆきねを誘って海に行かないか?」
「わぁ……それいいね! 色んなとこ遊びに行きたいって思ってたから」
「いつにする? でもその前に夏休みの宿題をやらないとな」
「そっかー……、去年やったドリルは空欄だらけだったよ……」
「そんなに心配しなくていい。僕と一緒にやれば早く片付くよ」
「それなら安心だね」
ここなとトーンは、海に行くことを話し合っていた。そして夏休みの宿題を先に終わらせる計画を立てるのだった。
★
ここはディスコーズのアジト。二人の男女がいる。
「バッダーもやられちゃったなんて……。私たちも本気を出さなければ」
デッドエンが、バッダーの敗北を女に報告した。
「もうそろそろバカンスの時期じゃないか? 俺たちもたまにはお出かけしたいぜ」
「そうね。よかったら海にでも行かない? 思いっきりサーフィンするのよ」
「ははっ、いいアイデアだな」
ディスコーズも、夏休みの計画を立てていたのだった……。
★
そしてねおん中学校は夏休みに入った。ここなとトーンは、ここなの家で夏休みの宿題を一緒にする約束をしていた。
二人は、国語と数学の問題集を机に広げている。
「トーン、ここ教えてよー」
「ここの計算のしかたは……」
ここなは、トーンに頼りながら、問題集の解答欄を埋めていく。授業で習ったところや、過去にトーンが教えてくれたところは、自力で解けた。
★
それから数日後。
「やっと終わったー!」
問題集を片付けたここなとトーンが、ハイタッチする。
「よし、次はゆきねに予定を聞いておくよ。空いてる日に行こう」
「みんなで海に行くの、楽しみだなー」
ここなの頭の中には、きらめく海が広がっていた。
★
ゆきねのスケジュールが空いている日、ここなの家で集合することになった。ここなとトーンは、荷物を準備すると、玄関を出る。ミュアンも一緒だ。そこにはゆきねが待っていた。
「お待たせ、ゆきね!」
ゆきねは、麦わら帽子と袖なしの白いワンピースを着ている。
「よく似合ってるな」
とトーンがゆきねのファッションを褒める。
「ありがとう。それじゃあ行こっか」
こうして、ここなたちは海に向かうのだった。
★
バス停から歩いて数分後。ここなたちの目の前には、真っ青な海が広がっている。
「わあー!」
「ここな、珍しくテンションが高いな」
ここなが抱えているつらいことを、一瞬で忘れさせてしまうほど、綺麗な海だ。
そしてここなたちは水着に着替える。
「ここな、スタイルいいねー」
ゆきねに言われ、ここなは恥ずかしがる。前日トーンが選んでくれた、ブルーのセパレート水着だ。
「よし、泳ごうか。ミュアンはそこで待っててくれ」
トーンは、抱えていたミュアンをゆっくり下ろす。
「トーン、隣についてほしいんだ」
ここなは、怖がっているのか、こう言った。
「実は私、泳ぐの下手で……」
「あたしもついてるよ」
トーンとゆきねは、ここなの手を握る。そして波打ち際に近づいていく。海に入っていくと、足が一瞬冷たいのを感じた。ここなが少し悲鳴を上げる。
少し深くなったところで、ここなはゆっくりと体をうつ伏せにする。ここなの両手を、トーンとゆきねが握っている。ここなは、足をバタつかせ始める。
「よし、その調子」
不安だったここなの表情は、少しずつ明るくなっていく。それから数メートル泳げた。
「ありがとう。ついてくれたおかげで泳げたよ」
砂浜に戻ったここなは、トーンとゆきねにお礼を言った。
「よし、次はスイカ割りだ」
トーンが、スイカを用意し、砂浜の上に置く。ここなはタオルで目隠しする。
「えっと、ここだっけ?」
初めてのスイカ割りで、ここなはとまどっている。
「もう少し左だよー」
とゆきねが指示する。ここなは、ゆっくり左に移動する。
「ここだよ!」
トーンの声で、ここなは棒を振りかざす。スイカは見事に真っ二つとなった。
「すごいよここな!」
目隠しのタオルを外すと、ここなはスイカの赤くきらめく断面を見て、目を輝かせる。ここなの隣にいるミュアンも、ニコニコしている。
それからスイカを四等分し、みんなで分け合って食べた。
「冷たくてシャキシャキしてるよー」
とここな。
スイカを食べ終わった頃、ここなは海でサーフィンをしている男を見つける。
「あの人、見たことあるような……」
「あっ……」
男は砂浜に戻ると、ここなたちに近づいていく。
「こんなところで会うとはな。ちょうどいい」
「デッドエンが、ここに……!」
「俺もバカンス中だけど、お前たちを倒す! 出てこい、サッドン!」
デッドエンは、魔法で怪物サッドンを呼び出す。周囲にいた客たちが、次々と逃げていく。
「☆€♪¥$€¥♪#☆$〜!」
不協和音が響き、ここなとゆきねが座り込む。しかしすぐ立ち上がろうとする。
「二人とも、これを!」
トーンは、預かっていたブライトマイクを二人に渡す。二人は受け取ると、呪文を唱える。




