表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/52

Stage14 ここなと迷子の少女(2)

「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」


 マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。


 ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。


「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」


 こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。


「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」


 ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。


「 「つややかなヘアー!」 」


 そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。


 変化が完了し、ターンをする。


「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」


「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」


 変身が完了し、作られたステージの上に二人が現れる。


「悲しみを!」


「幸せの歌に変える!」


「 「私たち、I♡DERELLA(アイデレラ)!」 」


 ユニット名を名乗ると、曲が流れ始める。


「あなたは~いつだって~あなたでいるよ~」


「?」


 オーシャンの綺麗な歌声が聞こえ、観客席にいたゆうなが顔を上げる。


「どんなに大きな壁に~ぶつかったって~」


「自分を~責めなくていいんだよ~」


 ゆうなの表情が、少しずつ明るくなっていく。オーシャンとスノーを見たことがなかったが、自然と2つのサイリウムを降り始める。


「そんなときは~涙で心を綺麗にしよう~」


「笑顔は~無理に作らなくていい~」


 オーシャンは、授業でいじめのリーダーに怒鳴られたことを思い浮かべた。この歌詞によって、傷んでいた心が洗われていくのを感じた。


「 「大丈夫~あなたの心は強いから~」 」


 みんなを元気づける歌詞を、オーシャンとスノーがメロディーに乗せる。そして曲が終わった。ゆうなたち観客が、大きな拍手をする。


「楽しいライブを見られるなんて……!」


 とゆうなは感激している。


 オーシャンとスノーのところに、ミュージックプリズムが降ってくる。二人は手をかざす。


「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」


 大きな星を描き、サッドンに向かって飛ばす。サッドンは、吸い込まれていった。


「やっつけられてよかった。ゆうなちゃんは大丈夫かな?」


「きっともう元気を出してるよ」


 ステージに現れたトーンは、ニコニコしながら言った。ライブによって、オーシャンは、授業後の落ち込みから立ち直れた。


 ★


 スーパーの前で。


「よかった。ゆうなちゃんが元気になったみたいで」


「さっきのライブ見てたら楽しくなっちゃった!」


 とご機嫌のゆうな。すると、探していた人が飛び込んでくる。


「お母さーん!」


 ゆうなは、母親に向かって全力で走る。


「どこに行ったのか心配だったのよ」


 母親は、重たい買い物袋を持っている。もう片方の手で、ゆうなを撫でる。


「会えたみたいだね」


 しばらくして、ゆきねがゆうなに話しかける。


「ゆうなちゃん」


「もしかして、白銀ゆきねちゃん!?」


 国民的アイドルを見たゆうなの母親が、信じられないという表情をしている。


「ゆうなちゃんの母親を探すのを、手伝ってくれたんだよ」


 とトーンが説明する。


「ゆうなちゃんに会えた記念として、これをあげる」


 ゆきねがゆうなに渡したのは、ライブのチケットだった。


「やった! ゆきねのライブに行くの、ずっと夢だったんだ!」


「うちの子を探してくれて、ありがとうございました」


 母親は、ここなたちにお礼を言った。それから、ここなたちは、別れていくゆうなに手を振った。


「元気でねー!」


 ゆうなと母親の姿が完全に見えなくなったとき、ここなは考えた。


「私、使えない人じゃない。こうして、誰かを助けて、笑顔にできたから」


 迷子の少女に話しかけたこと、ライブで元気づけたこと、母親を見つけられたこと。


 ここなの心には、そんな前向きな気持ちが広がっているのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ