Stage13 ミューグダムへ!ミュアンを探せ!(2)
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
変身が完了し、作られたステージの上に二人が現れる。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
ユニット名を名乗った二人は、目の前のサッドンを見る。スノーは、片手でオーシャンの手を握る。
「あたしたちなら、大丈夫だから」
小声でスノーが言った。オーシャンの緊張が解ける。そして曲が流れる。
「今日も夜が明けて〜」
「きらめく一日が〜始まる〜」
アイデレラの歌声が聞こえ始め、サッドンは動きを鈍らせる。
「今日のことだけ考えて〜」
「今が一番大切だから〜」
サッドンで隠れて見にくいが、ミューグダムの住民たちが、サイリウムを振っている。
「今日の自分が〜」
「一番きらめいているから〜」
「 「未来はもっと〜いい自分になるよ!」 」
明るい歌詞で歌を締めくくる。二人のもとに、ミュージックプリズムが落ちてくる。二人は手をかざすと、浄化技を使う。
「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」
二人が描いた大きな星を、サッドンに向けて飛ばす。星に引き込まれそうだったが、サッドンは、パンチで星を破壊してしまった。
「壊れた!?」
「効いてないなんて……」
立ち尽くすオーシャンとスノーを、サッドンはパンチで吹き飛ばす。
「きゃあ!」
二人は、ステージ後ろの巨大モニターに衝突した。そのまま倒れる。
「オーシャン、スノー……!」
「どうだ? 特別強いサッドンは」
バッダーとデッドエンは、オーシャンたちを見下す。しかし二人は、あることに気づいていない。
「ミュアンがいない……?」
と、トーンは思っていた。そのとき。
突然宝石のようにキラキラした波紋が、ステージ袖から発せられる。
「なんだ!?」
波紋は、倒れているオーシャンとスノーに当たった。ダメージが癒えていくのに気づいたオーシャンは、ゆっくりと立ち上がる。
「なんだか、心と体が癒されていくよ……」
そうつぶやくと、オーシャンは歌い始める。
「あなたは~いつだって~あなたでいるよ~」
「……?」
スノーも立ち上がり、オーシャンの隣まで歩いていく。
「どんなに大きな壁に~ぶつかったって~」
「自分を~責めなくていいんだよ~」
二人の歌声は、サッドンに強く作用している。少し弱ってきたのをトーンは見た。
「そんなときは~涙で心を綺麗にしよう~」
「笑顔は~無理に作らなくていい~」
再び振られるサイリウムが、オーシャンたちの目に飛び込む。
「 「大丈夫~あなたの心は強いから~」 」
二人が歌い切ったときには、サッドンが動けなくなっていた。
「くっ、アイデレラの歌声が、パワーアップしてやがる!」
すっかり脱力したバッダーとデッドエンは、拳を地面に叩きつけている。
そのとき再び、ミュージックプリズムが現れる。手をかざし、呪文を唱える。
「ドラマチック・トゥインクル!」
再び大きな星を描き、サッドンにぶつける。少しずつ星に吸い込まれていく。
「おい、聞いてないぞ! この最強のサッドンが……!」
とバッダーは、サッドンを助けようとステージに上がる。
「ぎゃあああ!」
星の強い吸引力によって、バッダーはサッドンとともに吸い込まれていなくなった。
「バッダーも、やられるなんて……。今回は撤収だ!」
とデッドエンは姿を消した。
「す、すごい……! でもさっきの波紋はなんだったんだ?」
「私、さっき急に回復するのを感じて……。そのとき見えた波紋のこと?」
「誰かが助けてくれたのかしら?」
トーンは、波紋が発せられたステージの袖に視線を向ける。
「ミュアン……!」
そこには、トーンが探していた黄色い猫、ミュアンの姿がある。ミュアンは四足歩行で歩くと、トーンの差し出された手に飛び乗る。
「君がアイデレラを助けてくれたのか?」
「ミュッミュー」
「そうみたいだ」
トーンは、ミュアンが伝えたことをオーシャンとスノーに言った。
「ありがとう、助けてくれて」
「ミュアーン!」
ミュアンは元気よく鳴いた。
★
黒い雲はすっかり晴れたが、荒れ果てた状態であるのは変わらない。
「ディスコーズを完全に止めなければ、ミューグダムを元の綺麗な状態に戻せない」
「でもミュアンを助けられたし、一歩進んだと思う」
ここなたちは、向こうに見える街を眺める。あそこからは、かすかに元気な音楽も聞こえてくる。
「いったん、ねおん市に戻ろう。デッドエンという奴に狙われると思うから」
「うん」
ミュアンを救出したここなたちは、ねおん市へ戻ることにするのだった。




