Stage13 ミューグダムへ!ミュアンを探せ!(1)
ここなの学校では、テストが行われたところであった。その数日後の休み時間にて、ここなとトーンが会話をしている。
「今日はテストが返されるけど、ここなはドキドキしてる?」
「すっごくドキドキだよ……でもトーンが教えてくれたから、今までより上手くできたって感じはするよ」
話をしているうちに、チャイムが鳴り、先生が入ってくる。落ち着いていないここなの速い呼吸が聞こえてきそうなくらいに、教室が静まり返る。
「では早速ですが、テストを返却します」
「まだ心の準備が……!」
クラスメイトたちがざわつき始める。そして出席番号順に、名前が呼ばれていく。ほどなくして、ここなの名前が呼ばれる。
ここなは、震えた手で、テストの答案用紙を受け取った。席についても、しばらく表を向けることはできなかった。
「今はまだ見ないでおこう……まずはトーンに見せてから……」
そう思いながら、ここなは答案用紙を裏にしたまま、机の上に置いた。
「皆さん、テストは点数だけがすべてじゃありません。どこができたのか、できなかったのかに着目することで、今後の改善につながりますよ」
先生の言葉で、テスト返却の時間は締めくくられた。それから、授業が始まった。
★
「ここな、テストはどうだった?」
休み時間、トーンがここなの席に来る。ここなは全身が鼓動しているのを感じていた。教科書の下にある答案用紙の表を、恐る恐るトーンに向ける。
「おっ、なかなかできてるじゃん」
トーンの一言で、ここなは体から力が抜ける。そして、用紙をひっくり返す。点数は、75点。赤点しかとってこなかったここなにとって、とれる点数ではなかった。
「僕が教えたかいがあったな」
「トーン、ありがとう……やっと赤点から脱出できたよ……」
ここなはこう思った。トーンは、ここなを変えてくれた人だと断言できる、と。
★
学校の帰り道、ここなとトーンが一緒に歩いている。
「実はここな、ミュアンの居場所が分かったんだ」
「あっあの黄色い猫のこと?」
「そうだ。僕の故郷『ミューグダム』にいるみたいなんだ」
トーンのペット、ミュアンは、ディスコーズにとらわれている状態だ。
「ディスコーズも、ミューグダムにいるはず……。ひどいことになってなければいいんだけど……」
そんな話をしている二人に向かって、ゆきねが歩いているのにここなは気づく。
「ゆきね!」
「ここな、トーン」
「ちょうどよかった。ミュアンの居場所が分かったんだ」
トーンは、ここなと話していた内容をゆきねにも説明する。
「ミューグダム……」
「これからそこに向かいたいんだ。僕の魔法で行けるよ」
トーンは、自分の魔法でミューグダムに行けることを説明した。
「二人とも、準備はいいか?」
「 「うん!」 」
「いくよ……いざ、ミューグダムへ!」
トーンがこう言うと、ここなたち三人は、光に包まれる。その場から三人の姿がなくなった。
★
「着いたよ! ここがミューグダムだ!」
ここなたちは、トーンの故郷、ミューグダムに降り立った。あちこちが音符や五線譜でデコレーションされている街だ。元気が出そうな音楽も流れている。
「このへんは、なんともないみたいだね」
可愛らしい動物たちが、道を歩いている。被害を受けたようなところは見られない。
「他の場所も見てみよう。ミュアンや、ディスコーズが、どこかにいるはずだ」
トーンは、ここなやゆきねと違って真顔になっている。
「あそこ、なんだか暗いよ……?」
少し歩いていくと、黒い雲に覆われている場所を見つける。動物たちが慌てた様子でこちらに向かってくる。
「もしかして、避難してる……?」
「ということは、ディスコーズやミュアンはあそこに……。気を引き締めて行こう」
「うん」
ここなたちは、暗い地に足を踏み入れるのだった。
★
ここは、先ほどのメルヘンなところとは打って変わって、荒野のような場所になっている。
「あっ、あれは……!」
ここなたちは、怪しそうな男二人を発見する。
「ミュアンだ!」
黒い服の男たちの中で、一際目立つ黄色が飛び込む。
「やめるんだ!」
男たちのもとに走りながら、トーンが叫んだ。ここなとゆきねも向かう。
「あっ、いつも俺たちの邪魔をしてるアイデレラ……」
「その猫を離して! 苦しそうにしてるよ!」
「バッダー、隣にいるもう一人は?」
バッダーの隣には、高身長で尖った爪を持つ見たことの無い男がいる。それについてゆきねが問う。
「俺はデッドエン、ディスコーズの一人だ。バッダーよりもっと強いぞ」
「また新たなメンバーが出てきたね……」
「この猫を返してほしければ、俺たち二人と勝負しろ」
「猫がお前たちのところにいなければ、勝つのは難しいだろうな」
トーンは、ミュアンの持つ力をアイデレラに利用されないため、ミュアンをさらったのではないかと推測する。
「 「出てこい、サッドン!」 」
バッダーとデッドエンが同時に叫んだ。ここなたちの前に現れたサッドンは、いつものより何倍も大きかった。
「巨大なサッドンが、現れるなんて……」
「怖いけど、ここな、ライブをして弱らせるしかないよ」
「ゆきね……」
弱音を吐こうとしているここなに、ゆきねが言った。二人はブライトマイクを取り出す。




