Stage11 文化祭でゆきねがライブ!(2)
文化祭で、スペシャルゲストが来る時間になった。ここなたちは体育館に向かう。
降りた幕の前で、マイクを持った司会が立っている。
「みなさんようこそ! ねおん中学校の文化祭にお越しいただき、ありがとうございます!」
多くの人が詰めかけている体育館で、拍手が起こる。
「ではさっそく、今年の文化祭のスペシャルゲストの紹介と行きましょう! この方です!」
幕が上がり、現れたのは、ここなにとっての憧れであり、また友達でもある人だった。
「みなさんこんにちは! 白銀ゆきねです!」
驚きと嬉しさで、大きな歓声が上がる。ここなも、ゆきねが文化祭に来ることは知っていなかった。
「まさか中学校でライブができるなんて、夢のようです……。あたしの歌をたくさん聞いて、楽しんでくれたらなと思います!」
学校でのライブが初めてなのか、ゆきねの声には緊張が混ざっている。
「ではゆきねさん、曲の紹介をお願いできますか?」
と司会が言う。ゆきねが曲名を言おうとすると。
「きゃっ!」
ゆきねが突然、何者かに突き飛ばされる。ステージに現れたのは、バッダーだ。
「ここを悲しみでいっぱいに変えてやる……。出てこい、サッドン!」
バッダーによって、ステージの上に怪物サッドンが現れる。起き上がろうとするゆきねに近づいていく。観客たちが慌てている中、ここなとトーンはゆきねのもとに向かう。
「ゆきね!」
トーンの声に気づいたゆきねは、走ってここなとトーンのところに避難する。
「怪我はない?」
とここなが言う。ゆきねの無事を確認すると、二人はブライトマイクを取り出す。
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
変身すると、体育館のステージが、アイデレラ専用のキラキラしたステージに変化する。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
ステージに現れた二人は、ユニット名を名乗った。サッドンが二人に近づこうとすると同時に、曲が流れ始める。
「Cheer up! みんなの力で〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
元気なメロディーとともに、二人が軽やかに踊り始める。サッドンの動きが止まる。
「悲しい一日だった日は〜自分をいたわって〜」
「今日できたことは〜きっと見つかるよ〜」
曲に合わせて、観客たちの手拍子が鳴り響く。
「Cheer up! 自分をほめて〜」
「Cheer up! 元気を出そう〜」
「 「誰にでも〜いいところがあるから〜」 」
オーシャンとスノーの髪やフリルも、楽しそうに踊っている。
「 「みんな元気で〜Cheer up!」 」
曲が終わると、観客は元気な拍手を送る。二人のもとに、ミュージックプリズムが降ってくる。
「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」
ミュージックプリズムから力を得た二人は、半分の星を描き、大きな星を作る。ステージ上の弱ったサッドンに飛んでいく。サッドンは、星に吸い込まれた。
「やったー!」
オーシャンとスノーが抱き合う。トーンは、拍手しながら二人に近づく。バッダーは、肩を落としながら姿を消した。
「二人とも動きがピッタリだったよ」
「私もライブするのに慣れてきたよ」
「敵もいなくなったことだし、文化祭でのライブを再開しなきゃ」
スノーがそう言うと、ステージは光に包まれ、元の体育館のステージに戻る。
★
「変な怪物がいなくなったから、戻ってきたよー! みんな無事だった?」
ステージに現れたゆきねに、緊張の色は見えない。ゆきねの言葉に、大きな歓声が上がる。
「では改めまして、聞いてください、『キラキラシャイニー☆』!」
ゆきねのライブが始まり、体育館が再び盛り上がりに包まれるのだった。
「輝く~色とりどりの世界~」
「ゆきね! ゆきね!」
本物のライブ会場と同等の熱狂に包まれていた。
★
「ゆきねのライブ、最高だったよー」
文化祭を終えた帰り道、ライブの余韻に浸っているここな。
「ライブでみんなを笑顔にするのがあたしの使命だから、そう言われたらテンションマックスになっちゃうよ」
「ここな、文化祭を楽しめてよかったな」
「うん! トーンが私の学校にいてくれるおかげだよ」
ここな、ゆきね、トーンは、笑顔に満ちながら夕空の下を歩いていくのだった。




