Stage8 ここな、ゆきねのライブに行く(2)
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
変身した二人を包んでいた光が収まり、ステージに二人が現れる。
「悲しみを!」
「幸せの歌に変える!」
「 「私たち、I♡DERELLA!」 」
スノー、オーシャンの順に言うと、二人はユニット名をコールした。
耳の癒されるメロディーが流れ始める。
「今日も夜が明けて〜」
「きらめく一日が〜始まる〜」
二人の歌声を聞いて、観客たちが立ち上がり、サイリウムを振り始める。
「今日のことだけ考えて〜」
「今が一番大切だから〜」
オーシャンは、すっかり笑顔になっている観客たちに気づく。それによって、オーシャンもとびきりの笑顔になる。
「今日の自分が〜」
「一番きらめいているから〜」
「 「未来はもっと〜いい自分になるよ!」 」
オーシャンとスノーが、元気よく歌い切った。拍手が起こると、二人の頭上に、ミュージックプリズムが現れる。手をかざすと、二人は同時にうなずく。
「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」
二人は星の片方を描き、合体した大きな星ができる。ステージに上がろうとするサッドンに向かって飛んでいく。サッドンは星に吸い込まれていなくなった。
「やったね!」
オーシャンとスノーがハイタッチする。ライブを再開しようとステージの後ろに行こうとすると、
「はぁ……」
アイデレラの歌声で気力を失ったバッダーが、座り込んでいた。抱きかかえられた黄色い猫は、不思議に思うような表情をしている。二人に気づくと、バッダーは慌てて、猫とともに姿を消した。
「あっ、いなくなっちゃった」
「あの猫、なんだろう……?」
オーシャンとスノーに、疑問が残るのだった。
「今はライブを再開するときだよ」
「そうだね」
二人は観客から見えないところに行き、変身を解く。
ここなが観客席に戻ってしばらくすると、ゆきねがステージに現れた。大きな歓声が上がる。
「みんな、お待たせ!」
こうして、ここなはゆきねのライブで幸せな時間を過ごすのだった。
「ゆきねの歌、最高……!」
叶いそうになかった1つの夢が実現した。そんなここなの胸は、ずっと踊っていた。
★
ライブが終わり、ここなとゆきねは帰宅しようとしているところだ。
「今日のライブ、すっごく楽しかった!」
「ちょっとトラブルがあったけど、たくさん歌えてよかった。これからも何度かここなをライブに招待するね」
「やった!」
テンションの高くなった二人の笑い声が、路上に響いた。
★
翌日、学校で、ここなは昨日のことをトーンに話す。
「バッダーが、黄色い猫を抱えていたんだけど、トーンは知ってる?」
ミュージックプリズムによく似た飾りをつけていたことも説明した。
「ああっ、僕のペットのミュアンだ!」
「ミュアンっていうの?」
「ああ。やっぱり、ディスコーズにとらわれていたんだな」
トーンは、ミュアンのことを簡単に説明する。
「ミュアンは、僕のように魔法が使える猫なんだ。特にアイデレラの歌声を聞くと、強力な魔法が使える」
「強力な魔法……!?」
「おそらくディスコーズは、ミュアンが使える強力な魔法を発動させないように、ミュアンをとらえたんだと思う」
「でも昨日、ミュアンは私とスノーのライブを見ても、反応はなかったよ」
「だとすると……ディスコーズは、ミュアンの魔法を封じたんじゃないか?」
「どうしたら、ミュアンは魔法が使えるようになるの?」
「ミュアンの首輪についている飾りに、ミュージックプリズムをかざすという方法がある。ただ、今はディスコーズから解放するのが先だ」
「そうしないと、阻止されるもんね。今度ゆきねにも伝えよう」
ここなは、トーンのペット「ミュアン」を救うことになったのだった。




