Stage7 ユニット結成と新たな技(2)
「 「アイドルシンデレラ・オン・ステージ!」 」
マイクから放たれた光が、ここなとゆきねを包み込む。
ここなの体は青い光、ゆきねの体は白い光に包まれた状態となった。
「 「レッツドレスアップ! 軽やかなシューズ!」 」
こう唱えると、ここなにブーツ、ゆきねにパンプスが装着される。
「 「華やかなドレス! きらびやかなアクセ!」 」
ステップを踏んでいるここなとゆきねに、衣装やアクセサリーが装着されていく。
「 「つややかなヘアー!」 」
そしてここなの青色の短いポニーテールが、水色の長いものに変化する。ゆきねの銀色の髪は、白いロングヘアーとなる。
変化が完了し、ターンをする。
「きらめく大海原! アイデレラ・オーシャン!」
「きらめくダイヤモンドダスト! アイデレラ・スノー!」
ポーズを決めながら名乗った二人は、現れたステージに上がった。
曲が流れ始め、オーシャンとスノーが軽やかに踊り始める。
「今日も夜が明けて〜」
「きらめく一日が〜始まる〜」
歌い始めると、悲しみに支配された観客たちが、サイリウムを振り始める。オーシャンのはブルーとピンク、スノーのはホワイトとシルバーとなっている。
「今日のことだけ考えて〜」
「今が一番大切だから〜」
観客席からはときどき、オーシャンとスノーをコールする声が聞こえてくる。
「今日の自分が〜」
「一番きらめいているから〜」
「 「未来はもっと〜いい自分になるよ!」 」
オーシャンとスノーの重なった歌声で、曲を終えた。大きな拍手が起こる。
そして二人のもとに、ミュージックプリズムがゆっくり落ちてくる。二人は手をかざす。
「スノー・ダイヤモンドショット!」
まずスノーが、複数のダイヤモンドをステージ付近のサッドンに放つ。
「オーシャン・トロピカルウェイブ!」
その間に、オーシャンも浄化技を使う。これでサッドンを倒したと思われたが……。
「☆→%・¥☆☆☆→♪¥$〜!」
「効いてないなんて……」
サッドンの不協和音と、倒せなかったショックで、オーシャンとスノーが座り込んでしまう。
「そんな……!」
とトーンがステージに現れる。サッドンは、今にも泣きそうなオーシャンとスノーに、ビームを放つ。
「きゃあ!」
飛ばされたオーシャンとスノーは、ステージ後ろの巨大モニターにぶつかる。
「オーシャン! スノー!」
トーンが、倒れた二人を起こそうとする。
「私……アイデレラなんて向いてない……」
オーシャンが、ネガティブなことを言い始める。二人ともダメージを受けており、自ら動く気配がない。
「よかった、やっぱり俺がサッドンを呼んで正解だったぜ」
大ピンチのアイデレラを遠くから見て、バッダーは笑いを抑えられない。
「僕がアイデレラの力にならないと……」
そう言いながら、トーンはできることがないかと周囲を見回す。
「あれだ……!」
トーンは、ステージの上に、色がわずかについているミュージックプリズムを発見する。走って拾う。
「これが力になってくれれば……!」
トーンは、ミュージックプリズムを、オーシャンとスノーに近づける。反応したのか、プリズムの色が濃くなっていく。
そしてプリズムから虹色の光が出て、オーシャンとスノーを包む。傷が癒え、顔色がよくなっていく。
「みんなを……笑顔に……したい……」
とゆっくり起き上がるオーシャン。その手を、スノーが握る。
「これが……あたしたちの役目なんだから……!」
二人は、空いている片方の手を、ミュージックプリズムにかざす。二人に、感じたことの無い新たな力が宿り始める。
「行くよ、オーシャン」
スノーが合図を送る。
「 「ドラマチック・トゥインクル!」 」
二人は手で、半分の星を描く。それが合体し、1つの大きな星ができあがる。その星は、サッドンに向かって飛んでいく。サッドンは、星に吸い込まれるようにして消えていった。
「くっ……いつの間にそんな技を……」
バッダーは、片足で地面を強く叩くと、姿を消した。
「よくやったよ、オーシャン、スノー」
トーンが、オーシャンとスノーのもとに歩いてくる。
「すごく悲しくて全然動けなかった……でもトーンのおかげで立ち直れた」
「僕の勘が当たってよかった。初めての合体技、見事だったよ」
「オーシャンが隣にいてくれたからなの」
「ありがとう、スノー、トーン」
オーシャンは、ピンチになりながらもサッドンを倒せたことで、笑顔になれたのだった。
★
「ゆきね、ユニット名、考えてみたよ」
帰り道、ここなはゆきねに言った。
「どんなの?」
「I♡DERELLA。アルファベットでアイ、ハート、デレラ」
「わあ、素敵!」
「ハートを入れて、自分やみんなを愛している、そんな意味を込めてみたんだ」
「いいじゃないか、僕は賛成だよ」
とトーン。
「ふふっ、じゃああたしたちは今日からI♡DERELLAだね!」
ここなとゆきねは、お互いの手を握る。
「あっ、あたしの家あっちだから! じゃあね!」
とゆきねは角を曲がった。
「ユニットを組んで、これでアイデレラは一歩進んだな」
「私、これからもライブでみんなを幸せにしたい」
ユニット名が決まり、ここなは夕焼け空に輝く星に向かって、こうつぶやいたのだった。




