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エピローグ

「それじゃあ、あなた達。準備はいいわね」


 真子の問いかけに三人は各々好きな飲み物を掲げて見せる。


「カンパーイ!」


「「カンパーイ!」」


 四人は一斉にコップを鳴らした。


 ツグモは未成年でお酒が飲めないからオレンジソーダである。しかし、仕事終わりの一杯は格別だった。


 口を拭いた彼は真子の方をチラリと覗く。

 手に入れたアクアマリンのブレスレットをさりげなく着込む様に身につけていた。


「何? ツグモ、姐さんのこと好きなの?」


 背後から腕を回し絡んできたのは、すでに酔っているカイだった。


「だけど〜残念だったね。姐さんはヒスイの嫁なんだ」


 彼女の言葉に目を見開く。だが、すぐにヒスイが訂正を入れる。


「ただの許嫁です。それも元ですから、ツグモさんにはまだチャンスはあります。頑張ってくださいね」


 彼の言葉を聞いて、一瞬、ホッと胸を撫で下ろすが、揶揄われていることに気づき、ツグモは顔を赤くする。


 双子の後輩いじりの光景を呆れてしまう。 真子は笑って見ていた。

 そこに突然、チャイムが鳴る。


「あら、ちょうどいい……」


 真子は席を立ち、玄関に向かっていった。しばらくして、見覚えのある女性が中に入ってくる。


「みんなー! 元気してたかしら!」


 明るい茶髪に、両手には大量の紙袋をぶら下げた、見るからに明るい人だ。

 ツグモは彼女が入ってきた時と同時に思わず叫び出す。


「あぁ! 婚約破棄の元凶女!」


「正解! でも、言い方はもう少しマイルドにしなさいよ」


 眉をひそめながら彼女は苦笑いを浮かべる。


「改めて沙雪ちゃんで〜す」


 荷物を置いてからダブルピースを見せる彼女に双子は騒ぎ立てる。

 突然の来客に驚いたのは、ツグモただ一人だけだった。

 置いてけぼりの彼に真子が説明する。


「沙雪にはわたしたちの後方支援や情報操作を担当してもらっていたの」


 誇らしげに腕を組みながら沙雪は語る。


「えぇ、今回は財前家の悪政の証拠や真子の因縁の処理をやったわね」


 彼女の言葉にツグモはあっと思い出して口を開く。


「演技だったの?」


 驚く彼に優しく頷いた。


「えぇ、騙されたでしょ? 何せ敵を騙すには味方からって言うしね」


 元々は浮吉の相手をするてはずだったが、真子の提案でツグモが加わることになった。


「それと紹介が遅れたのも、話すタイミングがなかったの」


 肩をすごめながら真子は言う。

 それにしては退屈な時間を過ごさせられたし、このタイミングで話せばよかったのでは、とツグモは言いかける。

 だが、その前に沙雪は目の前にお土産を掲げていた。


「さぁ、さぁ、軽井沢のお土産買ってきたから一緒に食べましょ」


 沙雪は紙袋から色んなお土産を広げる。


「やった! じゃあ、俺これ食べるね〜」


 いち早くカイがお見上げを取っていく。


「あっずるいですよ!」


「二人とも喧嘩はいけません」


 カイの行動に釣られるツグモをヒスイはニタニタと笑いながら宥める。

 そんな、部下達の光景を少し離れたところから真子は眺めていた。


「一人増えただけで、ずいぶん増えたわね」


「えぇ、そうね」


 沙雪の言葉に小さく頷いた。

 古くからの友人である二人はゆったりと椅子に座りながら、のんびりと祝杯を楽しむのだった。

あやしいものじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

今月は宣伝の時間がバラバラで申し訳なかったです。生活リズムがグラついていました。

今作は久しぶりに「現実世界が舞台のを書きたい!!」思いと新たな方々に読んでもらいたいと思い、

書かせていただきました。来月は「キャリー・ピジュンの冒険」の続きを投稿させていただく予定です。

最後まで「怪盗シルエイティの婚約破棄」を読んで下さり、ありがとうございます。

よろしければ、高評価を付けてくれると幸いです。

他作品も是非、読んでみてください。


よろしければ、X(Twitter)のフォローもお願いします。

https://x.com/28ghost_ran?s=11&t=0zYVJ9IP2x3p0qzo4fVtcQ

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