旅立ち
「よし!行こう!!」
「元気だね。さっきまで瀕死だったのに。」
「あの…まだ休んでた方が…」
強い意気込みを語るタサとそれに突っ込むアタラ。それを見て、止めたいけれど止められないタサを治療した僧侶。
「あの…」
「どこいく?」
「うーん、アルガ帝国かな…」
「えー、またアルガ?あそこのカレー辛いんだよなー。」
「安静にしてた方が…。」
「じゃあ、グマナ公国にでも行く?」
「それだ!」
「…」
所々僧侶は止めようとするが、声は届かず話は進む。挙句、僧侶は諦めた。
「じゃあ私たちは行くから。」
「治療ありがとね!」
私たちはドアを開け部屋を出た。
「おや、もう出発なされるのですか。ではこちらを。」
「あぁ、ありがとう。」
私はギルドの案内人から紙を受け取った。書かれている内容は、ドラゴンの襲来と、白銀の怪物について。
「あんた、新聞になってんじゃん。」
「私は白銀じゃなくて、緑髪のエルフの冒険者だよ。」
「ふーん、どうだか。」
「あっ!そういえば、助けた子には会わなくていいの?」
「あぁ、大丈夫。魔法で手紙を書いておいたから。」
「そ、ならいいけど。」
「じゃあ気を取り直して!しゅっぱーつ!」
「おー」
私たちはグマナ公国に向けて歩き出した。一方、宿屋の2階では、シェンラー達がカレーを注文していた。
アタラとタサの冒険。いよいよ本格スタートです!