白銀の怪物
「貴様の魔力量には少し驚いたが、我を倒せるほどのものではない。」
「君もそう思うのか。ドラゴンは自分の強さを過重評価しすぎだ。」
「何だと?」
「すぐにわかる。」
私は剣を鞘に戻した。
(刀、抜いた意味なかったな。)
私は手の中に杖を召喚する。出てきた杖を持ち、私は宙に浮く。ドラゴンの目線ぐらいで浮上を止めた。止まった私を見て、ドラゴンは容赦なく攻撃してくる。
「黒淵の息吹」
私の使った「炎の息吹」とは比べ物にならない代物だ。食らったら即死。ドラゴンは勝ちを確信した。
「終わったか。」
暗く燃え上がる炎の中からバリアに身を包んだアタラが現れた。
「何!?」
「だから言ったんだ。油断しすぎだと。」
ドラゴンの体は基本高魔力のバリアが張ってある。だか、常に張り続けているわけではない。そう、戦いが終わったと思ったこの瞬間はドラゴンは確実にバリアを剥がす。
「ドルタゴルダ+ドイラータ」
雷属性上位魔法を二つ合わせる。バリアを張っていないドラゴンにとって、致命傷になり得る攻撃。
「グッ!」
そのあとは、ドラゴンは断末魔を放ち、灰になって消えていった。
この事件をきっかけに、世間に新しい名を持つものが現れた。白銀のエルフ。通称『白銀の怪物』
ここから本編の内容とは別の物語に入っていきます。次回もよろしくお願いします。