ゴブリン討伐作戦(後編)
何かおかしいと思っていた。敵が弱すぎる。こんなのは数名の冒険者でも大丈夫だろう。そう、全くゴブリンたちが襲ってこない。中はもう、一方的な虐殺だった。まともに敵だったのは初めに飛びかかってきたゴブリンぐらいだろう。城内にはもうゴブリンの死体はなく、床は綺麗だった。
「なんか不気味だね。」
タサは言った。
「うん、何か嵐の前の静けさみたいな。」
私たちは地下への扉を探していた。あの男の言う少女を見つけるために。地下を探し、探し、探し、今、城の入り口に立っている。
「戻ってきた?」
「戻ってきたな。」
地下を見つけることを少し諦めかけた時、外からものすごい音がした。
ドン!
巨大な何かが城に降り立った。私たちは急いで外に出る。外に出た私たちは城を見上げる。二人の目にうったのは、大きな羽を持つ、魔物の中のトップ、赤き衣を纏うドラゴンだった。
「まずいっ!逃げるよ!」
ドラゴンはこちらを見つめていた。たが、追ってくる様子は無い。何故かはわからないが今は逃げる。私たちはギルドに走った。
「ドラゴンですか…」
ギルドに戻った私たちは、二人で少女を助け出すのは不可能と判断した。そこで、協力してくれそうな人を探していると、ギルドのクエストで知り合った冒険者パーティー、『白き旅団』がいた。
(ちょうどいい。)
知らない人を誘うよりは知っている人の方がいい。
「協力はいいが、俺たちは何をしたらいいんだ?ドラゴンを足止めしてくれ、何かは無理だぜ。」
「あぁ、分かってる。君たちには、私たちが保護した子を保護してほしい。ドラゴンは私たちが相手する。」
「分かった。健闘を祈る。」
「あああ!!!!!」
唐突にタサが叫んだ。
「どうしたの?」
「ポケットに入れてた…エクレアが…溶けてる…!」
一同の心が一つになる。
「…」
白き旅団のリーダー。シェンラーは言った。
「何で、エクレア入れたの?」
溶けたエクレアを胸に(胸ポケット)私たちは少女の救出を開始する
城の中にいる少女を助けることは出来るのか。次回、少女救出編