夜明け
「買い物終わった?」
「まだ全然書いてないよ。」
どうやらまだ、タサは買い物がすんでいない様だ。もう両手に荷物を持っているが。
「あっ!その剣買ったの?」
「うん。前の依頼で壊れたからね。」
そろそろギルドに戻っておいた方が良い時間帯だ。それを2人ともわかっている。だが、足が向かない。2人はしぶしぶ歩き出し、ギルドへの道を抜き出す。
「えー、今回は、明日の作戦の開始時刻について説明しておきます。」
伝書鳩でいいじゃん。いちいち集まらなくても。
「今回の作戦は、夜明けと同時に開始します。」
また、夜明けと同時だ。夜明けと同時。よく聞く言葉だ。だが、夜明けと同時と言うのは、メチャクチャきつい。なんなら昼過ぎくらいからがいい。そんなことを考えながら話を聞いていた。
「城内は魔物に占拠されている。単独での行動は控える様に。」
ゴブリン。弱いと言っても数が数なら話は別だ。十体が限界か。冒険者はゴブリンより強い。そこで、冒険者がゴブリンに対し同時にどこまで倒せるか、と言うものである。去年冒険者ギルドゴブリン担当部門第一学者サルパが発表していた。この十体と言うのは、一般的なゴブリンでの話だ。ゴブリンアーチャーなどとなれば話は別だ。五体。よくて五体だ。
「詳しい配属場所だが、もう手紙で伝達していた通りだ。」
あたりはもう暗い。夜の10時くらいだろうか。私とタサは明日に向けて話し合うことにしている。今、前に立っているギルドマスターの話が終わり次第開始するつもりだ。
「最後に冒険者の皆んなに一言言わせてほしい。」
ギルドマスターは目を閉じゆっくり息を吸った。
「明日、俺は城に行くことができない。だから、俺がお願いできる立場にないこともわかっている。その上でお願いだ…皆んな、生きて帰ってこい。」
ギルドマスターの威厳のある声が夜の街に響いた。
ハンバーガー食べたいです。とうとう、ゴブリン討伐作戦開始です。