キメラ討伐
アタラ、タサ及びギルド冒険者15人は、キメラを討伐中である。剣士はタサを含め7人、魔法使いはアタラとコエンを含め3人、サポートは5人。戦い方としては、魔法使い以外が前戦で敵の注意を引き後方で強力な魔法を魔法使いが放つと言うものだ。削れてはいるが、冒険者の方が、キメラよりも消耗が激しい。このままじゃ押し切られる。
「いざとなれば私が…」
アタラはドラゴンを撃退した白銀の姿通称『白銀の怪物』になることができる。が、この力が何なのかは本人もあまりわかっていない。
「うわぁ!」
「!!」
一人の冒険者がキメラの魔法に捕まった。
即座にコエンが光属性の結界を出し、キメラの追撃を防いだ。
「紫の魔法陣…あの感じは…脱力系か。」
タサが最も嫌いとする魔法、それが脱力系だ。
【脱力系魔法】脱力系魔法は、直接的な攻撃ではなく、相手を脱力させ、攻撃力を下げる魔法だ。タサは魔法ではなく、直接な物理攻撃なので攻撃力を下げられればそもそも敵を倒せなくなる。
「長期戦になるとこちらが不利だな。仕方ない。」
アタラは魔力を解放し、白銀へと化す。そこからは早かった。
「いやー、みなさま、お疲れ様です。」
ギルドマスターは言った。所々で、アタラ一人で良かったのではないか?と言う声も上がっていたが、アタラとしても、よくわからない力はあまり使いたくないため、本当に必要なとき使うようにしている。今回は使うつもりはなかったが…まぁ、良いか。
その後アタラ達は金貨をもらい、街を探索することにした。
「本当に良かったのかな…」
「ソロの方がいいって人もいるんだよ。」
アタラとタサは、コエンを一緒に行かないかと誘ったが、またすぐに会えると言い残し、去っていった。
「ねぇ、タサ。一つ疑問なんだけどさ、光属性の結界って、生成するのに5、6秒かかるよね。」
「うん。」
「でもさ、コエンがおそらく上位の光属性の結界を目にも留まらぬ速さで生成したんだけど…」
「え?コエンってC級だったよね。」
一体コエンは何者なのだろうか。
次回最終回「ドラゴンの襲来」