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カリラ・ホラン

「私たちですか?」

話しかけてきたお姉さん(おばあさん)を私は知らない。念のため確認が必要だ。私も時々、タサににた人に話しかける時があるからな…気をつけないと。

「えぇ、あなた達ですよ。冒険者さんですよね。」

「まぁ、はい。」

その女性の質問にタサが答える。あぁ、そう言うことか。私にはその女性の言いたいことが分かった。知らない人が冒険者に声をかける。間違いない。

「クエストの依頼ですか?」

「えぇ、よく分かりましたね。」

やはりそうだった。最近ギルドへの依頼に複雑な手続きが必要になり、高齢者の依頼がぐんと減った。昔は簡単だった。何かしてくれたら何かあげる。この物々交換が成り立てばクエストは成立する。ギルドができる前からあったシステムだ。だが、このシステムにも欠点があった。冒険者と依頼主の価値観の違いだ。物々交換のシステムが広がっていくにつれて、価値観の違いが大きくなり、クエスト放棄、報酬の追加要求などが起き、冒険者と依頼主が揉めることが当たり前になりかけていた。そこで、冒険者の制度を変えるために、冒険者ギルドが生まれた。確か創設者の名前は…カリラ・ホランだったっけ。でももう3000年も前の話だ。エルフの私ですら生まれていない…。話は戻るが、冒険者ギルドが発足し、冒険者たちと依頼主の間にギルドが入ることで、揉めることがほぼなくなった。そんな中、一昨年ぐらいだったかな。ある事件が起きた。その事件とは、冒険者ギルドの冒険者が受けた依頼の報酬が用意されていなかったと言うものだ。詳しく言うと、ギルドの役割は、依頼主と冒険者を結びつけること。この事件の時もしっかりと役目を果たし、双方の納得のいく形でクエストがスタートした。だが、依頼主側が、想像以上の報酬で、用意できなくなってしまい、ギルドにクエストを取りやめるように申請した。だが、その申請はギルド本部には届かず、相手の冒険者もたくさんのクエストを受けており、ギルド側はどのクエストのことか把握出来ず、受付は差出人がもう一度来た時に聞こうと判断し、申請書は受付で保管されることになった。その結果、依頼主はもう現れず、冒険者はクエストをクリアして帰ってきた。そのあとはもう想像がついていた。報酬がもらえないと知った冒険者は激怒し、ギルドに反論を申し出た。結果、ギルドは負け、大損害。この数ヶ月後、しっかりとした身分証明や勤務先、連帯保証人などなど、必要事項が圧倒的に増え、ギルドは民間のものではなく、貴族や商人中心のものとなって行った。そのためか、こうしてギルドに向かう道中、冒険者を見つけて依頼する、路上依頼が増えた。この女性もその一人だろう。

「何か依頼ですか?」

「えぇ、実は…」

ここからの話は長くなるので簡単に説明する。

この女性が言うには、冒険者ギルドの冒険者が、自分たちの権力を振り翳し、街で好き放題やっていると言う。この街は珍しく、ギルドはないが、冒険者は多い。そのため、気の短い冒険者や、好き放題する冒険者がいてもおかしくないだろう。その冒険者達を止めてほしいと言うことらしい。なんかまた面倒なことが始まった、そう思いながら私達は話を聞いた。

次回、「冒険者なんか辞めちまえ!」

乞うご期待

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