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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

恋心

作者: せとあきは

 今自分が友達に恋心を抱いてるということに気付いてしまった。


 ただ単純に仲の良い友達のままで居る事が苦しいと感じてしまうようになったからだ。その気持ちを彼に伝えたら彼はなんと思うのだろう。


 きっと困惑するに違いないと思う。


 その理由は同性だからとしか言い様がない。


 まさか自分が同性を好きになるなんて思いもしなかった。


 きっかけは何だっただろう。気付いたら仲良く話すようになり、どこにでも一緒に行ける関係になっていた。


 もうすぐ高校も卒業の時期が迫っている。


 進路は二人とも大学進学で一致しているが志望校までは一緒ではなかった。


 彼は北海道の大学に行くそうだ。


 自分も同じ大学に行きたかったが、そこまで頭が良くない自分には難しい話に思えた。


 地元の大学ですらも怪しく教師からは就職を薦められている。


 彼とこのままでは離ればなれになってしまう。


 だが何よりも前に、彼にこの心を伝えなければならないと思った。




「お前の事が好きなんだ」


 色々言葉を考えたけれども、この言葉しか言うことが出来なかった。


「何を言ってるんだ。俺もだよ」


 彼の表情からは自分の伝えたいことが伝わってないことがわかった。


 誰だってそう思うだろう。


 男が男に真剣に告白しているなんて思いもしないはずだ。


 彼の勘違いを訂正するべきなのだろうか。


 その事を考えているうちに訂正するチャンスを逃し、その日は彼と別れてしまった。


 自分はこの日の事を一生後悔すると思った。




 あれから彼に彼女が出来た。


 自分の本意を伝えなかった事は正解だったのだろうか。


 その事を今でも悩んでいる。


 彼の隣の居る彼女はとても良い人だ。


 彼氏の親友として自分にも優しくしてくれる。


 そんな彼女に自分はどこか嫉妬している部分もあるのだ。


 本当ならば、もっとも近くにいるのは自分だったはずなのにという思いが残っている。


 でも、本当の事を伝えていたら親友という立ち位置も失っていたかもしれない。


 彼女と二人で歩く彼を見て立ちすくんでいた私の手を引く私の「彼女」の事を好きになれない自分が本当に嫌になるのであった。


(了)

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