第4話「能力を開花させてみる②」
見に来てくれてありがとう
早速、本に書かれていたコツをやってみる事にした。
お腹に力を入れて深呼吸を繰り返す…
僕は目を閉じ集中する。
部屋には呼吸の音が響き渡り、邪魔される気配はない。
最高の環境だ
何回繰り返しただろうか…
100回、いや200回は優に超えている。
だが一向にマナの感覚が掴めない…
僕の能力はマナを使うものではないのだろうか。
そう思い諦めようとした次の瞬間!
お腹の奥に暖かいものを感じた。
それは呼吸に合わせて、お腹,全身,お腹,全身と行ったり来たりしている。
これがマナかと気づくのに、そう時間は掛からなかった。
一旦マナの感覚を忘れないように、5分ほど繰り返す。
その後僕はマナを感じ取れた為、次のステップに移行する。
「まずは本の内容の確認だ。」
少し怠さがする体に鞭を打って本を読む、誰だって好奇心には逆らえないのだから。
〈体の中に秘められているマナを確認できたら、後は自分との戦いだ。
能力とは想像したものを具現化させる力。
自分が能力を扱う姿を想像し、顕現させる。
だが当然、自分の扱える能力など知る由もない。
だから、後は只管試すしかない
頑張れこの本を読んでいる君よ!私は応援している。〉
最初に読んでいた為、知ってはいたが……後は
自分との戦い…か。
これは長くなりそうだ……
こうして僕は能力を扱う為に、来る日も来る日も想像した、自分の能力を扱う姿を。
少し気が遠くなる事が数週間置きに発生する為、家族には少しばかり心配されている。
このまま家族を心配させるのは嫌だが黙っておく、能力を扱う為に。
能力を扱う練習をしてから1年が過ぎた
寒い冬が明け、春の息吹を感じる季節になった頃、僕はようやく能力を開花させた。
手にマナを集中をさせる。
すると、手のひらには真空放電のような電気がビリビリという音と共に集まった。
これが僕の能力「迅雷」
ただ雷を出すのではなく、纏わせる事でその効力を発揮する。
これを見つけ出すのに1年かかったが、その分効果は絶大だ。
僕はこの能力を極めて最強になる。
この世界で自由になる為に