第3話「能力を開花させてみる①」
見に来てくれてありがとう
朝になった
僕は目を覚ますと急いでベットから起き上がった。
慎重に襖に向かい部屋の周囲を確認する…
周りに人はいないようだ。
ほっと息を撫で下ろした僕は、急いでベットの下に手を伸ばす。
「あった!」
昨日書斎からパクっt……ケホンケホン
昨日書斎から借りた本がキチンとベットの下にある事を確認した後、本を取り出す。
《能力の使い方〜基礎〜》
この世界に来てから本を読むのは初めてだ。
胸の高鳴りを必死に押さえつけながら僕は本を読む。
〈この世界の全ての生き物は力の大小はあれど、能力を持っている。
人間,魔獣,亜人,はもちろん、家畜さらには微生物までもがだ。
ただし、このような能力を覚醒できない者も一定数いる。
そのような者達を覚醒させるまでに至らせる為にこの本を記した。〉
という文章から本編はスタートした。
そこには能力とはなんなのか、能力を使う為にはどうすれば良いのかが、事細かく説明されていた。
大体30ページ程で終わった本を閉じると、僕は好奇心が抑えられなくなった。
「やってみたい」
その気持ちでいっぱいになった僕は早速、実際にやってみる事にした。
もう一度襖を開けて周囲を見渡す。
誰もいない事を確認した僕は、そっと襖を閉じると本を手に取り能力を使ってみる。
〈能力は己に秘められた力。大抵の生物はその体に1つしか能力はない。
能力は大きく分けて3種類あり、
・常時発動しているもの
・体に流れるマナを操り発動するもの
・何らかの発動条件がかせらているもの
というものだ。
大抵は1つ目の方が発動条件は軽いが、3つ目の方が強力である。
1つ目と3つ目の能力は自分では分からない為、まずはマナを操る訓練を始めた方が良い。
そもそもマナとは、生命が作り出すエネルギーであり、マナがどのようにして作り出されているのか、マナはどうやったら量を増やせるのかは不明である。
基本は体中を駆け巡っている為、一点に集めるのは難しい。
だが、腹式呼吸をする事で横隔膜にマナを集められる。
まずはそれでコツを掴んでいくことが大切だ。〉