あとがきの様な話
作品としてはここで完結だけども、この後、満州内戦はどうなるのか?いや、そもそもそれまでの経緯は?
第二次世界大戦が1947年3月に終わるその少し前から、中国内戦は再開されていたハズ。ただ、史実より長い戦乱は欧米だけでなくソ連をも痛めつけていたハズで、中国共産党への支援が史実の様に行われるはずもなく、ましてや満州も日本軍の遺棄兵器や武装解除による横取りも出来ず、かなり貧弱な状態で終始したはず。
対する国民党も、対独戦に集中する米国に置き去りにされており、共和党政権は満州を事実上得た事でもはや興味すらないかもしれない。
それでも一応は内戦を続け、外国勢力がほぼ払しょくした上に、手を貸す者すら少ない状況なので、共産党は華北を得て、完全に統治に失敗している国民党からジワジワむしり取る様に支配地域を広げていく事だろう。対独戦が終ったソ連も、もはや満州へ向かう事も出来ず中国共産党しか支援できない。
そうなると、そもそも浮いた存在になってくるであろう国民党支配地域も力をつけた共産党へ転向し、気が付いたら上海周辺以外、保持してないんじゃなかろうか。上海なら大陸に夢見る帝国日本の生き残りが手を貸してくれるから。
こうして、上海だか浙江だかという小国と、それ以外の中華が誕生する。一部は満州に逃げ込んで、満州でも暗闘を続け、表面化。満州内戦という筋書き。
米国は何としても遼河油田や鞍山鉄山は守ろうとするだろうから、間違いなく介入する。当然ながら、いくら米国に引き渡したと言えども、政治中枢は日本人がかなりいるし、引き揚げていない人たちも多く居るので、戦後、米国式の文民統制条項へと改変された日本国憲法によって組織される新生日本軍も参戦する事になる。ノリは戦前のマンマだし?
傭兵という体のソ連軍が人民解放軍を名乗って参戦してくる可能性もあるから、満州統治司令官のマッカーサーは原爆使用を提案するだろう。疲弊したソ連がこの時点で、いや、1950年や51年には形だけでも成功を宣言しているのは間違いないか。ならば、米政府は使用を拒否して解任だろう。その結果、朝鮮半島の替わりに満州が二つに分かれることになるのかな。
朝鮮半島は一応独立国の体を整えるために李氏王家を漢城へ帰して朝鮮王国として独立させ、極東相互防衛機構の一員とする。まあ、日本軍が駐留する国になるんだろうが。北部は鉱山があるし、南部は近衛の農政改革によって内地並みに農地整備や干拓が進んでいるから住み辛くは無いだろう。更に、機構加盟国にはフィリピンも加わる。ああ、上海だか浙江だかを支配する中華民国というのがあって、これも入れるのかな?
そうなると、その後のアジア情勢も中華民国や満州を中心に考えることになるから、21世紀を迎える頃の成長株は共産中華ではなく、南満州と沿岸中華になるだろう。蝦夷と日本でもそうだったように、満州はウクライナのようにロシアが狙う土地になってるかもしれんね。共産中華はそこまで発展しないか、沿岸中華の経済植民地ではないだろうか。
日本のその後については、1960年代には核武装して21世紀には英国病だろうな、色々と。米国の関心も満州と沿岸中華にあるだろうから、共産中華の経済発展はなく、コロナパンデミックは無いかもしれない。極東ソ連/ロシア軍は陸はそこそこある、海はオホーツク海の出入りを日本が握ってるから使えない。それもあって、狙うは満州かと。
そんな日本を今より良いと見るか、軍事負担が重い嫌な国とみるかは人それぞれかな。農業は企業経営化されてるから、現在とはまるで別物になってるだろうけどね。農協がなくて、各企業や法人に補助が下りるんなら、今のような農家への僻みなんかも違うものになっってるだろうし、内地が嫌なら朝鮮や満州という選択肢もあるだろうしね。台湾は日本国台湾だろうね、たぶん・・・
ちなみに、相良油田が史実の100倍産出量があったとしても、千倍だったとしても、戦後日本の需要は満たせないし、結局は細々と生産を続ける小規模油田と化すんだろうな。




