E=MC^2(イーイコールエムシー2乗)
E=MC^2(イーイコールエムシー2乗)
レールガンで実習場を破壊して、本日の講義は終了になった。
「ビオレータさん、で、あれは何なんですか?」
「私は、魔力での生成物を直接飛ばせないので、生成物を魔力で飛ばせば問題がないかと・・・、発想の転換ですね!」
「ね!、ではありません!
それに、生成物を魔力で飛ばすアロー系統でも、こんな現象は起こりませんよ!」
「それは、飛ばす速度が遅いからです、理論的にはそこら辺に転がっている小石でも、音の速さで飛ばせば人の身体を貫通しますよ!」
「で、今回はどの程度の速さで飛ばしたのですか?」
質問に顔を反らす。
「ビオレータさん、もう一度聞きます。
今回は音の何倍の速さで飛ばしたのですか?」
「・・・・、10倍です。」
「はぁ、次はありませんよ!」
「ビオレータ、ドンマイ!」
カタリーヌ先生の長い説教から解放されたのは、食事の鐘が鳴る寸前であった。
今は、食堂に向かいながらミスティルティンに慰められていた。
「ビオレータさん、大丈夫でした?」
「凄く長い説教でしたわね」
二人は食堂の前で待っていてくれた。
「『次はありませんよ』と釘を刺されました、理不尽です。
先生がやれと言ったのに・・・」
二人は肩を竦めて苦笑いだ!
食事を取ってテーブルに着き、話ながら食事をする。
ミスティルティンは何時もと同じく、苺にかぶり付いている。
「でも、どうしてあの様な現象が起こったのでしょう?」
「物質を飛ばす速度を上げると、威力が上がるのです」
「でも、それは微々たるものでしょう? わたくしの知る限り、それほど変った様には感じませんけど?」
「これはあくまでも物理的な、計算上の話ですが、攻撃が当たった時の威力は、当たった時の重さかけるその時の速さかけるその時の速さで計算できます。」
「?、速さが重複していますけど?」
「はい、そうです。
だから、速さが2倍になると威力は2倍ではなく、4倍になります。」
「「・・・・・」」
二人は口をぽか~んと開け、食事が止まってしまった。
暫くして復活したシルフィーが質問してくる。
「ところで、あの時の速さはどれくらいの速さだったのでしょう?」
質問には答えず、視線を反らす。
「ビオレータさん、わたくしの耳には爆発の後に爆発音が聞こえましたが・・・」
二人が睨んでくる。
人間、諦めが肝心だ!
「ちょっとですね、計算を間違えまして、投擲する物も軽かったですし・・・、多分ですが・・・・、クラスの中で一番速く投擲出来る人の約50倍・・・」
「50倍という事は、50かける50で、威力は・・・」
「ちょっとした計算ミスですよ、ちょっとした!」
「「ちょっとじゃないです!」」
このあと二人は、「この無自覚規格外をどうやって抑止するか」とか「実習の時は二人で監視しましょう」とか話していた。